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【東京モーターショー2017】メルセデス・ベンツ、“世界初の公道走行用F1”「メルセデスAMG Project ONE」などアジア初公開
「第45回東京モーターショー2017」においてメルセデス・ベンツ日本は、「メルセデス・ベンツ/スマート プレスカンファレンス」を行なった。
東2ホール(EP01)のメルセデス・ベンツブースで最初に登場したのは、メルセデス・ベンツ日本 代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏だ。上野氏は冒頭に2年前のプレスカンファレンスで自動運転のコンセプトモデル「F015」などを発表したことに触れた。そこで「これらのクルマを発表した際には、自動運転はまだ先のことと思っていましたが、この2年の間に目覚ましい早さで開発が進み、より完全自動運転に近づいております。メルセデス・ベンツ日本では現在、クルマに搭載されている最先端のテクノロジーをより多くの方に知っていただくための活動も大きく注力しています」と話した。
次に「全国にさまざまな新しい形態の販売店も次々と開設しております。本年1月に世界初のメルセデスAMG専売拠点『AMG 東京世田谷』を、そして6月には京都に日本初のスマート専売拠点『smart center 京都, the garden』をオープンしました。こうしてメルセデスAMGとスマートにも注力したことにより、それぞれのブランドでも販売が好調に推移しております」と日本での販売活動の好調さをアピールした。
そしてステージに登場する人物を紹介した。「本日、メルセデスAMGからはエバ・ヴィーゼ、スマート部門からはトップのDr.アネット・ウィンクラーが来日しています。そしてメルセデス・ベンツの営業を統括しているブリッター・ゼーガーです」と語り、ブリッター・ゼーガー氏と交代した。
ゼーガー氏はセールスの話題から始めた。「東京では2020年の世界最大のスポーツイベントに向けて準備が着々と進んでいると感じ取ることができます。そしてメルセデス・ベンツも設立以来のベストな状況です。今年初頭にすでに170万台以上を世界中のお客さまに届けました。これは前年比で11.7%の増大です。そして今年の9月、55カ月連続で記録を更新しました。これには日本のディーラーが重要な役割を果たしています。日本では2013年から4年連続で過去最高を記録しています。今年も9月末までの日本国内累計販売台数が5万台以上と同期間として過去最高になっています」と、日本でのセールスがとくに好調であることを話した。
続けて「日本国内では、我がメルセデス・ベンツがプレミアムブランドとして最も成功を収めている次第ですが、将来的にも多くの分野で優位性を確立することを真剣に目指しています。このなかにはEV車や燃料電池車、プラグインハイブリッド、さらにはF1技術を用いたクルマも含まれます。その将来に備えるためのプログラムが『CASE』です。これは『コネクティビティ』の『C』、『オートノマスドライビング』の『A』、『シェアドモビリティ』の『S』、『エレクトリティケーション』の『E』を並べたものです」と語った。
次は燃料電池車についての話題だ。「さて、今メディアの注目を集めているのはEモビリティですが、これは当然私たちも注目しています。そこで電動モビリティのためのブランドも作りました。それが『EQ』です。このEQとは『電気知能』という意味で、これは私たちがお客さまのニーズを完璧に満たす電動化を計画しているということでもあります」語った。
そのあとでステージ上でベールを被っていた燃料電池ハイブリッド「GLC F-CELL」がアンベールされた。このクルマについてゼーガー氏は、「GLC F-CELLは水素だけで400km以上の航続距離があり、バッテリーのみでも50kmの航続距離があります。つまり東京から三重県の鈴鹿までノンストップで走りきれるのです」と航続距離が長いことをアピールした。ただし、このクルマはショーカーであって現在販売の予定はない。
続いてゼーガー氏は、「私たちのEQに対するアプローチにはすべてのセグメントで電気自動車を導入することが含まれています。2020年までに10以上の純電気自動車の発売を予定しています」と語ったあと、ステージにはアジア初公開となる「Concept EQ A」が自走して登場した。このクルマはコンパクトカーにどれだけの魅力を詰め込めるかを示したモデルとのこと。バッテリはユーザーが希望する出力レンジや航続距離を選ぶことができる。モーターは各アクスルに1つずつ搭載している。
次にステージに登場したのは独ダイムラーのスマート責任者であるアネット・ウィングラー氏だ。ウィングラー氏は「東京に来ることはいつもうれしく思います。東京はスマートがしっくりと合う、未来の巨大都市の青写真です。本日は私どもが持っている都市モビリティの未来についてのビジョンをお話しします」。
「さて、皆さまもご承知のように未来を考えることがスマートの本質なのです。これまでも多くの面でパイオニアになってきました。真のシティカーを作り、カーシェアリングも行ない、電気自動車もリードしてまいりました」と語るとともに、「スマートの未来はもちろん電気です。スマートの開発チームは2030年にある完璧なシティカーはどんなモノなのかを考え始めました。それが『smart vision EQ fortwo』です。これが私たちの未来のアーバンモビリティのビジョンです」と語ると、ステージにあった2台目のクルマがアンベールされ、smart vision EQ fortwoが登場した。
ウィングラー氏は「では、このクルマがシティライフをどのように快適にしていくか見ていきましょう。まず、このクルマは完全な自動運転車です。ステアリングもペダルもありません。そして自動運転車としての特徴を活かし、カーシェアリングに力を入れていて、街や道路と情報のやり取りを行なうことで、クルマ自体がいつどこに移動のニーズがあるかを把握することができます。だからスマートは必要なときにそこにいてくれます。こうすることで1台のクルマでも現在の2倍の人を運ぶことができますので、東京のような大都市にはとても大きな効果をもたらします」とのこと。
3人目に登壇したのはメルセデスAMG 商品マーケティング統括のエバ・ヴィーゼ氏だ。ヴィーゼ氏は「2016年は世界中のお客さまに約10万台をお届けいたしました。前年比では44%の増大です。そして今年はすでに10万台をはるかに上まわる見通しです。これはAMG史上初めてのことです。とくに日本では目覚ましい成長を見せ、メルセデスAMGは日本に来ているパフォーマンスブランドのなかでナンバーワンであることは明確であります」と話を切り出した。
そして「メルセデスAMGは今年で設立50周年となります。そこで皆さまに50周年を記念するパーフェクトなクルマを紹介します」と言い、ステージにメルセデスAMG Project ONEが現われた。
メルセデスAMG Project ONEが登場したあと、ヴィーゼ氏は音について会場に問いかけた。「世界初の公道走行用フォーミュラ1です。しかし、いかに静かに登場したか気がつきましたでしょうか。これはインテリジェントハイブリッドドライブという機能のおかげで、モーターのみの走行が可能なのです。とはいえ、3年連続F1チャンピオンを獲得した1.6リッターターボエンジンと同じ技術を使ったエンジンで、2つの電気モーターも積んでいます。また、駆動方式は4WDで、フロントの足まわりにはトルクベクタリングを行なうためのモーターが付いています。簡単に数値を紹介するとシステム出力は1000PS以上。ゼロから200km/hまで6秒以内で到達します。そしてトップスピードは350km/h以上です」とパフォーマンスを紹介した。