価格は1100万円
ホンダ、初の自動運転レベル3搭載「レジェンド」発表　渋滞時にシステムが運転操作

　ホンダは3月4日、自動運転「レベル3」の技術を搭載した新型「レジェンド」を発表した。世界で初めてレベル3に適合する技術として国土交通省から型式認定を受けたシステムを搭載。高速道路の渋滞時にシステムが全ての運転操作を行うことが可能になる。100台限定でリース販売し、自動運転技術の発展に向けた一歩とする。

　新型レジェンドには、レベル3の型式認定を受けた自動運行装置「トラフィックジャムパイロット（渋滞運転機能）」をはじめとする先進技術を採用した「Honda SENSING Elite（ホンダセンシングエリート）」を搭載した。

　トラフィックジャムパイロットは、高速道路や自動車専用道路の渋滞時に作動。渋滞に遭遇すると、一定の条件下でシステムがアクセル、ブレーキ、ステアリングをドライバーに代わって操作する。システムが周辺を監視しながら制御するため、ドライバーは走行中の動画視聴なども可能となる。渋滞が解消されると、通知音や表示灯、メーター表示などでドライバーに操作を要求する。

　ドライバー操作要求に応じない場合には、緊急停車を支援する機能もある。システムからの通知があったにもかかわらずドライバーが操作をしないと、警告音を強めたり、シートベルトに振動を加えたりしてさらに操作を要求。それでも応じない場合には、ハザードランプで周囲に注意喚起をしながら車線変更し、路肩などに停車。コールセンターへの接続も行う。

ハンズオフ機能付きの運転支援も

　ホンダセンシングエリートには、トラフィックジャムパイロットのほか、ハンズオフ機能付きの車線維持支援や車線変更支援などの機能もある。一定の条件下で、ドライバーがハンドルから手を離した状態でも、車線内の走行や追従、車線変更、追い越しなどの操作を支援する。

　車両制御については、多数のミリ波レーダーやセンサーを備えるほか、3次元の高精度地図や全球測位衛星システムの情報を活用することで、自車や周囲の状況を把握。また、車内のモニタリングカメラでドライバーの状態も見守る。

　3月4日に開催した発表会で、開発担当者は「信頼性・安全性」を重視してきたことを強調。「レベル2までの運転支援とレベル3の自動運転には大きな壁がある。『自ら事故を引き起こさない』ことが最も重要。今回開発した技術を、今後の運転支援機能などにも広げて、普及拡大を目指したい」と語った。

　メーカー希望小売価格は1100万円（税込）。リース専用車両となる。