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進化するマセラティ! 2018年モデルはレベル2先進運転支援システムを搭載!
いま、世界的な規模で販売台数を拡大しているブランドがマセラティ。2013年は2012年に対して約2倍の11万6000台、そして2014年にはその約3倍となる3万2800台を売り上げるなど急成長し、2016年には4万2100台を世界中のラグジュアリーな顧客のもとに収めた。そして2017年はさらなる伸びを予測している。そんなマセラティのMY18(モデルイヤー2018、すなわち2018年モデル)の発表会が2017年11月7日におこなわれた。
会場となった東京・六本木のラグジュアリーホテルには、ラインアップする5台のマセラティが一堂に会しただけでなく、建物の車寄せにレヴァンテが、会場の外のエスカレーターホールには1967年にデビューした第一世代のギブリを展示。会場の外でもマセラティを意識させる演出が盛り込まれており、日本市場にかける意気込みがひしひしと伝わってくるものだった。
さて、そんな2018年モデルの大きなトピックはふたつある。ひとつは先立って発表された「グラントゥーリズモ」や「グランカブリオ」に続く「ギブリ」のフェイスリフト。もうひとつはステアリングのレーンキープ機能が加わってレベル2に引き上げられた先進運転支援システム(ADAS)を全モデルに搭載したことだ。
ギブリのフェイスリストは前後バンパーやグリル、そしてヘッドライトが新しい形状となり、よりシャープな雰囲気を演出。単にリデザインされただけでなく、グレアフリーハイビーム(対向車や前走車が存在する部分だけを消灯する眩しくないハイビーム)搭載のフルLEDヘッドライトを組み込むなど機能面でもアップデートされているのが特徴といえるだろう。
またエクステリアデザインの変更は単に視覚的な新しさを生むだけでなくエアロダイナミクスが強化され、空気抵抗係数であるCd値を従来の0.31から0.29へと下げて空力性能を7%アップ。空気抵抗の軽減というと多くのクルマでは燃費向上だけに目を奪われがちだが、加速性能向上に寄与していることもマセラティにとっては忘れてはならない。
そんなギブリの最高峰といえば3LのV6ツインターボエンジンを積む「ギブリS」とその4WDモデルの「ギブリS Q4」。そんな高性能モデルは動力性能でも大きく進化した。エンジンのパフォーマンスが2017年モデルに比べて20馬力と3kgm向上して、最高出力430馬力、最大トルク59.1kgmに到達。停止状態から100km/hまでの加速は2017年モデルに対して0.1秒アップして「ギブリS」が4.9秒、「ギブリS Q4」は4.7秒となった。
バリエーションはその2モデルのほか、350馬力のV6ツインターボエンジンを積む「ギブリ」、そしてなんとフェラーリの技術チームとマセラティが協力して開発しマラネロにあるフェラーリの工場内で作られる世界一官能的なV6ディーゼルエンジン(275馬力)を搭載した「ギブリディーゼル」をラインナップし好みに応じて選ぶことができる。
ところで、スタイリングや性能のほかに見逃せないもうひとつのトピックは、「グランルッソ」そして「グランスポーツ」というふたつのトリムオプションが追加されたことだ。いずれもマセラティの個性をより際立たせるもので、「グランルッソ」はエルメネジルド・ゼニア製のシルクとレザーのコンビネーションインテリアをコーディネートするなどラグジュアリーを追求。ハーマンカードンのプレミアムサウンドシステムなども搭載する。いっぽう「グランスポーツ」はひときわスポーティな仕立てで、ピアノブラックのトリムやスポーツシート、スポーツステアリングなどでマセラティに息づくレーシングへの情熱を表現している。
このふたつのトリムオプションはどのエンジンでも選択でき、ギブリは各エンジンとも「ベースグレード」「グランルッソ」「グランスポーツ」と3つの仕様が選択可能。そしてこの3トリムのラインナップは、2018年モデルの「レヴァンテ」でも展開される(「クアトロポルテ」は2017年モデルから採用済)。
発表会の冒頭、マセラティジャパンの代表取締役を務めるグイド・ジョバネッリ氏は「2016年はレヴァンテが(日本の)販売台数の50%をカバー。購入者のほとんど(90%)はレヴァンテがはじめてのマセラティ」と同社初のSUVであるレヴァンテがいかに新規ユーザーの開拓に貢献しているかを物語るエピソードを披露した。
ギブリだけでなくそんなレヴァンテやハイエンドサルーンのクアトロポルテも2018年モデルへと進化したが、その進化におけるメカニズムでの注目は先進運転支援システムが「レベル2」へとレベルアップしたこと。これは従来から採用されているアダプティブクルーズコントロールに加え、ステアリングを制御して車線の中央を維持するレーンキープアシスト機能が新たに加わったことで進化した。
そのためパワーステアリングは従来の油圧式からマセラティとしてははじめての電動式へと変更されている。
また、「IVC」と呼ぶ車両統合制御システムも新たに採用。これは従来のスタビリティコントロールの発展版だが、不安定な動きを事前予測して制御を加えるのが特徴である。
2018年モデルへの変更点をモデルごとにまとめると以下のようになる。
ギブリ
●エクステリアの刷新
●高出力版エンジンを400馬力から430馬力へ出力向上
●トリムオプションの追加
●レベル2の運転支援システムの搭載
●レーンキープアシストを採用
●アクティブブラインドスポットの採用
●道路標識認識機能を採用
●電動パワーステアリングの採用
●IVCの採用
●ソフトクローズドアの採用
レヴァンテ
●430馬力の高出力版ガソリンエンジン車に右ハンドルを追加
●トリムオプションの追加
●レベル2の運転支援システムの搭載
●レーンキープアシストを採用
●アクティブブラインドスポットの採用
●道路標識認識機能を採用
●電動パワーステアリングの採用
●IVCの採用
●ソフトクローズドアの採用
クアトロポルテ
●「クアトロポルテS」「クアトロポルテS Q4」のエンジンを400馬力から430馬力へ出力向上
●レベル2の運転支援システムの搭載
●レーンキープアシストを採用
●アクティブブラインドスポットの採用
●道路標識認識機能を採用
●電動パワーステアリングの採用
●IVCの採用
●ソフトクローズドアの採用
グラントゥーリズモ/グランカブリオ
●エクステリアの刷新
●新しいインフォテインメントシステムの採用
ところでマセラティは日本でも販売が増えており、昨年は1318台の車両を販売した。そんな状況においてエクスクルーシビティ(独占的な感覚や特別感)をどう保っていくのか? そんな質問に対して日本法人代表取締役のグイド・ジョバネッリ氏は「特別な素材を使ったインテリアとするなど特別な質を提供する」と答えた。その具体例のひとつが「グランルッソ」に採用されているエルメネジルド・ゼニア製シルク素材を組み合わせたインテリアなのだろう。