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レゴ、日本車と初コラボした新商品「NISSAN GT-R NISMO」発表会
レゴジャパンは11月25日、同社のブロック玩具で50周年を迎える「Speed Chamoione(スピードチャンピオン)」シリーズの新商品として、日産自動車とコラボレーションした「NISSAN GT-R NISMO」を発表。同日に神奈川県横浜市の日産グローバル本社ギャラリーで発表会を開催した。
レゴのNISSAN GT-R NISMOの発売は2020年1月で、価格はオープンプライス。レゴ製品として初めて日本の自動車メーカーとコラボレーションし、日産「GT-R NISMO」の2020年モデルをベースに、2016年4月にUAEのフジャイラ国際空港でドリフト走行の世界最高速となる304.96km/hを達成してギネス世界記録を更新した際のカラーリングを再現した製品となっている。
発表会ではまず、LEGO Group CEO ニールス・ビー・クリスチャンセン氏が登壇。クリスチャンセン氏は「レゴ製品は子供たちに作る楽しさ、素晴らしさを体験してもらうもので、子供たち自身が工夫して生み出すといったことをわくわくと楽しみながら経験できます」と語り、レゴ製品が持つ基本的な特性について解説。
また、クリスチャンセン氏は「今回は単にクールなレゴの新製品を発表するというだけではありません。日産のエンジニアの皆さんが続けている日ごろの努力のたまものである本物のクルマ、長いイノベーションの努力を続けた結果として素晴らしいアイコンを手に入れられています。これはレゴを使った遊びそのものです。作り、崩し、そして新たに作り替えるということ。日産のエンジニアの皆さんが長年に渡って設計を重ねたことで、GT-Rは日産の素晴らしいアイコニックな存在になっています。子供たちもレゴ製品で作り、崩し、作り替えることで、そんな力を培っていくことができるのです」。
「この21世紀では、想像力や問題解決力、批判的思考といったスキルが求められています。世界経済フォーラムが最近行なった調査では、今日の若い世代の人が成長してから就くであろう職業の65%が『現在は存在しないもの』になると報告されています。レゴグループでは、そんな未来で求められるような才能を育成する支援を使命としています。将来を担っていく子供たちには、科学技術や数学、それと同時に芸術も組み合わせていかなければなりません。ソフトとハードのスキルを組み合わせていくことが求められ、これがよりよい未来を手に入れていくために不可欠な能力となります。われわれはレゴを使った遊びの中で、そのようなスキルを育成していく取り組みを目指しています。レゴグループは遊びが持つパワーを通じて世界の明日を創造していく『未来の担い手』を、現在も、そしてこれからも育成していきます」とコメントした。
レゴのNISSAN GT-R NISMOのアンベールに続き、日産自動車 執行役副社長 星野朝子氏もプレゼンテーションを実施。星野氏はレゴのスピードチャンピオンシリーズで日本車として初めてGT-Rが採用されたことを紹介。また、GT-Rは「究極のドライビングプレジャー」を追究し、世界中のレースに多数出場して技術を磨き上げ、製品造りにフィードバックしていると解説した。
今回のコラボレーションが実現するきっかけになったのは、2016年4月にドリフトのギネス世界記録を更新するシーンをレゴの関係者が目にして「ぜひこの素晴らしいGT-Rをレゴ製品にしよう」と開発がスタートしたエピソードを紹介。
星野氏は自身でも子供のころにレゴブロックを使って遊び、自分の息子にもたくさんのレゴブロックを買い与えたと語り、息子と一緒にいろいろなものを組み立てて見せ合ったとのエピソードも紹介。大人も子供も一緒になってクリエイティブに楽しめることがレゴブロックの魅力であり、そんなレゴブロックでGT-Rが選ばれたことで、今後はGT-Rのレゴを通じてクルマに対する夢や憧れを世界中で育んでいってほしいと語った。
発表会後半には、LEGO APAC Region General Manager 長谷川敦氏、日産自動車 GT-R統括責任者 田村宏志氏の2人によるトークセッションも行なわれた。
トークセッションでは最初に、司会から日産のGT-Rに対するこだわりがレゴ製品でどのように再現されているのか質問された田村氏が、ボディのカラーリングはドリフトで世界記録を更新した時のものになりつつ、2020年モデルからフロントフェンダーに追加されたカーボン製のダクトが再現されていることを紹介。細かい部分まで現行モデルの仕様を再現してくれたことがうれしいと語った。
同様の質問に対して長谷川氏は、やはりかっこいいスーパーカーは子供の憧れで、スーパーカーの再現を重視しているとコメント。今回のNISSAN GT-R NISMOでもできる限り現物を確認し、そのクルマが持っている特徴をとらえて“レゴらしく”表現。GT-Rの大きなポイントであるリアビューの丸目ランプをレゴのパーツを使い、かっこよく、レゴらしく表現しているとアピールした。
今回のコラボレーションで日本車として初めてレゴのスピードチャンピオンシリーズに選ばれたことについて田村氏は「私、1番というのが好きなので、1番最初にやってもらえたというのがこの上もなく光栄です。世界中のクルマ好きにとってのGT-Rの存在というものを認めてもらえたのかなとも感じます。偶然に近いのですが、今年の春先にデンマークのビルンにある本社のレゴランドに寄らせてもらって、そこで私自身もレゴの魅力を体感して『やっぱりすごいな。こんな風に夢を見させる世界観は』と思っていたので、この光栄な日を迎えることができてうれしく思っています」と語った。
また、NISSAN GT-R NISMOについて田村氏は「スカイライン GT-Rから数えると、GT-Rは今年50周年。その記念すべき年にレゴからこういった商品が出ることをとてもうれしく思います。皆さん、この製品で遊んだ後は、ディーラーに行ってクルマに乗っていただいて、日産車のよさを味わっていただければいいなと思います」と述べている。
コラボレーションすることの効果について質問された長谷川氏は「まず1つ目は、田村さんからもお墨付きをいただきましたように、GT-Rのファンの皆さんに気に入っていただけるようなモデルができたと思えるところ。2つ目は、まだ実際にクルマを運転できないお子さんにも、このモデルで遊ぶことで実際に運転しているように、自分のイマジネーションやクリエイティビティで楽しんでいただけることかなと思います。レゴでの遊び方には決まりやルールはなく、自分のクリエイティビティで自由に際限なく遊べるおもちゃだと思っています。このモデルをきっかけに、レゴで遊ぶお子さんが増えればいいなと思います」と回答した。
また、NISSAN GT-R NISMOについて長谷川氏は「本物のクルマを造る課程では、エンジニアやデザイナーといったいろいろな人が試行錯誤をして素晴らしいクルマを生み出していると思います。レゴで遊ぶことも非常に似た作業で、実際にブロックで組み立てて、それを崩してまた作り直す。そんな遊び方を通じてクリエイティビティや問題解決力、クリティカルシンキングといった今後大切になっていく能力を育むことができます。このモデルを通じてそんなレゴの魅力を認識していただきたいと思います」とコメントした。