プレゼンテーション「新型 三菱 ekワゴン 発表会」

三菱自動車工業株式会社 / 技術

新型 三菱 ekワゴン 発表会

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「一歩踏み出す自信と勇気を与えてくれるクルマ」。三菱自動車「eKワゴン」「eKクロス」発表会 俳優の竹内涼真さんが登壇して新型eKシリーズの魅力をアピール

2019年3月28日 開催

 三菱自動車工業は3月28日、同日に販売を開始した新型軽ハイトワゴン「eK wagon(eKワゴン)」「eK X(eKクロス)」の発表会を都内で開催した。

 会場では取締役会長CEOの益子修氏が挨拶を行なうとともに、商品戦略本部 チーフプロダクトスペシャリストの吉川淳氏が新型eKのプレゼンテーションを実施。また、自動車のTV-CMでは初登場となる、3月29日からオンエアされるeKクロスのTV-CMに登場する俳優の竹内涼真さんも来場。eKクロスの魅力などについて語った。

 新型eKシリーズは、三菱自動車の軽自動車づくりのノウハウと、日産自動車の先進技術を融合させた軽ハイトワゴン。プラットフォームやエンジン、CVTといった主要コンポーネントを刷新するとともに、同社初の高速道路同一車線運転支援技術「MI-PILOT(マイパイロット)」といった先進技術を組み合わせた意欲的なモデルとなる。

 かわらしく上質なデザインに仕上げたeKワゴン、存在感のあるSUVテイストに仕上げたeKクロスという2つの個性を用意し、月販目標台数は4000台(兄弟車である日産「デイズ」は8000台目標)とのこと。そのうちeKクロスで半分以上の販売台数を目指すという。なお、eKシリーズ、デイズシリーズなどの製造を担う三菱自動車工業 水島製作所では、2019年度に37万台を生産することが目標として掲げられている。

2019年度の販売目標台数は4000台/月

 発表会ではじめに登壇した益子氏は、「本日発売いたします4代目となる新型eKワゴンは6年ぶりのフルモデルチェンジであり、私どもの約60年にわたる軽自動車づくりのノウハウと日産自動車の先進技術を融合して作り上げた新世代の軽ハイトワゴンとして、両社の強みを活かした高い商品力を実現しています」。

「このたびのフルモデルチェンジにあたりましては、従来のカスタムモデルであるeKカスタムに代えて、三菱自動車が強みとしているSUVのテイストを取り入れたクロスオーバーモデル『eKクロス』を設定しました。このeKクロスはブランドメッセージ“Drive your Ambition”を体現したモデルであり、『行動範囲を広げたい』『さまざまなことに挑戦したい』というお客さまの思いに応えられる三菱自動車らしいクルマになっていると自負しています」。

「新型では新しい時代に求められる“いい軽”を追求し、プラットフォーム、エンジン、トランスミッションといった主要コンポーネントを刷新し、さらに三菱自動車として初の高速道路同一車線運転支援技術『MI-PILOT』を採用するなど、すべてをイチから見直して作り上げた自信作であります」とコメント。

 また、同社の軽自動車の販売状況についても触れ、「今年度、2月末までの三菱自動車の国内販売の中で約54%を軽自動車が占めており、私どもにとって大変重要な位置付けになっています。その中でも、eKシリーズは販売をけん引する重点車種であります。新型eKワゴン、eKクロスの2019年度の販売目標台数は月に4000台としました。これは今年度(2018年度)のeKシリーズの販売実績見込みの約1.5倍の台数であり、意欲的な目標ではありますが、必ずや国内販売を力強く盛り上げるクルマであることを確信しています」。

「私ども三菱自動車は新しい軽自動車をお客さまにお届けするにあたり、信頼回復を胸に刻み、真摯にモノづくりに取り組んできました。昨年3月に発売したエクリプス クロスや今年2月に発売した新型デリカ D:5はおかげさまで好評をいただいており、新型eKワゴン、eKクロスもそれに続いて激戦区である軽自動車市場において三菱自動車らしさを発揮していけるものだと思っています」とアピールして挨拶を締めくくった。

新型eKシリーズは一歩踏み出す自信と勇気を与えてくれるクルマ

 次に登壇した商品戦略本部 チーフプロダクトスペシャリストの吉川淳氏は、新型eKワゴン、eKクロスの概要についてプレゼンテーションを実施。

 吉川氏ははじめに、軽自動車ユーザーの約30%の人がeKシリーズが属するハイトワゴンを選び、そのハイトワゴンのユーザーのうち約25%の人がカスタム系/SUV系を購入するという市場背景を紹介するとともに、軽自動車ユーザーの意識の変化について言及。軽自動車を購入したユーザーを対象に「なぜそのクルマに決めたのか」という決定理由を聞いたところ、2008年のときは1位「税金・保険などの諸経費」、2位「車両価格」、3位「燃費」という回答だったところ、2018年のときは1位「車体色」、2位「車両価格」、3位「スタイル・外観」と、「お客さまが大事に思うポイントが大きく変わってきています」と吉川氏は言う。

 このユーザーポイントが変わりつつあることを把握したうえで、「eKワゴンはわるいところは直していいところをもっとよくする。それに対しeKカスタムは横に置いておき、eKクロスという違った名前、違ったクルマとして2つの違うクルマを作ろうと取り組んできました」とし、両モデルとも「一歩踏み出す自信と勇気を与えてくれるクルマ」をベースのコンセプトに掲げながら、eKワゴンでは「運転が得意でなくてももっと運転を楽しみたい人」、eKクロスは「日常から一歩踏み出しアクティブに冒険してみたい人」と、それぞれでターゲットユーザーが異なることを解説。

 その新型eKシリーズの特徴として、「デザインとカラーバリエーション」「走行性能」「先進技術」「便利装備と快適空間」の4点が挙げられた。

 まずeKクロスのエクステリアでは、同社のフロントデザインコンセプト「ダイナミックシールド」を採用するとともに、上2段がロービーム、その下にハイビームを配置する縦型の3灯式LEDヘッドライトによりSUVらしい力強さを表現。また、ボディカラーについては新色を含む6色のモノトーンに加え、サンドイエローメタリック/ホワイトソリッド(ルーフ)といったSUVテイストをより一層引き立たせる5通りの2トーンカラー、計11通りのカラーを設定。このボディカラーについて、吉川氏は「特に2トーンカラーは5色ありますが、5色ともルーフの色が違います。これはお客さまが色に注目しているのであれば、われわれの都合で作るのはやめようと。それぞれの色に一番合う組み合わせを考えていった結果、5色違うルーフカラーになっています」とその特徴について語る。

 また、eKワゴンでは「『誰が乗ってもいい軽自動車だね』と言っていただけるデザインに仕上げた」として、エクステリアでは表情豊かな立体感とバンパーのしっかり感を両立した前後デザイン、横基調のグリルによりワイド感と安心感を表現したという。

 2点目の走行性能については、eKクロスは全車で「SM21」型モーターとリチウムイオン電池を採用するハイブリッドシステムを採用し、直列3気筒DOHC 0.66リッター「BR06」型の自然吸気モデル(M、Gグレード)またはターボモデル(Tグレード)を組み合わせた。eKワゴンはハイブリッドシステムを非搭載とし、全グレード(M、Gグレード)とも自然吸気エンジンのみのラインアップとなる。また、CVTではATのようなステップ変速を行なう「可変速CVT」を採用したことを紹介するとともに、路面に応じた走りを実現する「フルタイム4WD」もラインアップすること、クルマの動きを安定させる「ASC(アクティブスタビリティコントロール)」や、雪道やぬかるみでも不安なく運転できる「グリップコントロール」を装備することを紹介。

 3点目の「先進技術」では、「ACC(アダプティブクルーズコントロール)」と「LKA(車線維持支援機能)」を組み合わせ、高速道路の走行時(約0km/h~100km/h)に作動する高速道路同一車線運転支援技術「MI-PILOT(マイパイロット)」を三菱自動車のモデルとして初採用したことを解説するとともに、「便利装備と快適空間」としてマルチアラウンドモニター付きのデジタルルームミラーを設定したこと、新プラットフォームではエンジンルームの前後スペースを圧縮し、フロントタイヤの位置を65mm前進させてホイールベースを拡大したこと、後席足下のフロアをフラット化して高い居住性を実現したこと、A型ベビーカーを収納できるラゲッジスペース(2WD)やインパネまわりに計7つの収納スペースを用意していることなどを解説した。

「eKクロスで新東名を走りたい」と竹内涼真さん

 発表会後半のセッションでは、俳優の竹内涼真さんが登壇。eKクロスの第一印象について「TV-CMのときにイエローのeKクロスに会って、まずは顔がカッコいいなと思いました。クルマを選ぶときに顔がカッコいいってすごく大事ですし、SUVに負けない迫力もあって。カーナビも大きくて室内に入ってもテンションが上がると思いました」とコメント。

 また、ワイヤーアクションを使ったなどTV-CM制作時の苦労話などが語られたほか、「eKクロスでどこにドライブに行きたいですか?」と聞かれた竹内さんは、「兄弟とか乗せて新東名走りたいです(笑)。(車内の)スペースとかあるのでキャンプとかアウトドアしたいですね」とコメント。司会の女性から「ドライブに私も連れて行っていただきたいですが無理ですね?」との問いに「無理ですね(笑)」と冷静にかわして会場を沸かせるひと幕もあった。

 そのほかMI-PILOTが設定されていることについて、「運転をアシストしてくれるなんて心強いですね。運転すると疲れますし、そういうアシストがあると運転しやすいのかなと」とコメントしたほか、会場に展示されたeKシリーズのうち、どのカラーに乗りたいか聞かれ、「TV-CMで一緒だったのがイエローだったのでイエローかな……、ホワイトもいいですが、やっぱりイエローですね!」とお気に入りの色の紹介も行なっていた。