プレゼンテーション「IIJmioモバイルサービス 新プラン発表会」

株式会社インターネットイニシアティブ / 技術

IIJmioモバイルサービス 新プラン発表会

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日経XTECH

IIJmioが2GBで780円からの新料金、データ専用eSIMなら2GBで400円から

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は2021年2月24日、個人向けMVNO(仮想移動体通信事業者)サービスの新料金プラン「IIJmioモバイルサービス ギガプラン」を発表した。新料金はデータ容量2ギガバイト(GB)の音声SIMが月額780円から(税別、以下同じ)。2021年4月1日より提供を始める。

他社を意識した低価格設定、eSIMの普及図る

 IIJmioの新料金プランは、データ容量が2GB/4GB/8GB/15GB/20GBの5段階。それぞれについて音声付き、SMS付き、データのみ、データのみeSIMの4種類を選べる。音声付きとSMS付きはドコモ網とau網、データのみとデータのみeSIMはドコモ網だけとなる。

 eSIMプランはIIJのフルMVNOを活用したもので、料金は2GBで400円、20GBで1500円と安い。「eSIMの知名度を上げ、マーケットリーダーとして普及を支援したい」(MVNO事業部コンシューマーサービス部長の亀井正浩氏)と狙いを語った。

 音声の通話定額としては、従来通り電話番号にプレフィックスを付けるタイプのオプションを提供する。データ容量の追加は1GB当たり200円。高速通信をオフにした場合、およびデータ容量超過後の速度は最大300kbps(キロビット/秒)に引き上げた。

 5G通信は、2021年6月より無料のオプションとして提供する。4G対応のスマホで問題が起こる可能性を考慮し、5Gをオン/オフできる仕組みを導入するという。

 データの繰り越しやシェアも可能。家族で毎月使うデータ容量がよく変わる場合や、1人で複数の端末にSIMを入れて使う場合など、データをシェアすることで無駄なく利用できるとした。

 新料金プランの申し込みは2021年4月1日より受け付ける。既存プランから変更する場合は、最短で5月1日からの適用となるが、3月1日から先行エントリーで2000円のギフト券をもれなくプレゼントするキャンペーンを始める。

 データ繰り越し、データシェア、データの追加購入、専用アプリの提供など一部の機能は2021年6月より順次提供予定となっている。

6月投入予定だった新プランを前倒し、春商戦に投入

 IIJの事業概況は、モバイル総回線数が320万回線を超えるなど好調としたものの、「個人向けのMVNO事業は苦戦している」(MVNO事業部長の矢吹重雄氏)。苦戦の背景として、新型コロナウイルス禍による外国人需要の減少、来店頻度の低下、大手キャリアの低料金プランといった要因を挙げた。

 新料金プランは2021年6月開始をめどに準備を進めてきたが、市場環境を見て4月の春商戦にリリースを早めた。キャリア接続料の議論も進んでいるが、「市場環境を考えると、引き下げを待っていては遅過ぎる。議論されている接続料や音声の卸料金を私たちなりに想定して、新プランの料金を設定した」(矢吹氏)という。

 IIJではトラフィックの発生パターンが個人と法人で異なることを利用し、設備の効率を高めてきた。「個人と法人の両方を発展させる必要がある。元気のない個人向けサービスを新プランで活性化させ、事業拡大につなげたい」(矢吹氏)と意気込みを語った。