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マセラティのモデルラインナップが2018年型へと進化
マセラティ ジャパンは2017年11月7日、東京・六本木のグランドハイアット東京において、マセラティの2018年モデルのフルラインナップを披露した。
マセラティ ジャパンでは現在、セダンの「ギブリ」と「クアトロポルテ」、クーペの「グラントゥーリズモ」とカブリオレの「グランカブリオ」、そしてSUVの「レヴァンテ」と、全ラインナップを日本に導入している。2018年モデルの大きな特徴は、2017年モデルのクアトロポルテから導入したトリムオプションである「グランルッソ」と「グランスポーツ」を主要モデルに展開したこと。そして主要モデルに自動運転レベル2相当の先進運転支援システムを搭載したことだ。
トリムオプションのグランルッソとグランスポーツは、クアトロポルテに続く形で、ギブリとレヴァンテに設定。グランルッソについては、「イタリアンラグジュアリーの魅力をより強調した」とされる仕様で、エルメネジルド ゼニアのシルクとレザーのコンビネーションを用いたインテリアを最大の特徴とする。一方のグランスポーツは、「マセラティに息づくレーシング・スピリットを体現した」とされるもの。よりスポーティーなエクステリアに加えて、インテリアにはピアノブラックのトリムやスポーツシートを備えている。
注目の先進運転支援システムについては、従来機能をアップデートするとともに、新機能を追加。主な装備としてアダプティブクルーズコントロール(ACC)やレーンデパーチャーワーニング、360度サラウンドビューカメラ、アクティブブラインドスポットアシスト、レーンキーピングアシスト、交通標識認識などを採用している。ACCとレーンキーピングアシストを組み合わせた「ハイウェイアシストシステム」も利用できる。これらの運転支援システムは、ギブリ、クアトロポルテ、レヴァンテに搭載する。またギブリとクアトロポルテの車両統合制御システムにも改良を実施し、快適性と安全性、走行フィールなどの性能強化を図っている。
それでは、各々の2018年モデルの特徴を簡単に解説したい。
マセラティ初のSUVであるレヴァンテは、「レヴァンテS」にガソリンモデルで初となる右ハンドル仕様を追加した。ラインナップは従来と同様、クリーンディーゼル仕様の「レヴァンテ ディーゼル」、そしてガソリン仕様の「レヴァンテ」と「レヴァンテS」となる。価格は986万7000円~1369万5000円。
フラッグシップサルーンのクアトロポルテは、アダプティブフルLEDヘッドライトを採用したほか、「クアトロポルテS」と「クアトロポルテS Q4」に搭載する3リッターV6ツインターボエンジンを強化し、最高出力を+20psの430psに、最大トルクを+30Nmの580Nmにまで高めた。ラインナップに変更はなく、クアトロポルテとクアトロポルテS、Sの4WD仕様であるクアトロポルテS Q4、そして3.8リッターV8ツインターボを積む高性能モデルの「クアトロポルテGTS」となる。価格は1225万5500円~1970万円。
マセラティの中核を成すモデルであるギブリは、前後のフェイスリフトを実施。ヘッドライトにはアダプティブフルLEDヘッドライトを採用している。デザイン変更に伴いエアロダイナミクスも改善しており、Cd値は従来の0.31から0.29に、空力性能は約7%向上したという。また「ギブリS」と、その4WD仕様である「ギブリS Q4」に搭載される3リッターV6ツインターボエンジンは、クアトロポルテSなどと同様の性能強化を行った。ラインナップは従来同様で、クリーンディーゼル仕様の「ギブリ ディーゼル」、ガソリン仕様のギブリ、ギブリS、ギブリS Q4となっている。価格は953万円~1300万円。
なお、マセラティの象徴でもあるパーソナルカーのグラントゥーリズモとグランカブリオについては、先に行われたジャパンプレミアの模様をご参照頂きたい。
マセラティは、ギブリとレヴァンテの投入により販売台数を飛躍的に向上させている。日本での販売も好調で、2012年は300台ほどだったものが、これら新世代モデルの登場が販売に弾みをつけ、2017年には2000台弱まで拡大。特にレヴァンテのポテンシャルは高く、日本でのマセラティの販売台数の約50%を占めるだけでなく、購入者の90%にとって初めてのマセラティ車だという。プレゼンテーションを行ったマセラティ ジャパンのグイド・ジョパネッリ代表取締役社長は、多くの新規ユーザー獲得に成功していることを強調した。
マセラティはイタリアンブランドとして唯一、欧州で人気の高いクリーンディーゼル車を日本に導入している。グイド・ジョパネッリ社長に日本での販売状況を尋ねると、レヴァンテではディーゼルモデルが約3分の1を占めるとしたが、レヴァンテSに右ハンドル仕様を追加設定した影響(従来は右ハンドル仕様はディーゼルのみに設定)で、ディーゼルの比率が減少していくことも考えられるとした。