プレゼンテーション「新型Sクラス オンライン発表会」

メルセデス・ベンツ日本株式会社 / 技術

新型Sクラス オンライン発表会

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メルセデス・ベンツ、上野金太郎社長が新型「Sクラス」の印象を語るオンライン発表会
「伝統的なクラシカルさと未来的なデザインが融合された素晴らしい1台」と上野社長

2021年1月28日 発表
1293万円~1724万円
ファースト エディション:1938万円~2040万円

 メルセデス・ベンツ日本は1月28日、メルセデス・ベンツのフラグシップモデル新型「Sクラス」を発表。同日公開されたオンライン発表会では、同社代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏が自ら新型Sクラスを試乗して、その印象を話した。

 8年ぶりにフルモデルチェンジした新型Sクラスは、日本ではディーゼルモデルの「S 400d 4MATIC」「S 400 d 4MATIC ロング」と、ガソリンモデルの「S 500 4MATIC」「S 500 4MATIC ロング」の4モデルをラインアップして、価格は1293万円~1724万円となる。また、新型Sクラスの発表を記念して、日本限定540台の特別仕様車「S 500 4MATIC ロング ファースト エディション」も同日から注文受付を開始した。

 オンライン発表会に登壇した上野社長は、新型Sクラスについて「Sクラスは1972年発売されて以来、いつの時代もその時点で持てるすべての技術を搭載し、世界の自動車の指標とされてきました。そして2013年以来8年ぶりの全面改良となる新型は、デザイン、技術、安全性、快適性、すべての面において今お客さまが求めるラグジュアリーとは何かを突き詰め提案する、これからのクルマの姿そのものです」と紹介。

 加えて、「私自身30年以上メルセデス・ベンツに携わってきましたが、今回の新型Sクラスを初めて見た時の高揚感はこれまでに経験したことがないものでした。改めてこの究極の1台を心から誇りに思います。まるで家に帰った時のような安心感でお客さまを包み、極上の時間をお約束するSクラス。単なるクルマの領域を超え、お客さまの最愛のパートナーとして歴代モデル同様、長く愛され、選ばれ続けることを確信しております」と、仕上がりに自信を示した。

新型Sクラスのハイライト

 発表会では、新型Sクラスの代表的なハイライトとして「新しいラグジュアリーを表現したデザイン」「世界初、後席左右のリアエアバッグと最新の安全運転支援システム」「世界初、フロントウィンドウに投影可能な拡張現実ナビゲーション」「生体認証により、シート位置などの個人設定がまとめて呼び出し可能に」「大型セダンでありながら、高い小回り性能」「静粛性が高く、寛げる空間と新機能」といった6つのポイントが示された。

 そして、新型Sクラスの開発に携わったダイムラーのキーマンとして、メルセデス・ベンツのエクステリアデザイン ディレクターのロバート・レズニック氏、インテリアデザイン ディレクターのハートムート・ジンクヴィッツ氏、Sクラス プログラムディレクター オリヴァー・トーネ氏、インテリジェントドライブ 開発担当のヨッヘン・ハープ氏、MBUX 開発担当のマキシ・フォーゲル氏が登場して、新型Sクラスに採用された「新技術」について紹介が行なわれた。

 その中で、新型Sクラスの開発における騒音・振動・ハーシュネス(NVH)への取り組みや「リア・アクスルステアリング」「3Dコックピットディスプレイ」について、トーネ氏から説明がされた。

 NVHへの取り組みでは、新たなボディ構造を開発してその一部のピラーなどに特殊な遮音材を採用、ボディ剛性を高めるための努力を行なった結果、低周波ノイズを大きく改善することができ、そのメリットは特に後席で得られるという。

 また、インテリアに採用された「3Dコックピットディスプレイ」については、インストゥルメントクラスターにドライバーの目を常に監視している2台のカメラがあり、左目用と右目用の画像をそれぞれ作成。これらの画像を重ね合わせることで、あたかも立体的な画像を見ることができるといい、ナビゲーション画面、運転支援システムの設定画面は、実際と同じような被写界深度が得られ、視線の動きがスムーズになるメリットが有ることなどが紹介された。

上野社長がS 500 4MATIC ロング(ISG搭載モデル)に試乗

 オンライン発表会の試乗セッションでは、実際に上野社長が新型Sクラス「S 500 4MATIC ロング(ISG搭載モデル)」のステアリングを握ってその印象を語った。

 試乗したモデルは、最高出力320kW(435PS)、最大トルク520Nmを発生する直列6気筒 3.0リッター直噴ターボエンジンに、最高出力16kW(22PS)、最大トルク250Nmを発生する電気モーター「ISG」と「48V電気システム」を搭載。トランスミッションに9速AT「9G-TRONIC」、駆動方式に4WDシステム「4MATIC」が採用される。

 その加速性能について、上野社長は「直列6気筒プラス電動アシスト、これが最大限に効いて滑らかな立ち上がりというか加速感があって、V8に乗りなれてる方々にとっても遜色ない加速性能、しかも直列6気筒のスムーズさと電動パワーがアシストするということで、とてもいい加速性能ではないかなと思います」と話した。

 インテリア部分については、インストルメントクラスターに特殊なメガネを使用せずにドライバーに3D映像を見せることが可能な「3Dコックピットディスプレイ」が採用されており、速度計などの表示が立体的に見えるという。

 上野社長は「僕にとっては多分これ6台目のSクラスですね。当時と違うところで言うと、メーター系からアナログがなくなって完全に電子の塊みたいになってまして、この大きな有機ELディスプレイ、さらにこのメーターパネル。メーターパネルもですね、実は私の目から見ると完全3Dになっていてタコメーター、スピードメーターは前面に、そしてオドメーターなどは中に入ったということで、とても目に優しいディスプレイですね」との印象を語った。

 また、新型Sクラスでは後輪操舵システム「リア・アクスルステアリング」が採用され、約60km/h以下ではリアホイールをフロントホイールとは逆方向に最大4.5度傾け、日常の走行シーンや駐車の際には回転半径が小さくなり、また約60km/hを超えるとリアホイールをフロントホイールと同じ方向に最大3度操舵することで走行安定性を高めるという。

 上野社長は「リア・アクスルステアリングという、フロントとリアが逆に操舵することによって最小回転半径は5.5mと実にEクラスと同じ。このSクラスのサイズを考えると小回りが利きますし、大きなクルマを感じさせない、なめらかなステアリングということで、これは小回りだけではなく高速走行においてもすごい安定性を確保する、とても重要な機能だと思います」と話し、走行中に「今日はなぜかすごい風が強いんですけども、全くブレることなく安定の走行ができている状態ですね。こういうふうに、ちょっと曲がる時も本当にクルマがクイックイッと回頭していくので、とても乗りやすいと思います」との印象を話した。

 その後、試乗セッションでは上野社長が後部座席に移動、後部座席においても乗員の音声を認識するようになったMBUXなど、そのほかの特徴的な機能を説明。

 カミング ホーム フィーリングをコンセプトとした後席空間について、上野社長は「ボディ骨格の強化やピラーの中に遮音材を詰めているなどの効果でしょうか、本当にクルマが静かに走っていきます。今あえて何も喋らなかったんですけども、本当に走っている感じでは、若干のロードノイズ以外は静けさがクルマの中で味わえるということになっております。また、乗り心地も当然とても安定していて、いままでのSクラスを超えるようなリアの体験ができると思います」と話した。

 試乗セッションのまとめとして、上野社長は「新型Sクラスにひと足早く試乗させていただきましたが、随所に最新のテクノロジーを取り入れつつ、Sクラスの伝統的なクラシカルさと未来的なデザインが融合された、素晴らしい1台になってると思います」とまとめた。

 そして、発表会の締めくくりとして、上野社長は「新型Sクラスは、最善か無かの思想のもと、妥協なきクルマ作りを行なって来たメルセデス・ベンツが送り出す、これからのクルマの姿そのものです。これからの時代を切り開いていくお客さまにこそ、最愛のパートナーとしてお選びいただきたいと考えております」と締めくくった。