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ホンダ、2018年度 第4四半期決算説明会。販売台数や売り上げは増加するも、生産体制見直しなどで通期利益42.4%減の6103億円
本田技研工業は5月8日、2018年度の第4四半期(2019年1月1日~3月31日)、ならびに2018年度通期(2018年4月1日~2019年3月31日)の決算を発表。東京 青山にある本社で決算説明会を開催した。
今回の説明会は第1部「事業方針説明会」、第2部「決算説明会」の2部構成で実施され、第1部では本田技研工業 代表取締役社長 八郷隆弘氏、第2部では本田技研工業 代表取締役副社長 倉石誠司氏、本田技研工業 専務取締役 事業管理本部長 竹内弘平氏が登壇した。
第4四半期の連結売上収益は4兆491億円(前年同期比3.4%増)、営業利益は423億円(同66.6%減)、税引前利益は1111億円(同41.7%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は130億円となった。
また、2018年度通期の売上収益は15兆8886億円(前年同期比3.4%増)、営業利益は7263億円(同12.9%減)、税引前利益は9793億円(同12.2%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は6103億円(同42.4%減)となり、四半期、通期ともに増収減益となっている。
質疑応答
説明会後半には第1部で事業方針説明を行なった八郷社長も登壇し、集まった記者との質疑応答が行なわれた。
第1部の事業方針で語られたモデルと派生数の削減について解説を求める質問に対し、八郷社長は「まず、(事業方針で)お話ししているところでは、モデルについて削減することは言っていません。例えば『シビック』の中に何種類の派生数を持っているかということで、かつてアメリカに出て行った時、『アコード』は3種類ぐらいの機種、種類で売っていたものを、お客さまのニーズに合わせて増やしてきた。それが少し過剰に増やしすぎたとわれわれ自身で見てもあって、地域の希望に応えてきたのはいいところもあったのですが、その結果として台数が伸びない派生というのが同じ車種でもあるというところを減らしていこうということで、モデル数を減らすということではなく、とくにグローバルモデルの派生を地域ごとに協調しながら減らしていきましょうということです。地域専用モデルではこれから電動化などいろいろな対応が出てくるので、それは集約したり、ホンダ アーキテクチャーを使って派生をうまく作っていうことと、中国とアメリカで少しだけ違う地域モデルといったものもあるので、そういったモデルについては共通化をする方向でやっていこうということで、(それによって)生産台数が落ちるといったことを営業から言われているといったこともありません」。
「いずれにしても、モデルの数は必要な面があります。そのモデルの中にいくつも派生があるというのは、サプライヤーさんにとっても段取り替えが必要になったり、売る側にもいろいろありすぎる。開発側も開発しなくちゃならない。誰がわるいということではなく、結果的に言うとちょっと派生数が多すぎるねというのは全社的に感じていること。そこで今回、われわれはもっとお客さま目線に立って選んでいこうということです。(派生は)これまであったから次も欲しいというところに、また新しいものを増やしていった結果で、だんだんと時代の変化で取り残されているようなものまで引きずってきたところがある。それをしっかりと時代のニーズに合わせたスタイルにしていこうということだとご理解いただければと思います」と回答した。
「ホンダ アーキテクチャー」のメリットはどんなものがあるのかという質問に対し、八郷社長は「ホンダ アーキテクチャーについては『部品の共有領域』と『各モデルの専用領域』に分けて、まずクルマの基本骨格であるエンジンルームやコックピット、リアまわりなどは共有部分として共有化を図っていきたいところです。その上で、エクステリアやインテリアといったデザイン領域の部品や個々のモデルの個性を出す、いわゆる『上屋部分』の部品についてはモデルごとの開発を行なうということで、生産設備の統合、開発工数の削減といったあたりを狙って行なっていくということです。一番は、その量産の開発工数を30%削減していきながら、将来の技術開発にふり向けていきたいと考えています」と答えている。