MOTA
“A4顔”になったアウディ新型A3発売/バーチャルコックピットや293万円のエントリー価格など魅力が大幅にアップ
アウディ ジャパン株式会社は、マイナーチェンジ(商品改良)を施したアウディ新型A3を1月26日から販売開始した。
新型A3のラインナップは、これまでと同様に5ドアのSportback(スポーツバック)と4ドアのSedan(セダン)に二分され、A3の高性能バージョンであるS3もラインナップされる。
今回の新型A3から、新たに“sport”と呼ばれるグレードがラインナップされた。
このsportグレードは、車高が15mm下がり、専用サスペンションと17インチホイールが奢られ、走りの特性を切り替えることが出来るAudiドライブセレクトやスポーツシートが装備されるなど、その名の通り新型A3をスポーティな方向へと強めた個性的なグレードとなっている。
新型A3の分かり易い変更点の一つが、外観・エクステリア。同社のA4の新デザインがA3へと踏襲されており、もちろん細部は異なるものの似ている印象を受ける。
また外観以外にも、A4に採用されている多くのテクノロジーが新型A3へと移植されている。
例えばA4やTTに採用され話題となった、メーターパネルにナビ画面などをカラー表示させることができる“バーチャルコックピット”(S3は標準装備、A3はオプション)、安全面ではアクセルとブレーキを自動操作することで車間距離を一定に保つ“アダプティブクルーズコントロール”、歩行者保護の自動ブレーキ機能を備えた“アウディ プレセンス フロント”(A3・S3ともに標準装備)など、A4の魅力的な機能の多くがA3に採用されている。
また、新型A3が求めやすい価格帯となっていることも、購入検討ユーザーにとっては朗報だ。
新型A3とA4の価格を比較してみると、例えばSedanの1.4TFSIではA3が3,110,000円、A4が4,470,000円とその差は136万円。
もちろん、そもそも車格やエンジンなどの大きな違いもあるが、価格差を考慮すると日本では扱いやすいサイズであるA3の魅力は、今回の改良によって相当に引き上げられているといえる。
新型A3の性能面では、これまでの1.8リッターに代わって、2リッターの新エンジンが2.0TFSI quattroグレードに採用されている。また、従来は6速Sトロニックであったトランスミッションも、A4と同様の7速Sトロニックへと刷新された。
今回のアウディ新型A3 記者発表会においては、『アウディ ジャパン 2017年新春記者会見』も同時に開かれ、同社の代表取締役社長である斎藤徹氏から、2016年の振り返りと2017年の事業戦略が語られた。
まず、日本国内の話の前にアウディ本国の大きな動きについて。今年1月にラスベガスで開催されたCES 2017で、同社は人工知能を用いた“Q7 ディープラーニングコンセプト”のデモ走行を披露した。
自動運転をより安全で快適なモビリティとし、将来のコアテクノロジーと位置付けているアウディでは「今年、本社が発表する新型A8にレベル3のトラフィックジャムパイロットを、世界で初めて導入する」と同氏。
自動運転のレベル3では、これまで各社から発売されているレベル2のアダプティブクルーズコントロールといった運転支援システムとは異なり、加速や停止、操舵の全てが自動で制御される。さらに斎藤氏は、「アウディ本社のあるインゴルシュタットでは、レベル4に向けて独自開発を進めている」と話す。
2016年のアウディにおけるグローバル販売については、欧州や中国、アメリカなどの好調を背景に7年連続で前年の販売記録を更新。また、日本においてはQ7やA4などが販売好調であったが一方、量販車種のA3、Q5、A5についてはモデル末期ということもあり、国内の新車販売台数は昨年の29,414台をやや下回る28,502台となった。
そして、2017年に発売される新型車については、「スタイリッシュさと走行性能に磨きをかけた新型“A5”シリーズ、人気のミッドサイズSUVである“Q5”のフルモデルチェンジ、そして新たに“Q2”を導入致します」と、新型A3に加えてA5、Q5、Q2の3モデルの導入について斎藤氏から発表された。
さらに同氏は、Q2の日本国内における販売について「Q2は、最近国産モデルにも導入され人気が高まっているコンパクトSUVセグメントへの新規モデルであり、新しいユーザー層の獲得が期待できます」と、Q2の国内販売への期待感を露わにした。
2017年は新型車として前述の4車種に加えて、SやRSといったスポーツモデルを含めて19モデルの発売が予定されている。