プレゼンテーション「新型『エクリプス クロス』オンライン発表会」

三菱自動車工業株式会社 / 技術

新型『エクリプス クロス』オンライン発表会

記者発表会の詳細を見る

Car Watch

三菱自動車、新型「エクリプス クロス」オンライン発売会 加藤CEO「PHEVは現在の環境問題における最適解」

2020年12月4日 発表
PHEVモデル:384万8900円~447万7000円
ガソリンモデル:253万1100円~334万6200円

 三菱自動車工業は12月4日、新型「エクリプス クロス」のオンライン発表会を開催。同発表会に登壇した同社代表執行役CEOの加藤隆雄氏は、新型エクリプス クロスは、環境技術と4WD技術に注力すること示した中期経営計画における第1弾モデルであると紹介し、新たに導入するPHEVモデルについては「現在の環境問題における最適解」であることを強調した。

 今回の改良で、新型エクリプス クロスはデザインを一新して伸びやかで流麗なフォルムを採用するとともに、新たにPHEVモデルを設定。PHEVモデルは、「アウトランダーPHEV」と同様にツインモーター4WD方式のPHEVシステムを採用した。

 新型エクリプス クロスの価格はPHEVモデルで384万8900円~447万7000円、ガソリンモデルで253万1100円~334万6200円。販売目標台数は1000台/月となっている。

 オンライン発表会に登壇した加藤氏は、三菱自動車が電動車の研究を始めたのは、今から56年前の1964年であることを紹介。そして、世界初の量産電気自動車として2009年に発売した「i-MiEV」、そのi-MiEVのEV技術をベースにプラグインハイブリッドEVとして2013年に発売したアウトランダーPHEVが誕生したことを紹介した。

 このアウトランダーPHEVで実現したSUVとPHEVの組み合わせについて、加藤氏は「日常は主にEV、遠出はハイブリッドで走行するため、充電の心配なく、心ゆくまでEVならではの走りを愉しめるツインモーター4WDにより、さまざまな天候や路面状況で誰もが安心してモータードライブを楽しめる、SUVは電動化技術によってその魅力をブレークスルーさせたのです」と強調した

 同社中期経営計画における新型エクリプス クロスの位置付けについて、加藤氏は「7月に発表いたしました中期経営計画では、得意とする環境技術をさらに強化し、4WD技術を一層磨き上げることで、安心感のある魅力的な商品としてお客さまに提供していく方針を打ち出しました。その第1弾がこの新型エクリプス クロスです。デザインの一新などによりSUVとしての魅力を高めた上で、新たに待望のPHEVモデルを設定いたしました」と述べた。

 今回の新型エクリプス クロスについて、加藤氏は「より伸びやかなフォルムとしダイナミックでありながら上質なひとクラス上のSUVスタイリングを実現させました。また、スタイリングの進化に加え、荷室容量を増やして使い勝手を高めたり、ボディや足まわりの強化によって走りの質感を高めたりと、SUVとしての性能と機能を追求しています」と説明した。

 新たに導入されるPHEVモデルについて、加藤氏は「アウトランダーPHEVで実績のあるシステムを継承したPHEVモデルを新たに設定いたしました。アウトランダーPHEVは発売以来、約60か国に展開しPHEVカテゴリーでトップを走り続けています。三菱自動車らしいクロスオーバーSUVに最適なPHEVはどうあるべきか、行動範囲を広げたい、さまざまなことに挑戦したいというお客さまの思いにお応えすべく、私たちは徹底的に考えました。新型エクリプス クロスでは運転しやすいサイズ、剛性の高いボディ、強化した足まわりと相まって、キビキビと軽快で爽快感があり、安心感の高いハンドリングを実現しています。ぜひご試乗いただき胸のすくような気持ちのよいモータードライブを体感いただきたいと思っております」と話した。

エクリプス クロスに合わせて走りに磨きをかけたPHEVモデル

 発表会では、加藤氏のプレゼンテーションに続いて、デザインについて、三菱自動車工業 執行役員 デザイン本部長の渡辺誠二氏、走行性能について、製品開発本部 セグメントチーフビークルエンジニアの粟野正浩氏、停まっている時の価値について、商品戦略本部チーフプロダクトスペシャリストの上原実氏、国内営業本部 国内商品販促部から水越華子氏と木村龍哉が登壇するプレゼンテーション映像が流された。

 その中で、新たに導入するPHEVモデルについて、セグメントチーフビークルエンジニアの粟野氏は「PHEVのシステムそのものはアウトランダーから引き継いでいます。このクルマでは足まわりとか、走行性能に対しては、エクリプス クロスが持っているそもそもの行動意欲を掻き立てるようなデザイン、それに見合う、それにふさわしい足まわりのチューニングをしています。例えば1つカーブを曲がるにしても、前後の駆動力配分、左右のブレーキ制御といったところを、このクルマの走りにお客さまが意図した方向に行けるようにチューニングしていますので、アウトランダーの場合は少しゆったり、優雅と言うか、そういった方向のチューニングになっており、このクルマはより楽しく走っていただくためのチューニングに振っています」と開発の狙いを明かした。

 中期経営計画で注力することが示された4WD技術について、粟野氏は「このクルマは走りに磨きをかけてまして、ガソリン車も同じなんですけれども、足まわりのセッティングをチューニングしてます。ランサーエボリューションに搭載しているS-AWCをこのクルマも搭載していて、エクリプス クロスの外観にふさわしい、走りのチューニングに変えています」と説明、また、「三菱自動車は皆さんご存知のように、今までラリーとかモータースポーツの世界で4WDの技術を磨いてきました。このクルマは加速とか旋回力とか制動力とか、そういったものを全部制御しながら進めるS-AWCに反映してまして、競技車と一般のクルマでは違うと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、競技車の中で培った1つひとつの制御を、どうやったら上手に、きれいに走るのかというその制御のロジックを一般車にも反映しています」と、モータースポーツ活動として取り組んできたラリーの世界に由来することが明かされた。

 発表会の締めくくりに登場した加藤氏は、世界的にニーズが高まる環境対応に対する同社の方向性について、「PHEVには電動車の構成要素が全て詰まっており、EVとハイブリッドどちらにも応用することができます。製造から使用、廃棄、再利用までの環境影響評価の面からも、現在の環境問題における最適解であると考えております」との考えを示した。

 また、加藤氏は「今回の新型エクリプス クロス、そしてアウトランダー PHEV の後継モデルを投入していく一方、昨年より現行アウトランダーPHEVをASEANに展開しています。私どもはPHEVを極め、EVやPHEV派生のハイブリッドなども含め、2030年の電動車比率を50%とする計画であり、電動車の普及を通じて持続可能な社会の実現に貢献していく所存です」との意気込みを述べた。