日経クロステック
日産の新型EV「アリア」、電池容量と2WD/4WDで4グレード用意
日産自動車は2020年7月15日、クロスオーバーSUV(多目的スポーツ車)タイプの新型電気自動車(EV)「アリア」を世界初公開した。電池容量は65kWh、90kWhの2種類で、駆動方式をそれぞれ2輪駆動(2WD)、4輪駆動(4WD)から選択できるようにする。90kWhで2WDのグレードでは、日本のWLTCモードでの航続距離は610km。同社は「十分な航続距離を実現した」としている。
プラットフォームには新開発のEV専用のものを適用。全長4595mmのCセグメント車ながら2775mmと長いホイールベースと、モーターの小型化、電池パックの薄型化などにより、1クラス上の車室空間の広さを実現した。モーターは、2WDでは前部の車軸に、4WDでは前後の車軸に搭載する。モーター出力は2WDの65kWhが160kW、同90kWhが178kW、4WDの65kWhが250kW、同90kWhが290kWという。0-100km/h加速時間は、5.1~7.6秒。4WDには、EVの制御技術とスポーツ4WD車の制御技術を融合して新たに開発した「e-4ORCE」を適用する。これにより、環境や天候によらないより安全・安心な走りと快適性を実現したとしている。
また、日産車として初めてOTA(Over The Air)によるソフトウエアの更新にも対応する。更新可能なのは、ナビゲーションシステムの地図、ドライブモードのセッティング、グラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)の画面などという。ただし、クルマの根幹に関わるソフトウエアの更新はOTAでは実施しない。
コネクテッドの機能としては、スマートフォンでドライブプランを立てたりクルマの情報を確認したりする機能や、空調やナビゲーションシステムを音声で操作できる音声認識機能、米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)の音声サービス「Alexa」も搭載する。Alexaを使うと、車外のスマートスピーカーから電池容量を確認したり、車内からAlexa対応のスマート・ホーム・デバイスの操作が可能という。また、先進運転支援システム(ADAS)「プロパイロット2.0」も搭載。準天頂衛星システムを初採用することで、より正確で円滑な運転支援が可能になっている。