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ホンダ 八郷社長「25年までに開発工数を3割減」…四輪事業と電動化で事業方針
ホンダの八郷隆弘社長は5月8日に、東京都港区の本社で決算発表に合わせ、事業方針説明会を開いた。このなかで八郷社長は「四輪車事業の体質強化」と「電動化の方向性」について、中長期での取り組み課題と目標を提示した。
四輪事業については、『シビック』や『アコード』、『CR-V』といったグローバル展開モデルについて開発や販売の効率化を進めるため、各モデルの派生車種(グレードなどのバリエーション)を大幅に削減する方針を掲げた。具体的には2025年までに現状の3分の1にまで削っていく。併せて、開発効率や部品共有を進める設計・開発手法である「ホンダアーキテクチャー」による新モデルを20年から順次、導入する。
これらにより、25年までには量販車の開発工数を30%削減し、「その工数は将来に向けた先進領域での研究・開発に充てる」(八郷社長)方針を示した。また、グローバルで進めてきた四輪生産能力の見直しについては、先に発表した英国生産の撤退などにより「適正化の道筋をつけることができた」(同)とし、フル稼働状態の中国を除いた世界の生産拠点での稼働率は、18年時点の90%水準から22年までにはフル稼働になると指摘した。
一方、電動化について八郷社長は、世界各地域で規制が強化されているCAFE(企業平均燃費)への対応では「現時点で最も有効な技術はHV(ハイブリッド)だと考えている」とし、当面の電動化はHV中心に進める方針を示した。なかでも、同社の2モーター式のHVシステムである「i-MMD」を「これまでの中大型モデルから小型車を含むラインアップ全体に広げる」と表明。第1弾として、今年秋の東京モーターショーで世界初公開する新型『フィット』に採用する計画も明らかにした。
今後のHVは2モーター式に集約する見通しであり、八郷社長は、このi-MMDシステムのコストは22年までに18年比で25%の削減を見込んでいると述べた。量産化でコストを下げ、さらに普及させるという循環を描いている。電動化では併せて、電気自動車(EV)の開発と市場投入も着実に進めていく。