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アクア、えりや袖の汚れに強い洗濯機 超音波洗浄で黄ばみスッキリ
ハイアールグループのアクアが8月28日、タテ型洗濯機「Prette(プレッテ)」シリーズを発表しました。シャツの皮脂汚れ、食べこぼしなどの部分洗いができる超音波洗浄機能を搭載。液体洗剤・柔軟剤の自動投入機能を備えるなど、機能性を高めたモデル。シングル毛布5枚をまとめて洗えるという業界最大容量14kgモデルも含めた、合計5機種です。
●ハンディタイプより3倍大きい
アクアは三洋電機に由来するハイアールグループのブランド。1953年8月28日に三洋電機が噴流式洗濯機を発売してから67年後にあたる2020年8月28日、「更に洗濯を進化させる」という新製品を投入。洗濯機を使っている人の多くが満足していなかったという「部分洗い」に着目して、超音波洗浄機能「らくらくSONIC」を取り入れました。
超音波洗浄機能は、超音波による振動で微細な気泡を作り出し、気泡の破裂によって汚れをひきはがすという原理の機能。シャツのえりやそでについた黒ずみ、黄ばみなどのほか、口紅、ラー油、ソース、ミートソース、赤ワインなどの汚れも落とせます。歯ブラシを使ったこすり洗いや、もみ洗いなどに比べて、衣類をいためにくいのも特徴です。
シャープも以前タテ型洗濯機に超音波洗浄機能を内蔵していて、現在はハンディタイプの「超音波ウォッシャー」を付属させる形で機能を搭載しています。今回アクアが新製品に開発した超音波洗浄装置は、ハンディタイプの製品に比べて3倍ほど幅広にあたる28mmサイズのホーン(先端)を採用。大きな汚れを一気に取りやすくしていると言います。
あわせて、洗剤と柔軟剤の自動投入機能も搭載。タンク容量は洗剤が約800ml、柔軟剤は約780mlで、つめかえパックが投入可。銘柄により自動的に量を設定する機能はなく、利用者が手動で設定する必要があります。
●あっというまに汚れが落ちる
メーカーが発表会場に用意した新製品で、超音波洗浄機能を試してみました。電源を入れたらトレイを引き出し、「らくらくSONIC」ボタンと、スタートボタンを押すと、奥側からトレイに洗剤液が流れこんできます。皮脂汚れを模したピンク色の染料をつけた白い布を超音波ホーンにあて、左右になぞると、あっというまに色が見えなくなっていきました。
部分洗いを終えたら、洗濯物はそのまま普通の洗濯物として洗います。使った洗剤液は、トレイを収納すると槽外に自動排出されます。トレイは取りはずせるようになっていて、水洗いができるようになっています。
そのほか、特徴的な洗濯コースとして、部分洗いをした後、約18分で洗濯ができる「SONIC速洗コース」のほか、最近はやりのジェルボールの防臭・香りつけ効果を高められるという「ジェルボールコース」を搭載。天面は段差やひっかかりのないガラストップで、洗濯中の様子が上から見やすく、お手入れもしやすい作りになっています。
ドラム式洗濯乾燥機に比べても、人気が衰えないタテ型洗濯機。比較的高い洗浄力に加えて、比較的安価なモデルが多く、各メーカーがしのぎを削っています。最近洗濯機の標準装備となってきた液体洗剤・柔軟剤の自動投入機能を備えたことで、アクアも、パナソニックや日立などの大手メーカーと並ぶことになりました。子どもが毎日のように服を食べこぼしで汚しているわが家のような利用者にとって、超音波洗浄機能は魅力的に写ります。今後はシャープやアクアなど、中国系のメーカーが家電売り場でいっそう存在感を強めることになりそうです。