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3分でわかる、ドコモ“格安”新料金「ahamo」の月額2980円・20GBがすごい理由…注意点は?
NTTドコモは12月3日、新料金プラン「ahamo(アハモ)」を発表した。ahamoは月間20GBのデータ通信量・1回あたり5分間の無料通話がセットで月額2980円(税別)。2021年3月に提供開始予定だ。
携帯料金値下げに関しては、武田良太総務大臣による「誠意を見せて」発言(11月27日の記者会見にて)など、政府からの強い意向が働くなか、NTTドコモは既存のプランにはなかった大容量・中価格帯のプランを新設することで答えた形だ。
オプションの少ない「わかりやすい」新プランが登場
ahamoの概要は以下の通り。オプションが少なく、手数料がほとんどなく、基本的には契約等もオンラインで完結する「わかりやすさ」が特徴的だ。
月額2980円(税別)。データ容量は月間20GB(超過後は最大1Mbpsで通信可能)。
通話料は1回あたり5分まで無料で、5分以降は30秒あたり20円(税別)。
4G・5Gのネットワークに対応。
新規契約事務手数料、機種変更手数料、MNP転出手数料は無料。
2年の定期契約や解約金はなし。
1000円につき10ポイントのdポイントを付与。
82の国や地域で追加料金なしでデータローミングが利用可能(容量は国内の20GBから消費)
SIMのみの契約も可能。
12月1日からNTTドコモの社長に就任した井伊基之氏はahamoを「1人でもコスパがいい、デジタルネイティブに合ったプラン」と説明。
同じ月間20GBで今後提供予定の競合他社のサブブランドのプランと比べると、料金や通話プランの面で非常にコストパフォーマンスの高い、実用性のあるプランになっている。
また、オプションは1GBあたり+500円(税別)のデータ容量の追加と、一部のサービスを除き国内通話無料となる+1000円(税別)のかけ放題オプションの2種類のみ。
NTTドコモを含む大手通信事業者のプランにありがちな、「契約後○カ月間のみの月額料金」「家族○名の契約の場合」「光回線やでんき料金との組み合わせ」といった注釈がほぼないのも評価したい点と言える。
また、本プランは契約手続きなどがすべてオンラインのみの対応となっているなど、かなり“若者”を狙い撃ちしたプランでもある。ただし、学割などとは違い、20歳以上であれば誰でも契約ができる。「サポート窓口」などが既存の料金プランとは大きく異なる
新料金としての特徴は非常に好感触ではあるが、一方で「NTTドコモの1プラン」と見ると注意すべき点がある。
現状で分かっている代表的な注意点は以下の通り。
新規契約や契約内容変更などは原則専用ウェブページのみでの受付で、ドコモショップやインフォメーションセンターでは取り扱われない。
ファミリー割引の対象外。家族間無料通話もできず、「みんなドコモ割」の回線カウントにも含まれない。
既存プランからahamoへの移行の際は、ドコモでの契約年数はリセットされる(電話番号は保持、移行時に手数料はかからない)。
キャリアメール(@docomo.ne.jp)は使えない
契約年数とキャリアメールに関しては、ahamoがターゲットとしている「若者層」のユースケースを考えると、大きな影響はなさそうだ。
一方で、ファミリー割引の対象外になれば、既存プランを利用するほかの家族の通信料金などにも影響が出てくる。キャリアショップでの対応有無に関しても、年齢に関わらずウェブでの操作に抵抗のある若者層もいるだろう。
ショップでの対応に関して井伊社長は「基本的なコンセプトがオンライン」としつつも「(ahamo契約を希望する人が来店した際)ダメですという応対は絶対にない」と、今後対応策を練る方向性を示している。
「ギガホ」「ギガライト」は12月中に値下げの方針
井伊社長は今回の会見で既存のフルサポート付きで家族でおトクになる料金プラン「ギガホ」「ギガライト」を“プレミア”領域、ahamoを中容量・シンプルな“ニュー”領域と表現。
店頭でのサポートは、当然人件費や家賃などの固定費もかかってくる。高コスパをうたう“ニュー”領域のahamoで対応するにはビジネス設計上で無理が出てくるため、井伊社長の話には疑問が残る。
NTTドコモでは、今後ahamoのユーザーに合わせた新端末の準備や、“プレミア”領域の値下げを想定したアップデート(12月中)を予告している。