プレゼンテーション「メルセデス・ベンツ Aクラス 発表会」

メルセデス・ベンツ日本株式会社 / 技術

メルセデス・ベンツ Aクラス 発表会

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【日本上陸】話しかければ応えてくれる、新型「Aクラス」発売!

メルセデス・ベンツ日本は、コンパクトクラス「新型Aクラス」の日本導入を発表した。特に新型となった今作のハイライトは、刷新されたデザインもさることながら、対話型のインフォテインメントシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー エクスペリエンス)」を筆頭に、上級クラスに搭載され好評を得ていた部分自動運転を可能とする最新の安全運転支援システムを採用するなど、コンパクトクラスとしては極めて先進的なテクノロジーをもってアピールする。

このMBUXとは、メルセデス・ベンツとしては初搭載となる対話型インフォテイメントシステムだ。

「ハイ、メルセデス」

そう話しかけると起動し、目的地入力や電話、音楽の選択、メッセージの入力及び読み上げ、気象情報などのほか、クライメイトコントロール、エアコン、照明など様々な便利機能に対応する。もちろん、これはAI=人工知能によるもので、学習機能をもつうえ、特定のユーザーに適応する個別対応能力を備えているどころか、遠まわしな表現にも応えるというから驚く。

一例を挙げると、「温度24度」と言わずとも「暑い」のひと言で対応。しかも、新しい流行語や時代による言葉の用法の変化にも応じるだけに、これまでにあった定型文語を強要されることがなくなった。さらにこのシステムは、車両コンピューターとクラウドの双方でデータを評価し判断することを基本としているが、例えインターネットに接続できない状況でも応答するというから気が利く。

エクステリアは、これまでのAクラスのイメージを受け継ぎながらも、スポーティでエモーショナルなデザインになった。もちろん、これには明確な狙いがあるのも事実で、コンピューターによる気流シュミレーションや風洞実験を行い徹底的に行い全体を見直すことを実施。その結果、空力はセグメントトップのCd値0.25を実現したという。ボンネットを極力低く設定し、先代よりもホイールベースを伸ばしたうえ、ホイールスポイラーを設け、ホイール周りの気流の損失を抑えることまで行っている。さらに高周波のウインドウノイズ対策としてドアミラーの形状や設置位置などを見直すなど、2ボックススタイルのモデルとしては、異例なほどのこだわりを見せている。

インテリアでもっとも目を引くのは、インストゥルメントクラスター上方のカウルを廃止したことだろう。これによりダッシュボードが左右途切れることなく続くため視覚的にコンパクトクラスとは思えないほど広く感じられる。アンビエントライトも全64色と先代比で5倍、さらに10種類の色彩世界を設定できるため、ライティングによる演出は多彩。もちろん室内は広大になり、ショルダー、エルボー、ヘッドルームは拡大され、後席への乗降性も向上している。また、ラゲッジスペースも370リットルと先代より29リットルほど拡大されているほか、スマートフォンのコネクティビティ関連機能も拡張されたうえ、携帯電話を無線充電するワイヤレスチャージング機能(Qi規格対応機種のみ)を前席に標準装備するなど、充実した機能性を実現している。

そして、今やメルセデスの得意分野ともいえるインテリジェントドライブは好評を得ているSクラスと同等のシステムをオプションとはいえ用意していることも注目だ。ACCやレーンキープはもちろん、アクティブレーンチェンジングアシストを搭載。ACCはシステム起動時に停止して高速道路で30秒以内、一般道では3秒以内であれば自動再発進し、アクティブレーンチェンジは車線変更したいときウインカーを点滅させれば、車両がいないことを確認したうえで自動的に実行に移す。しかも走行中にドライバーが気を失うなど、万が一のときは、車両が検知して車線を維持しながら減速及び停止するアクティブエマージェンシーストップアシストまで搭載している。

ラインナップは、今のところ「A180」と「A180 Style」の2グレードが基本。搭載するエンジン(M282型)は、1.33リッター、オールアルミ製の直列4気筒直噴ターボで、超小型かつ軽量が特徴で先代の1.6リッターよりも14ps向上の最高出力136ps、最大トルクは200Nmを発揮。軽量化を実現するためにインテークマニホールドとエキゾーストマニホールドをほぼ一体化したうえ、最大圧力250barの高圧インジェクションポンプを省スペースで配置する技術を開発し特許まで取得している。

シャシーは上質な乗り心地を実現するために、防振対策と空気音響面を強化。ボディシェルそのものも含めて振動の少ない静かな走行フィールを実現できたと胸を張る。剛性の強化を図ると同時に、ボディやサスペンション、パワートレイン間の接続部を重視し、各部の振動入力点の剛性を改善することで、室内に進入するノイズは大幅に低減できたという。

サスペンションは、フロントにマクファーソン式、リヤはトーションビーム式を採用しているが、同時に発表された発売記念限定車の「A180 Edition 1」のリヤサスペンションに関しては、マルチリンク式を与えているというから特別だ。買い得感も高い。

プレミアムコンパクトとはいえ、Aクラスにまで最新の先進技術を採用してくるとは、さすがはメルセデス。自動車としての基本性能の高さは言うまでもないが、自動車とコミュニケーションをとるように対話するシステムを末っ子から搭載してくるのだから企業としての余裕が見える。時代をリードするその姿勢には脱帽だ。それでいてこの価格とは、恐れ入る。