プレゼンテーション「アクセンチュアの拠点拡大戦略に関する記者発表会」

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アクセンチュアの拠点拡大戦略に関する記者発表会

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アクセンチュアが麻布十番に作ったイノベ拠点は「デザイン+テック+ビジネス」の祝祭空間

 アクセンチュアが新たに東京都港区三田に、「アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京」を開設し国内のイノベーション機能を集約する拠点とした。館内ツアーの内容を紹介する。

アクセンチュアジャパンのグローバル地位向上に伴い拠点増強。
 「アクセンチュアジャパン」の世界の中での地位がここ数年で上昇した。売上が過去3年間で倍増し、数年前まではグローバルで6位だった順位が2017年には3位へと上昇。「さらなる成長のために国内の拠点を拡大・増強した」と江川昌史社長は自信ありげに語る。
 「アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京」は、「アクセンチュア・イノベーション・アーキテクチャ」というコンセプトをベースにしている。6つのフェーズのうち、「SHAPE」「PROTOTYPE」「BUILD」「SCALE」をおこなう拠点。

 開発・実証や共創拠点、さらにクライアントが常駐できるスタジオなどが3つの階でゾーニングされている。「AI、金融、デザイン、それぞれの分野の一流のプロが常時いる。お客さんがここに来ることで、相談中に別のプロが必要になれば呼ぶことも出来る」と執行役員の立花良範氏は語る。7階の「ナノ・ラボ」は今回初めて設けられた組織。「ブロックチェーンの次の波になる」とアクセンチュアが予測する量子コンピューティングの研究チームもある。

 アクセンチュアが提供するサービスは「イノベーション as a Service」。コンサルとしてのDNAは保ちつつ「ものづくり」まで支援する。「日本がデジタル化で遅れているというイメージがあるが、そんなことはない」と江川社長。執行役員の立花氏も「IoTやものづくり領域ではまだまだ勝てる。日本発のイノベーションを目指す」と語る。

麻布名物の「やぐら」と屋台形式の「デモ」で祭り感演出
 この拠点が位置する麻布十番にちなんで、入り口は「やぐら」が置かれている。デモゾーンのそれぞれのブースは「屋台」をイメージさせる構成。フロアはインダストリーゾーン、New ITゾーン、人工知能ゾーン、生体情報センシングゾーン、バーチャルショップゾーンの5つのゾーンに分かれ27のブースが設置されており、最先端テクノロジーを「目で見て触れる」ことができる。

「デジタル+ものづくり」のインダストリーゾーン
 インダストリーゾーンの「Business Insights & Agile Manufacturing」はタイヤの製造工程が可視化のデモ。各工程の様子をダッシュボードで見ることができる。

 「DIGITAL PLANT」はプラント会社との実証実験の様子が分かる。プラントの操作をホロレンズで支援し開閉状態もモニタリングできる。簡易な機器でコンサルタントが一ヶ月で作成したという。

 「DIGITAL FIELD WORKER」は、フィールドワーカー向けのデジタル支援。VRで作業手順がわかりセンターからの指示はチャットボットで行なわれ、工程はダッシュボードで管理される。

 「画像判別ソリューション」としては、画像センサーによる品質検査。従来品質チェックで漏れやすかった「半刺し」(部品がきちんと刺さっていない不備)などをカメラでチェックし事故を防ぎ品質管理コストを向上させる。

 「DIGITAL TWIN」のデモでは、PLCからの制御でラインとコンピュータの双方を動かす様子がバーチャルとレゴブロックの模型で分かる。新しいラインを作る時に仮想空間上でチェックしてからラインの着工、生産稼働後もタイミングの改善などを情報を吸い上げAIで分析し、設備の改善に活かす様子が伝えられる。

IT系ソリューションとデザイン思考の融合の成果
 「QUALITY AUTO DELIVERY PLATFORM」では、SIer向けのDevOpsサービスの展示。コードの開発からテストに至る工程の効率化と迅速化、オープンソースの組み合わせを一元化するプラットフォームを理解できる。

 アクセンチュアが近年かなりフォーカスしている「RPA」の展示では、金融機関の大量処理の自動化の事例やオペレーションの自動化のシステム。欧米の「Automation Anywhere」「UIPath」「Blue Prism」などのRPA製品領域のマッピングや、SAP、SFDCなどのロボティクス・オペレーションの導入の事例などが紹介されている。

人工知能、VRなど未来型テクノロジーのビジネス適用と社会課題解決
 AIゾーンでは、最近米国の各企業が出している様々なAIプラットフォームを組み合わせる「AI HUB」。アクセンチュアの提供サービスとして近年クライアントから高い評価を受けているという在庫・補充最適化サービス「ACCENTURE FULFILLMENT SERVICE」のデモなどがある。

 フィンテック系では「CAPITAL MARKET SOLUTION」ではホロレンズを用い、投資家が株価や市況をMR(Mixed Reality)環境で情報を得られる仕組みを展示。

 高齢化時代の課題解決として生体情報検知系にも力を入れている。超音波で排泄を予知するウェアラブル「DFee」、介護老人の枕の下に置くことで心拍や呼吸状況を把握するデバイス。脳波状況を可視化するシステムでは音楽や芸術作品に接した時の検知などでアーチストとのコラボレーションも実施しているという。

IT+デザイン+コンサルティングの総合拠点
 近年ノベーション拠点の開設は、IT企業、コンサルティングファーム、デザイン会社から広告代理店にいたるまで続々と行われている。そうした中でこの拠点の差別化ポイントについて、アクセンチュア・インタラクティブ日本統括の黒川順一郎氏に聞いた。「デザイン思考によるアイデア創出だけでなく、事業化するための収益性、テクノロジーの選択、組織体制の支援までのコンサルティングと一体化すること」であり、「ACCENTURE FORM」などの方法論や戦略提案と一体化して提案できるということだと述べた。