プレゼンテーション「G 550 4×4² プレス発表会」

メルセデス・ベンツ日本株式会社 / 技術

G 550 4×4² プレス発表会

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メルセデス・ベンツからモンスターGクラスが登場──G550 4×4²って何だ

メルセデス・ベンツ日本は、GクラスのラインナップのフラッグシップとなるG550 4×4²を発表した。今年1月の東京オートサロンで日本初披露されたこのニューモデルは、巨大なホイールとリフトアップされた最低地上高460mmから得られる高い車高が特徴。価格は3510万円とGクラスでは例を見ない史上最高額車両であり(G63 AMG 6×6はAMGモデルだ)、また5月31日までの限定受注と、オーダー方法までもスペシャルである。

ギャラリー:メルセデス・ベンツからモンスターGクラスが登場──G550 4×4²って何だ
4月4日は何の日かご存知だろうか。4月4日でヨーヨーの日……というのも間違いではないが、4輪駆動のことを全世界で4×4(フォー・バイ・フォー)と呼ぶように、4と4にちなみ「4輪駆動の日」として制定されたのである。これは一般社団法人日本記念日協会の認定を受け記念日に制定、登録されたもので、メルセデス・ベンツ日本がダイムラー・モトーレン・ゲゼルシャフト(現:ダイムラー社)が、1903年に4輪駆動(全輪駆動)システムの基礎となるテクノロジーを世界で初めて開発し、1907年には世界初となる四輪駆動システムを備えた乗用車の開発に成功したことにちなんでいる。

その4輪駆動の日に発表されたのが、2015年のジュネーブ・ショーでデビューを飾った「G550 4×4²(フォー・バイ・フォースクエアード)である。ジュネーブで発表された際にはG500 4×4²とのネーミングだったが、日本仕様は他の同一エンジン搭載車の車名に合わせ、550の数字(エンジンは4リッターV8ツインターボだが、自然吸気の排気量5.5リッターV8相当の出力を持つとの意)が与えられている。

このモデルを見て2014年に登場し、翌年日本でも発売された6輪オフローダーG63 AMG 6×6を思い出した方も多いはずだ。実際メルセデスも、AMGの名を冠してこそいないが、このニューモデルをG63 AMG 6×6の弟分として紹介している。6輪駆動のG63 AMG 6×6はAMGの、こちらG550 4×4²はメルセデス・ベンツのGクラスにおけるフラッグシップという位置づけである。

フロントバンパーや大口径の22インチホイールを収めるオーバーフェンダーのデザインは、まさに4輪版G63 AMG 6×6」いったイメージで、見慣れたGクラスのボディに、22インチホイールと325/55R22サイズのタイヤを装着したのだから、そのアピアランスはまるでチョロQを思わせるような唯一無二のフォルムになった。カスタマイズメーカーが改造を行うのではなく、メルセデス純正ビッグフットとさえ呼べる存在感が、まずはかなりスペシャルである。

価格やオーダー方法も負けずとスペシャルだ。現状の市販メルセデス(G63 AMG 6×6は販売終了)で最高額となる3510万円はもちろんのこと、5月31日までの限定受注受付というオーダー方法もスペシャル。メルセデスは総生産台数を発表していないが、アジア地域では日本のみの販売となるので、台数が少ないレアな存在であることは間違いない。

G550 4×4²におけるもっとも注目すべきパフォーマンスは、最低地上高460mmがもたらす高いオフロード走破性能である。6×6に比べ短いホイールベースは、ノーマルのGクラスと同じ2850mm。おかげでアプローチアングルは51.6度、デパーチャーアングルは43.8度とスペックは6×6を上回る。

標準モデルといえる同じホイールベースのG550がアプローチアングル約30度、デパーチャーアングルも同じく約30度であることを考えれば、これがいかに優れた数値であるのかが分かろうというものだ。参考までに最低地上高460mmがもたらす渡河深度は1000mm。G550の最低地上高が235mm、渡河深度が600mmであることからも、G550 4×4²の破格ともいうべきスペックが読み取れる。

サスペンションシステムや足回りおよび4WDシステムはG63 AMG 6×6譲り。リジッドアクスルに、前/中/後に3つの機械式ディファレンシャルロック機構を持つハブリダクションシステムを組み込んだポータルアクスルを採用する。

4輪ともデュアルストラットスプリングと電子制御可変ダンパーを装備し、「コンフォート」と「スポーツ」の2つの走行モードをセンターコンソールのボタンで選択できる。このモード切替は、約1秒で完了し、「コンフォート」モードではラグジュアリーサルーン顔負けの快適な乗り心地を提供するという。

エンジンはAMG GT やAMG C63にも搭載される最高出力310kW/421psの4リッターV8ツインターボのパワーユニットを“メルセデス”として初めて搭載。パワーこそG550 4×4²への搭載にあたりディチューンされているが(AMG GT Sは375kW/510ps、AMG GTでは340kW/462ps)、Vバンクの間にターボユニットを2基搭載する基本構成やピエゾダイレクトガソリンインジェクション、スプレーガイド式燃焼プロセスなど、パワーと環境性能合わせ持つ最新のパワーユニットであるといった特徴は同一だ。

また、ディスプレーやメーター内の日本語表示を始め、360度カメラシステムやパークトロニックといった本国モデルにはない、日本の道路事情を考慮した装備を装着しているのも特徴だ。さらに、これだけのスペシャルモデルにもかかわらず、他のメルセデス同様に新車購入から3年間走行距離無制限の一般保証・メンテナンス保証、24時間サポートのメルセデス・ケアも無償で適用される。

AMGのサブネームこそ付かないが、史上最強・究極のオフローダーたるG63 AMG 6×6のシャシーや4WDシステムを受け継ぎ、さらにAMG GTにも搭載される最新のV8ツインターボユニットを搭載したG550 4×4²は、Gクラスの歴史に残るモンスターオフローダーといえるだろう。

発表会で登壇したメルセデス・ベンツ日本の上野金太郎社長は、「G550 4×4²は、37年の歴史を持つGクラスのアイコニックなモデルとして日本に導入しました。さらに、(メルセデス・ベンツ日本は)今年のテーマをSUVイヤーとしていることもあり、(G550 4×4²は)そのなかにおけるアイコニックなモデルでもあります。日本仕様は、(本国の開発陣に)かなり無理なリクエストを出して造ってもらった」と語った。

発表会場となった東京・六本木のメルセデス・ベンツ・コネクションには、G550 4×4²をオーダーしたオーナーも来席。隣接するオフロードコースを備えたネクストドアでは、悪路走行を模したデモンストレーション走行も行われた。G550 4×4²は「すでにふた桁の受注を受け、出だしは好調」(上野社長)と、オーナーやファンからの注目度も高い。納車は来年以降順次行われる予定だ。