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【東京モーターショー2017】メルセデスは多様なコンセプトモデルを披露
2017年10月25日に開幕した第45回東京モーターショー。メルセデス・ベンツ日本は、メルセデス・ベンツとスマート両方のプレスカンファレンスを実施し、今後導入する新型車両のほか、新ブランドの展開やコンセプトモデルについて説明した。
今回は、メルセデス・ベンツとスマートをあわせて前回よりも広い展示スペースを舞台に、“アニメーションスタイル”と呼ばれる独自のダンスパフォーマンスで高い評価を得ている『TRIQSTER(トリックスター)』が登場。オープニングに華を添えた。
続いて、メルセデス・ベンツ日本の代表取締役社長兼CEOである上野金太郎氏が登壇。前回のプレスカンファレンスからの2年で技術が進歩し、より完全な自動運転時代が近づいていることに言及した。またビジネスに関しても、2017年1月に世界初となる専売拠点「AMG東京世田谷」を、6月に「smart center 京都,the garden」をオープンしたと報告。目下、販売が好調であることをアピールした。
海外からは、メルセデスAMGやスマートのゲストスピーカー3人が来日した。最初にメルセデス・ベンツの営業/マーケティング部門を統括するブリッタ・ゼーガー氏が登壇し、グローバルでの営業が設立以来ベストな状況であるとコメント。2017年1月から9月までに、対前年比で+11.7%となる170万台を販売。さらに、55カ月連続で記録を更新しているなどと述べた。日本市場に関しても、4年連続で過去最高記録を更新し、9月末での販売台数は5万台以上と、グローバルでの販売好調に一役買っていることを報告した。
続いてゼーガー氏は「CASE」と呼ばれるプログラムを発表した。これは「コネクトのC」「自動運転のA」「シェア&サービスのS」「電気自動車のE」の頭文字を組み合わせたもので、今後重要視される分野において常に同社が優位性を確立することを目指すという。
そして、CASEの“E”を具体化する新ブランド「EQ」を紹介。「EQは電気・知能を示すもので、私たちはお客さまのニーズを完璧に満たすクルマの電動化を計画しています」というゼーガー氏の説明にあわせて、ステージ上に置かれた車両がアンベールされた。
あわせて披露された「GLC F-CELL」は、水素を使って400km以上、EV走行だけで50km走行可能なプラグインハイブリッドの燃料電池車。東京から三重県鈴鹿市までノンストップで走りきれるという航続距離の長さに加えて、希少金属(プラチナ)の使用率を90%削減しているなど魅力的な部分が多い。
同時に「コンセプトEQ A」もアジア初披露された。舞台袖から自走で登場した同車をゼーガー氏は「ユーザーが任意で出力レンジや航続距離を選ぶことができます。モーターは各アクスルに1つずつ搭載されています」などと説明。さらに「2020年までにピュアな電気自動車を10車種以上発売する計画がある」と、積極的にEV領域に注力していく姿勢を明らかにした。
ゼーガー氏に代わって登場したのが、スマートブランドの責任者であるアネット・ウィンクラー氏だ。「未来を考えることがスマートの本質なのです」という同氏によれば、都市のモビリティーについては、将来的に電気が重要になるという。そして「2030年にあるべき完璧なシティーカーとして考えたのが『スマート・ビジョンEQフォーツー』。これが私たちの未来のアーバンモビリティーです」と実車をアンベールした。
同車は完全な自動運転車であり、ステアリングホイールやペダルは付いていない。カーシェアリングにも対応しており、街や道路など交通インフラに関する情報をやりとりすることでクルマ自体の移動ニーズがどこにあるかを把握できる。結果的に、1台のクルマで従来の2倍の運搬能力を発揮するのだという。
クルマとしては愛らしいデザインも特徴のひとつで、フロントグリルにいろいろなメッセージを表示することにより外部とのコミュニケーションが取れる。また充電システムに非接触型方式を採用するなど、未来におけるレベル5の自動運転社会に対応することが想定されている。
最後に壇上に登ったのは、メルセデスAMGの商品・マーケティング責任者を務めるエバ・ヴィーゼ氏。2016年は世界中で前年比で44%増しとなる約10万台を販売。本年度は10万台をはるかに上まわる見通しだ。日本においてもめざましい成長が見られ、パフォーマンスブランドの中でナンバーワンの販売を記録しているなど、その好調ぶりを強調した。
そして登場したのが、公道を走れるF1マシンたる「メルセデスAMGプロジェクトONE」。ヴィーゼ氏自ら「AMGの設立50周年を記念した車両です」と紹介した上で、モーターのみで走れるインテリジェントハイブリッドドライブの特徴や、駆動方式が4WDであること、最高出力は1000ps以上で最高速度は350km/h以上であることなど、その優れたパフォーマンスをアピールした。