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ホンダ フィット 次期型、2モーターハイブリッドを搭載…東京モーターショー2019で世界初公開予定
ホンダの八郷隆弘社長は5月8日に都内にある本社で開いた事業方針説明会で、次期型『フィット』に2モーターハイブリッドシステムを搭載するとともに、2019年秋に開催する東京モーターショーで世界初公開することを明らかにした。
八郷隆弘社長は会見でまず「ホンダはインフラやクルマの使われ方を考えると、CAFE(企業平均燃費)対応には最も有効な技術はハイブリッドだと考えている。全世界での拡販を通じて燃費の向上による地球環境への貢献を目指し、電動化はハイブリッドを中心に進めていく」との方針を改めて示した。
続けて「そのために2モーターハイブリッドシステムのi-MMDをホンダのモデルラインアップ全体に広げていく。現在、中・大型モデルに対応しているi-MMDに、新しく小型車向けのシステムを開発した。この小型i-MMDは今年秋の東京モーターショーで世界初公開を予定している新型『フィット』から採用する」と述べた。
さらに「(i-MMDシステム搭載車の)ラインアップの拡大に加え、グローバルでの展開を行うことにより、i-MMDのシステムコストは2022年までに2018年に比べて25%の削減を見込んでいる」との試算も披露した。
その一方で「ゼロエミッションビークルについてはバッテリーEV(電気自動車)で対応する。地域ごとの異なるニーズに合わせ、最適なパートナーやリソースを選ぶことで、効率的にバッテリーEVの導入を進める」とも表明した。
具体的には「北米においてはゼネラルモーターズ(GM)とバッテリーコンポーネントの共同開発を行い、競争力のあるバッテリーEVを投入していく。中国では急速な電動化のスピードに対応していくために、合弁会社との共同開発によるバッテリーEVの投入をすでに始めている。今後も中国現地リソースを有効活用し、ホンダブランドでの投入も視野に入れながら、市場ニーズに合わせたバッテリーEVをタイムリーに展開していく。また欧州、日本ではジュネーブモーターショーにてプロトタイプを発表した『Honda e』を投入する」とした。
そのうえで「ハイブリッド車とバッテリーEVに集中し、電動車の普及と事業性の向上を目指す」との考えを示した。
ゼロエミッションビークルを巡ってホンダは、燃料電池車の『クラリティ フューエル セル』をすでに市販化しているが、八郷社長は「現時点でゼロエミッションビークル、性能の進化、コスト低減、各国の法規制、そして恩典などインフラの状況などを考えると、やはり当面はお客様に訴求できるものはバッテリーEVと考えており、まずはバッテリーEVをゼロエミッションビークルの対応の中心に据えたいと思っている」と説明した。
燃料電池車に関しては「将来に向けてゼロエミッションビークルの技術としては素晴らしい技術なので引き続き開発を進めていく」としながらも、「ただ、まだまだ量産技術の熟成やコスト等に課題があるので、それを乗り越えられるように頑張っていくが、主体はバッテリーEVで対応を当面していく」と語り、優先度は下がった格好となる。