プレゼンテーション「NEW PEUGEOT SUV LINE UP ジャパンプレミア・プレス発表会」

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NEW PEUGEOT SUV LINE UP ジャパンプレミア・プレス発表会

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プジョーがSUV戦略を発表。新型3008はデザインでライバルに差をつける!

世界的なSUVマーケットの拡大に引っ張られて日本でもSUVの販売台数が増加傾向にある昨今、いかに魅力的なSUVをラインアップするかは日本のメーカーにとっても輸入車を扱うインポーターにとっても重要となっている。そんななか、プジョー・シトロエン・ジャポンは「NEW PEUGEOT SUV LINE UPジャパンプレミア・プレス発表会」というメディア向けイベントを開催した。
 会場にはすでに発売されている2008や3008(ガソリンモデル)はもちろん、今後発売を予定している3008のディーゼルモデルや7シーター車の5008まで展示してプジョーSUVの存在感をアピール。まず驚かされたのは、気がつくとプジョーのSUVのラインアップがここまで増えていたことだ。
 プジョーのSUVといえばかつては完全自社を持たずに三菱アウトランダーをベースにした「4007」やその後継モデルでRVRをベースにした「4008」をOEMで販売していた。しかし、いまや完全自社生産のモデルをこれだけ揃えるまでにSUVの強化が進んでいることにあらためて気づかされたのである。

プジョー・シトロエン・ジャポンの社長であるクリストフ・プレヴォ氏は「新しいSUVラインアップが日本での成長の武器となる」とSUVが今後のキーのひとつであることを強調。意気込みの強さをメディアに伝えた。
 そんなプジョーSUVの日本におけるキャッチフレーズは「今までのクルマではたどり着けなかった場所へ」。まずは昨年9月に発売された2008から見てみよう。
 デビュー当初は「クロスオーバー」的な色合いが強かった2008だが、マイナーチェンジで大きく変更したフロントセクションはボンネットフード先端を高くするなど力強さを強調。駆動方式はFFで、パワートレインは1.2Lの3気筒ターボエンジンに6速ATを組み合わせている。価格はベーシックグレードの「Allure(アリュール)」が262万円、1インチアップした17インチのオールシーズンタイヤを履き「グリップコントロール」と呼ぶ滑りやすい路面での走破性を高める電子制御機構などを組み合わせた上級仕様「GT Line」は285万円だ。

その兄貴分となるのが、ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー2017を受賞した実力派で、日本では今年3月に発表された新型3008。エクステリアは先代よりも大幅に洗練され、同時にSUVらしいタフネスさが強まっているのが特徴だ。
 新型3008に関して日本法人のプロダクトマネージャーである上村学氏は「ハッチバック+SUVのクロスオーバーから真のSUVへ」とその変化を説明。先代に比べるとフラットかつ高めのボンネットでよりSUV的なエクステリアを作っているとした。ちなみに車体サイズは先代比で長さが85mm、ホイールベースは60mm拡大している。
 インテリアも見どころが多い。プジョーの提唱している、メーター位置を高くして小径ステアリングを組み合わせるのが特徴の「iコックピット」はさらに未来形になった。ポイントはメーターで、12.3インチの液晶スクリーンとなり自由なグラフィックと様々な情報を選択して表示できるよう進化したのだ。センター部に8インチのタッチスクリーンをインストールし、先代以上にドライバーを囲む雰囲気になったインパネの意匠も特徴的である。

今回のプレス発表会ではパワートレインに関しての新しいアナウンスがあった。現在発売しているのは1.6Lターボエンジンを組み合わせるガソリン車のみだが、8月以降の予定として2.0Lディーゼルエンジンが追加されることが正式に表明されたのだ。
 このディーゼルモデルは「GT BlueHDi」としてフラッグシップグレードで展開。1.6Lガソリンの165ps/240Nmに対して180ps/400Nmと動力性能でもガソリン車を凌駕しているのだから楽しみである。価格が426万円(税込)であることと、エコカー減税の対象になることも明らかになった(ガソリン車の通常モデルの価格は354万円から369万円)。
 さらにその先、「近い将来」として日本に入る新モデルも予告された。それが7シーターSUVの「5008」だ。先代の5008はスライドドアを組み合わせたミニバンだったが、SUV人気の高まりを背景に新型はスライドドアのミニバンからSUVへ華麗なる転身を図ったのである。

パワートレインなど基本技術は3008と共通で、全幅はそのままに全長を3008比で190mm伸ばした4640mm、ホイールベースを165mm伸ばした2840mmへ延長。スライドや取り外しができる2列目や、ワンタッチで床下へ格納できる3列目などシートアレンジはミニバン感覚で、SUVとミニバンの融合ともいえるパッケージングである。この日、「日本導入はこの秋を予定し、もちろんディーゼルエンジンもラインアップされる」ことが明言された。
 プジョー・シトロエン・ジャポンのマーケティング部部長を務めるジャン・ミッシェル・オモン氏はSUV人気の理由について「ステイタスを感じさせるスタイル」と「現実から離れさせて新しい経験をさせてくれる存在感」と分析。「ただしこれまでのSUVは快適面や操縦性で必ずしも満足できる存在ではなかった」としたうえで、「プジョーのSUVならハンドリングの良さをもらえる。ただし単に運転が楽しいだけでなく、五感を刺激するようなデザインもポイント」と強調した。
 昨年、全世界におけるプジョーの販売は前年比12.3%増を記録。そして今年になってGMから実質的なGMの欧州部門である「オペル」、そして英国向けブランドの「ボグゾール」を買収して欧州第2位のグループへとポジションをアップするなど多くの話題を提供しているプジョー・シトロエン。SUV戦略の活発化により、日本市場においてもしばらく目が離せない状況になりそうだ。