プレゼンテーション「ファーウェイ・ジャパン新製品発表会」

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ファーウェイ・ジャパン新製品発表会

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ファーウェイ新製品発表会まとめ – SIMフリースマホ「P40 Pro 5G」や新タブレット「MatePad Pro」登場

ファーウェイ・ジャパンは6月2日、新製品の発表会をオンラインで実施。最新スマートフォンとしてP40シリーズの3機種「P40 Pro 5G」「P40 lite 5G」「P40 lite E」を発表したほか、タブレットの新シリーズ「MatePad」を3機種、完全ワイヤレスイヤホン「FreeBuds 3i」、ノートパソコン「MateBook X Pro」を、製品ラインナップに加えました。

Googleのサービスは使えず

はじめに注意しておきたいのですが、ファーウェイのAndroidベースの新製品では、Googleのサービス(Gmail、YouTube、Googleマップ、Chromeブラウザなど)が使えない状態が続いています。ただし「アプリ」として使えないのであって、ファーウェイの端末に備わったWebブラウザから、GmailやGoogleマップのWeb版を利用することは可能です。

アプリはGoogle Playストアの代わりに用意された、ファーウェイ独自のAppGalleryからダウンロードする形になります。今回の新製品発表会では、日本市場に展開するこのAppGalleryについても進捗状況が明かされました(詳細は2ページ目)。

「Pシリーズの集大成」5Gスマホ・P40 Pro 5G

それではSIMフリー端末として発売されるPシリーズからまとめていきましょう。

フラッグシップとなる「P40 Pro 5G」の推定市場価格(以下すべて税別)は108,800円、発売日は6月12日です。文字通り5Gネットワークに対応したスマホで、ドイツのライカと共同開発したクアッドカメラが特徴のひとつです。キャッチコピーは「想像を超えた写真をその手に」。発表会では「Pシリーズの集大成です」と紹介されました。

画面は約6.58インチのOLEDクアッドカラーディスプレイ、CPUにはファーウェイのKirin 990 5Gを採用しました。ディスプレイに指を置いて指紋認証する次世代のインスクリーン指紋認証によって、画面ロックの解除スピードは30%向上したとのこと(現行モデルのP30 Proと比較)。

4つのカメラは、ウルトラビジョン広角カメラ(5,000万画素)、超広角シネマカメラ(4,000万画素)、5倍光学望遠カメラ、3D深度センシングという構成。カメラセンサーサイズは大型の1/1.28インチで暗所撮影に強く、担当者は「iPhone 11 Pro Maxと比較して200%の光を取り込める」と強調します。

ユニークな撮影機能を多数搭載

ユニークな新機能として、写真に写り込んでしまった通行人や、ガラスに写り込んだ被写体などの反射を除去する「HUAWEI Golden Snap」が盛り込まれました。

動画に関しては、4,000万画素のスーパーセンシングシネマカメラで撮影が可能。望遠ビデオ、4K 60fpsの撮影にも対応しています。

画面注視識別によって、スマホを見ている間は画面が消灯しません。またエアジェスチャコントロールを使うと、スマホに触れずに画面をスクロールさせたり、キャプチャを撮影したりできます。お菓子を食べながら、あるいは料理中に手を使わずにブラウジングできるのは便利そうです。

デュアルnanoSIM+eSIMに対応しており、片方のnanoSIMカードスロットにはファーウェイ独自の記録メディア「NMカード」(nanoSIMと同サイズのメモリーカード)を挿せます。

ほか、最新のWi-Fi規格であるWi-Fi 6(および独自のWi-Fi 6+)に対応。バッテリーは4,200mAhで、40Wの超急速充電とワイヤレス給電、ワイヤレス充電をサポートしています。IP68の防塵・防水性能を持っています。製品にはUSB-Cハイレゾイヤホンが同梱されます。
抜群のコスパ、P40 lite 5GとP40 lite E

同じくSIMフリー5Gスマホ「P40 lite 5G」の推定市場価格は39,800円、LTE(4G)対応のエントリーモデル「P40 lite E」は24,800円で、いずれも6月19日の発売です。

P40 lite 5Gは、P liteシリーズとして初の5G対応スマホ。担当者が「若い人にも気に入ってもらえたら」と話す通り、高価なハイスペック端末は買いにくいけれど5Gは試してみたい、というユーザーにぴったりの1台になりそうです。

画面サイズは約6.5インチで、画面占有率を高めたパンチホールディスプレイを採用しています。側面の電源キーで指紋認証できる仕様なので、ロック解除もスムーズにできるでしょう。背面には、最大6,400万画素のAIクアッドカメラ(高解像メインカメラ、超広角カメラ、被写界深度カメラ、マイクロカメラ)を搭載しています。

変わった機能としては、画面をグレースケール表示に変えるeBookモード。ニュース記事や電子書籍を読むときなど、目の疲労を抑えられそうです。このほかファーウェイが自社開発したHisten 6.1によって、ヘッドホンを通じて9.1チャンネルの3Dサラウンドで音楽を楽しめます。

CPUはKirin 820 5Gで、ネットワークは5Gと4GのDSDVに対応。大容量4,000mAhのバッテリーを搭載しており、最大40Wの超急速充電をサポートします。

P40 lite Eは、P30 liteの後継機という位置づけです。画面サイズは約6.39インチで、パンチホールディスプレイにより画面占有率は約90%まで向上しています。超広角レンズを含むAIトリプルカメラを搭載。スーパーナイトショット、120度の超広角カメラ撮影、AIセルフィーなどを利用可能です。

背面には指紋認証センサーを搭載し、前面カメラによる顔認証も利用できます。大容量4,000mAhのバッテリーを備え、画面はブルーライトカットモードで目に優しい表示にすることも可能です。

発表会ではファーウェイ・モバイル・サービス(HMS)の進捗について、改めて説明する機会がもうけられました。同社の製品発表会において、HMSの説明にワンコーナーを割くことは珍しく、発表できるだけの内容が整ってきたことがうかがえます。

冒頭に紹介されたビデオでは、米国の禁輸措置による影響が深刻化した2019年について「ファーウェイにとって最も困難な年のひとつになった」としつつも、そこからHMSエコシステムを開発すべく、グローバルのコンテンツプロバイダー、3000人のエンジニアらと時間をかけて連携してきたと説明。この結果、ファーウェイの展開するAppGalleryには18のカテゴリーで有用なアプリが揃ってきた、とアピールします。

「サービスは170か国以上で展開、月間アクティブユーザーは4億人を超え、アプリ開発者の登録数は140万人以上となりました。皆さんの生活に身近なアプリも登録されています」と吉松氏。プレゼンの画面には、登録済みアプリとしてLINE、TikTok、Amazon、楽天、メルカリ、ナビタイム、クックパッド、クロネコヤマトなどのアイコンも確認できました。

逆にコンテンツプロバイダーの視点では、利用者が4億人いる、そして中国市場に強いアプリストアは大きな魅力となります。実際、U-NEXTなど、すでにAppGallery向けにアプリをリリースした日本の企業も出てきたとのこと。吉松氏は「ファーウェイではアプリ開発をバックアップするShining Star Programを通じて、引き続きアプリの充実化をはかっていきます」と説明していました。

FreeBuds 3iは性能が向上

このほか、同日発表された製品についても紹介していきましょう。

「FreeBuds 3i」は、アクティブノイズキャンセリングを搭載した完全ワイヤレスイヤホン。市場想定価格は14,800円で、セラミックホワイトは6月12日より、カーボンブラックは7月以降に発売します。

またタブレット端末として「MatePad Pro」「MatePad」「MatePad T8」を6月12日より順次発売していきます。いずれもOSはHUAWEI EMUI 10.0.1(Android 10.0ベース)で、スマートフォンのP40シリーズと同様、アプリはファーウェイのAppGalleryからインストールする形になります。

MatePad Pro(Wi-Fiモデル)の市場想定価格は59,800円で、6月12日より発売します。ハイエンドチップセットと高精細ディスプレイを搭載した約10.8インチのモデルです。デザイン的には極限までベゼルが狭くなっており、とても洗練された印象を受けました。

タブレットとして世界初をうたうワイヤレス充電に対応、またワイヤレス給電にも対応しています。ワイヤレス充電に対応した周辺機器をMatePad Proの背面に置けば、MatePad Proのバッテリーを使って周辺機器を充電できるわけです。

HUAWEI Shareでスマホと同期する、Harman Kardonによるチューニングがほどこされた4つのスピーカーで上質なオーディオを楽しむ、といった使い方ができるほか、M-Pencil(別売り9,900円)、スマートワイヤレスキーボード(同14,900円)と連携してPCライクに利用することも可能です。

MatePadのLTEモデルは市場想定価格36,182円、Wi-Fiモデルは29,800円となっており、いずれも6月12日より発売。またMatePad T8(Wi-Fiモデル)の市場想定価格は13,900円で7月初旬より発売します。

MatePadはチップセットKirin 810を採用した約10.4インチのタブレット。2K高精細ディスプレイとHarman Kardonチューニングの迫力のサウンドシステムが特徴です。

MatePadの詳細スペック

MatePad T8は約8.0インチ、重さ約310gと持ち運びやすいタブレット端末。背面は高級感が感じられるメタル素材を利用しています。バッテリーは大容量の5100mAh、子どもの利用を想定したキッズモードも利用できます(MatePad Pro、MatePadもキッズモードに対応)。

第10世代Intel Core搭載ハイエンドノートPCも

このほか、第10世代Intel Coreを搭載した最新ハイエンドノートパソコン「MateBook X Pro」も発表されました。こちらの市場想定売価はIntel Core i5モデルが179,800円、Intel Core i7モデルが239,800円で、6月5日より順次発売します。

MateBook X Pro
リージョンプレジデントの呉波氏が退任へ

盛りだくさんな内容となった、今回の新製品発表会。約10年の間、日本向けファーウェイ製品の“顔”として活躍してきた、同社 日本・韓国リージョンプレジデントを務めた呉波氏の退任も明かされました。

新たに就任した楊涛(ヤンタオ)氏は「2020年度 第1四半期の売上は1,822億(単位:CNY)で、前年同期比で1.4%の伸び率となりました。IDCレポートによればHUAWEIのスマホは、グローバルの出荷台数で依然として第2位を維持しています」などと好調な業績をアピールしました。

日本市場においては『端末は魅力的なんだけれど』『いつも使っているアプリやサービスは使えるのだろうか』といった一般ユーザーの声が漏れ聞こえる状況。そうした不安を丁寧に払拭していくことが、ファーウェイの今後の課題になりそうです。