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メルセデス、435psを誇る「AMG 53シリーズ」の受注を開始
メルセデス・ベンツ日本は2018年9月6日、最高出力435psの新型直列6気筒ターボエンジンを搭載した新シリーズを、「Eクラス セダン/ステーションワゴン/クーペ/カブリオレ」と「CLS」に設定。同日、注文受け付けを開始した。
今回日本に導入された「メルセデスAMG 53シリーズ」は、今年のNAIAS(北米国際自動車ショー=通称デトロイトモーターショー)で発表されたばかりの新しい3リッター直6エンジンを搭載するラインナップだ。従来の「同43シリーズ」(3リッターV6)と「同63シリーズ」(4リッターV8)の間を埋めるシリーズとして開発された。53シリーズのパワーユニットのベースとされたのは約20年ぶりに復活したメルセデスの新世代直6。ちなみにこのベースエンジン、ひと足先に日本でも発売された「S450」に搭載済みだ。
社内で「M256」と呼ばれる、53シリーズのベースとなった直6ターボエンジンは、電動化を前提に開発。モジュール化も進んでおり、同じハイブリッドシステムを採用した直4エンジンや、排気量の異なる直6エンジンも容易に開発できるなど、拡張性の高さも注目のポイントだ。
そのスペックも申し分ない。「ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)」と48V電気システム、さらには電動スーパーチャージャーを組み合わせ、S450に68ps、20Nm上乗せした435psの最高出力と、520Nmの最大トルクを発生する。このプラス分が「AMG」を名乗る根拠である。同時にメルセデスAMGのエンジンとしては、初めてハイブリッドシステムを搭載したパワーユニットでもあることもセリングポイントとなる。
エンジンとトランスミッションの間に配置されたISGは、最高出力16kW、最大トルク250Nmを発生する48Vシステムの電気モーターで、その名称からもわかるように、オルタネーターとスターターの機能を兼ねている。さらにこのエンジンには電動スーパーチャージャーも組み込まれており、特に低速域でターボチャージャーを補完する働きを電動スーパーチャージャーが行うことによって、全域で俊敏なエンジンレスポンスが味わえるという。
シャシーでは、可変トルク配分を行う四輪駆動システム「AMG 4MATIC+」を採用。前後トルク配分は50:50から0:100の範囲で可変し、0:100の状態ではFRモデルのような走りが味わえるという。さらに「AMG RIDE CONTROL+」と呼ばれるエアサスペンションも搭載。シチュエーションを選ぶことなく、快適な乗り心地とスポーティーさを両立させたとメルセデスは説明する。
インテリアでは、Eクラスや「Sクラス」の63シリーズにも採用されている「AMGパフォーマンスステアリングホイール」が装備される。ステアリングから手を放さずに、ナビゲーション の操作や車両の設定などが行える、「タッチコントロールボタン」や、「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック(自動再発進機能付き)」のスイッチも備えられ、操作性や実用性を向上させている。
12.3インチのワイドディスプレイを採用したメーターでは、エンジンオイル温度やトランスミッションオイル温度、前後に加え横方向の加速度表示、エンジン出力やトルク表示、過給圧など、スポーツ走行を念頭に置いたAMG専用メニューも表示される。
ほかのメルセデスAMGモデルと同様に、自動で車線変更を行う(諸条件あり)アクティブレーンチェンジアシストや、衝突の危険を検知するとドライバーのステアリング操作をアシストし、危険回避後の車線復帰もサポートする「緊急回避補助システム」などを搭載するメルセデス自慢の運転支援システム「インテリジェントドライブ」も標準装備。「レーダーセーフティパッケージ」も最新バージョンが採用されている。
メルセデスAMG 53シリーズのラインナップと価格は以下の通り。
・E53 4MATIC+:1202万円
・E53 4MATIC+ステーションワゴン:1239万円
・E53 4MATIC+クーペ:1213万円
・E53 4MATIC+カブリオレ:1268万円
・CLS53 4MATIC+:1274万円