プレゼンテーション「ココカラとマツキヨが統合協議へ 共同記者会見で発表」

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ココカラとマツキヨが統合協議へ 共同記者会見で発表

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M&A Online

マツキヨHD・ココカラ統合、ドラッグストア「アジアで一番」を目指す

経営統合に向けて協議を開始したドラッグストア業界5位のマツモトキヨシホールディングスと同7位のココカラファイン。両社は22日、都内で共同記者会見を開き、マツキヨの松本清雄社長は「国内のみならず、アジアで一番をとりたい」、ココカラの塚本厚志社長は「生き残りではなく、勝ち残りを目指す」と統合への意欲を語った。

マツキヨHDは業界トップに返り咲く

両社の統合が実現すれば、売上高は1兆円規模(店舗数約3000店。うち調剤薬局併設約600拠点)となり、7000億円台後半で業界トップを僅差で争うツルハホールディングス、ウエルシアホールディングスを一気に追い抜いて首位に立つ。マツキヨにとってはトップへの返り咲きが実現する。

マツキヨHDとココカラは今月14日に経営統合に向けた協議を始めると発表。16日にその覚書を締結し、対等の精神で協議を進めると表明した。22日の共同記者会見は経営統合への協議開始を受けて行われた。

協議を開始したばかりであることから、統合スケジュールや統合方式、統合新会社の社名、役員体制などは現時点で未定。

「共同持ち株会社」方式で統合へ

ただ、統合方式については「マツキヨ、ココカラの屋号を変えずにやるのはあり得る」(松本マツキヨ社長)、「(ココカラとマツキヨは)統合新会社の子会社としてそれぞれやっていくが、商品開発はできるだけチームとして一緒にやりたい」(塚本ココカラ社長)などとし、共同持ち株会社方式による統合が有力とみられる。新設する共同持ち株会社にマツキヨ、ココカラをぶら下げる形だ。

ココカラは4月に、マツキヨと資本業務提携の検討を開始した。6月には新たに業界6位のスギホールディングスとの経営統合を前提に協議をスタートしたが、この直後、マツキヨから資本業務提携に代えて経営統合の打診があった。ココカラは最終的にマツキヨとの協議開始を決定し、同社に独占交渉権を与えた。

今後のスケジュールでは統合方式などの骨格を定める基本合意書の締結が待ち構える。その後、デューデリジェンス(資産査定)を経て最終契約書の締結となる。最終契約書締結まで通常は最低6カ月が必要とされるが、両社間では4月からの資本業務提携の検討を含め、協議を積み重ねてきていることから、時期が早まる可能性がある。その場合は、年内か年明け早々ということも考えられそうだ。

ココカラ「課題を解決し企業価値を最大化できる」

統合の狙いについて、ココカラの塚本社長は「経営の課題を解決し、企業価値が最大化できると判断した」と説明。マツキヨの商品開発力、マーケティング力、店舗運営力のノウハウを取り込む考えを強調した。マツキヨはPB(プライベートブランド)商品について業界屈指の1500種類を取り扱い、売上比率も10%に達する。塚本社長は「第一段階としてマツキヨのPB商品をココカラの店舗に並べたい」と述べた。

選ばれる側だったマツキヨの松本社長は「ラブレター(の返信)を待っていたが、無事に返ってきた」とまず安堵の表情を見せた。

マツキヨは2017年3月期まで業界首位だったが、現在は5番手。一方で、規模拡大から、PB商品などに代表される質の追求に転換して、収益率で業界1位 となったが、名実ともに「日本一に返り咲くことができる」(松本社長)と統合に期待を示す。

同社はタイと台湾でドラッグストア事業をスタートし、来年は香港、ベトナムへの出店を計画中。「ココカラも海外に目を向けており、将来、アジアでトップになりたい」とグローバル展開にもアクセルを踏み込む構えだ。

マツキヨは関東を基軸に全国に1654店舗(3月末)を展開し、19年3月期の売上高は5759億円。ココカラは関東と関西を主力地盤とし、1354店舗(同)を持ち、19年3月期の売上高は4005億円。