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ミニカーの「トミカ」が50周年 記念のコラボ商品やテレビ番組もスタンバイ
記念の企画がめじろ押し
1970年8月にデビューして以来およそ50年にわたり、世代を超えて親しまれてきたタカラトミーのミニカー、トミカ。取り扱い車種は累計で1050種以上におよび、国内ではこれまで6億7000万台が販売されている。
東京都内で開催された発表会では、まずタカラトミーの富山幹太郎 代表取締役会長が登壇。スクリーンに映し出された「感謝」の文字を前に、トミカのファンやミニカーの題材となった自動車の各メーカー、流通業者などに対して謝辞を述べた。また、デビュー当時は珍しかったダイキャスト製ミニカーを開発するにあたって、海外のミニカーメーカーに負けないよう意気込んだこと、生産地を海外に移すなど柔軟な姿勢でビジネスに取り組んできたことなど、トミカのこれまでを振り返った。
富山会長は「これからトミカがどのように進化するかは、自分もまったく想像できません」ともコメントしたものの、同社は今後、50周年を記念するさまざまな商品開発やイベントを計画している。
一例を挙げれば、トミカを走らせて楽しむための計測器付き特設コース「スーパースピードトミカ 実況サウンド! デジタルアクセルサーキット」(仮題)や、東京モーターショー2019にも出展されたトヨタの次世代モビリティーのトミカバージョン、大型商業施設における展示イベント、はとバスとのタイアップによる大型バスのラッピングカー、田中貴金属ジュエリーの手になる純プラチナ製トミカなど。トミカを題材にしたテレビアニメ『トミカ絆合体 アースグランナー』も制作され、2020年4月から放送される予定だ。
3メーカーの特別なトミカも発売
発表会の後半では、この記念事業のひとつである自動車メーカーとの“コラボプロジェクト”が明らかにされた。
これはホンダ、トヨタ、日産の代表的なスポーツ車両を題材に、オリジナルデザインのトミカを製作するというもの。具体的な車種(カッコ内は発売時期)は順に「シビック タイプR」(2020年4月)、「スープラ」(同年6月)、「GT-R」(同年8月)で、各880円で販売される。ミニチュアと同じカラーリングをまとう実車も用意され、トミカ博ほか記念イベントでの展示が予定されている。
発表会の会場には各モデルの開発責任者も出席し、今回の特別なトミカやベース車両の開発にまつわるエピソード、さらにトミカ全般に対する思いなどが語られた。
ホンダの柿沼秀樹氏は、幼少期にようやく買ってもらった「トヨタ・セリカLB 2000GT」のトミカをなくした際の残念な気持ちや、それがやがて大学時代のセリカ購入につながったという思い出を紹介。トヨタの多田哲哉氏は、新型「スープラ」の販売促進のために、実車の発売より1年も前からタカラトミーにミニチュアをつくってもらいアピールしていたことに触れ、クルマのセールスにおけるトミカの重要性を説明した。
「(スカイライン)GT-Rも50周年を迎えたのでトミカに親近感を覚える」と語った日産の田村宏志氏は、トミカ製品のクオリティーを評価。中でも、実車の塗装の質感を手のひらサイズでもリアルに再現できている点を称賛した。
そのトミカについて、タカラトミーが3世代にわたるターゲットユーザーへの市場リサーチを実施して得た“絶対的価値”は「カッコイイ」だったとのこと。今後は、「いつだって、カッコイイ。」を合言葉に、小さなトミカをつくり続けることで世の中に感謝の意を示していきたいという。