プレゼンテーション「au新料金プラン発表会」

KDDI株式会社 / 技術

au新料金プラン発表会

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BUSINESS INSIDER

KDDIの「ahamo対抗プラン月額2480円」が最安にできた理由…au無制限プランの落とし穴

KDDIは1月13日、月額2480円(税別、以下同)、月20GBの新料金プラン「povo」(ポボ)およびauとUQ mobileそれぞれの新料金プランを発表した。

政府からの携帯電話料金値下げの圧力をきっかけに、NTTドコモは「ahamo」(アハモ)、ソフトバンクは「SoftBank on LINE」(仮称)を発表。povoはそれらに対抗したKDDIのプランになる。

povoおよびauの「使い放題MAX 5G/4G」は3月、UQ mobileの「くりこしプランS/M/L」は2月1日に提供開始予定。

povoは大手3社で最安の月額2480円、ただし「無料通話分はなし」

まず、povoについてだが、オンライン契約専用で月間20GBのデータ量が使えるプランとしては、3社の中で最安の月額2480円で勝負をかけてきた。

この金額を実現できた理由の1つは、通話プランの内容で差があるためだ。ahamoとSoftBank on LINEについては標準で1回あたり5分間の無料通話が付いているが、povoの場合それはオプションで+500円で実現する。

同日にオンラインで行われた新料金プランの発表会見でKDDIの髙橋誠社長は「20代以下のユーザーの6割以上が(月間)10分しか通話していない」と明かしており、5分間通話定額をオプション化したことで、“最安”の価格設定を実現している。

加えて、povoには同社が“トッピング”と呼ぶオプション料金の考え方がある。

従来のオプション料金はあらかじめ契約(設定)をして月額料金に上乗せして支払う形式だが、povoのトッピングの場合は「必要な時に付けたり外したりできる自由さ」をコンセプトに開発されている。

その最たる例が「データ使い放題 24時間」のトッピング。200円追加で支払えば、手続き時点から24時間はデータ量がテザリングを含めて無制限で使える(月間20GBを消費しない)。

ただ、現時点で分かっているトッピングは他に「データ追加 1GB」(500円)、「通話かけ放題」(1500円/月)と従来のオプションと変わらないものが多い。

髙橋社長は「映像見放題やSNS見放題などを検討していく」と話しており、今後さまざまなトッピングが登場する見通しだ。

なお、povoのトッピング機能はシンガポールの通信事業者・Circle Lifeのノウハウが活用されている。Circle LifeとKDDIは2020年11月に“オンライン・eSIM特化型のMVNO”として日本で展開すると発表していたが、「(他社に)対抗するためにauの中でpovoをやった方がしっかりできる」(髙橋社長)と提供形態を改めた形だ。

povoは物理的なSIMを扱うためeSIM特化型のブランドではないが、eSIMの提供も今後検討していくとしている。

UQ mobile新プラン登場も「謎のテザリング制限」あり

一方でauが発表した「使い放題MAX 5G」「使い放題MAX 4G」は、名前のとおりデータ無制限のプランで月額6580円。この金額に対し、家族での複数回線契約や光回線などの契約、au PAYカードで支払いなどで割引が適用される。

UQ mobileについては、新しく「くりこしプラン」でS、M、Lの3種類を発表した。Sが月間3GB・月額1480円、Mが月間15GB・月額2480円、Lが25GB・月額3480円。

いずれも無料通話は含まれず、当月使わなかったデータ量は翌月まで繰り越せる。UQ mobileでは2月以降に20GB・月額3980円の「スマホプランV」を提供予定だったが、これは「くりこしプランL」に改められた格好だ。

いずれのプランも期間限定の割引などは含まれず、他社との競争できる魅力的でわかりやすいプランだが、1点だけ気になるところがある。

それはテザリングの扱いだ。いずれもテザリングのオプション料金などは付かないが、auの「使い放題MAX 5G/4G」だけは月間30GBの上限が付いている。

これはソフトバンクが3月提供開始予定の「メリハリ無制限」も同じ仕様だが、NTTドコモが4月提供開始予定の「5Gギガホ プレミア」ではそのような制限はない。

KDDI、ソフトバンクは従来も「無制限であってもテザリングには制限がある」仕様を続けてきており、KDDIについてはネットワークに与える負荷も高いことを1つの理由にしてきた。

ただ、NTTドコモは制限をかけていない。また、KDDIが発表したpovoの「データ使い放題 24時間」でもテザリングは制限されない。これから4Gより大容量のデータを扱える5Gのネットワークに移行していく中で、「テザリング制限」は非常にナンセンスな仕組みだと感じる。

povoの24時間使い放題とauの使い放題MAXでテザリングの扱いが違う点について、KDDI広報は「サービス仕様上の差」であると回答している。