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「メルセデス・ベンツGLEクラス」が4世代目に進化。室内スペースが大幅に拡大
プレミアムSUVのパイオニアとしてさらなる進化
メルセデス・ベンツ日本は、 新型「GLE」を発表し、注文受付をスタートした。カスタマーへのデリバリーは「GLE 450 4MATIC スポーツ(ISG搭載モデル)」が6月19日から、「GLE 400 d 4MATIC スポーツ」は8月以降、「GLE 300 d 4MATIC」は11月以降を予定している。
「GLE」は、その前身のMクラスが1998年に誕生して以降、メルセデス・ベンツSUVの中核モデルとして進化を遂げてきた。SUVらしい力強さとスポーティネスを表現したエクステリアデザイン、上質感溢れる内装、オンロード、オフロードともに優れた走行性能を備え、プレミアムSUVというカテゴリーを創出している。2015年10月には名称を現在の「GLE」に改め、EクラスファミリーのSUVとしての位置づけを強化している。
4世代目となる新型GLEは、プレミアムSUVとしての特性はそのままに内外装デザインを一新。最新技術と装備を搭載して生まれ変わった。オンロードでは高いアジリティを、オフロードでは卓越した走破性を実現。室内スペースが大幅に拡大し、GLEとして初めて3列目シートを設定し乗車定員が7名となったほか、新型Aクラスで導入したインフォテインメントシステムMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)など最新の安全運転支援システムを備えている。
ラインナップは、GLEとしては初の4気筒クリーンディーゼルエンジンを搭載した「GLE 300 d 4MATIC」、静かでスムーズな直列6気筒クリーンディーゼルエンジン搭載の「GLE 400 d 4MATIC スポーツ」、直列6気筒ガソリンエンジンとISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を搭載した「GLE 450 4MATIC スポーツ」の3車種が日本に導入される。
「官能的純粋、Sensual Purity」を具現化したエクステリア
エクステリアは、メルセデス・ベンツのデザイン思想“Sensual Purity(官能的純粋)”を具現化し、現代的ラグジュアリーを表現した。感性と知性が調和した力強い存在感がその特徴で、細かなエッジやラインを減らして面を強調するなど、本質的に重要なものだけを残す質実剛健なデザインとなっている。また、長いホイールベースと短いオーバーハング、ボディ幅いっぱいまで張り出した大径ホイールを備え、GLEの快適な室内空間と走破性の高さを明示した。
フロントは、クローム仕上げのアンダーガードと2本のパワードームを備えたボンネットがSUVとしての存在感とパワーを表現。「GLE 300 d 4MATIC」の標準モデルでは、ラジエーターグリル内に特徴的なツインルーバーデザインが装備されSUVらしさを強調する。
一方、AMGライン仕様と「GLE 400 d 4MATIC スポーツ」「GLE 450 4MATIC スポーツ(ISG搭載モデル)」は、ダイヤモンドグリルとシングルルーバー、バンパー下部左右に配置された2本のフィンなど、スポーティさを強調するデザイン。マルチビームLEDヘッドライト(ウルトラハイビーム付)は片側84個のLEDを備え、2本のLEDポジショニングライトが印象的なデザインとなっている。
サイドビューは、Mクラス時代から変わらず力強いCピラーと、特徴的なリヤクォーターのガラスエリアのデザインが健在。「GLE 300 d 4MATIC」の標準モデルでは、ホイールアーチの太いライナーが印象的で、ルーフレールとともに堅牢なSUVとしての性格を際立たせている。
リヤエンドも、アスレチックなフォルムが印象的。特にCピラーから新デザインの2分割リヤコンビネーションランプにかけては、肩の筋肉を思わせる逞しいラインを描いている。リヤコンビネーションランプは、リフレクターが下部に移動したことでいっそうスリムなデザインとなり、ボディのワイドな印象を引き立たせている。
新型GLEのエアロダイナミクスは先代モデルより大幅に改善。このセグメントトップのCd値0.29を発揮する。今回の空力対策としては、空力特性を最適化したモールディングを備えるエアカーテン(前輪)、最適化された形状のドアミラー、サイドスポイラー(テールゲート上、Dピラーシール付)を設置。大面積のアンダーボディパネルとプロペラシャフトトンネルのパネル、アンダーボディと同一面にそろえた燃料タンクカバー、リヤアクスルのエアロダイナミックカバー、空力特性を最適化したディフューザーなどが挙げられる。
GLEとして初めて3列目シートを設定
インテリアはラグジュアリーでエレガントなデザインとMBUXの高度なデジタル技術が特徴。ダッシュボードには、2画面の12.3インチワイドディスプレイを1枚のガラスカバーで融合したコックピットディスプレイが装備され、ドアパネルまで流れるような先進的なデザインを描いている。
インテリアトリムも同様に、一方のフロントドアから反対側のフロントドアまで続く水平ラインがアクセントになっている。センターコンソールには、SUV特有の装備として大きなグラブハンドルを左右に設置。水平に並んだ四角いエアベントは、標準モデルのフロントグリルに採用されているルーバーのデザインがモチーフ。メルセデス・ベンツのSUVのエッセンスを表現した。
滑らかなレザーやトリムには上質感が溢れ、デザインを一新したスイッチ類は金属の質感を備える。また、前席にシートベンチレーターと温冷機能付きカップホルダーを採用し、長距離移動などでの快適性をさらに高めている。
新型GLEは、ホイールベースが大きく延長(先代モデル比80mm)され、居住性と積載性が向上。Aピラーが先代より直立方向に起こされたため、乗降性も改善された。2列目はこのセグメントのSUVとしては世界初となる6ウェイフルパワーシートを全モデルに標準装備。レッグルームは先代比69mm増の1045mmとなった。左右のシートが約100mmの範囲で、それぞれ前後電動でスライド可能となっている。
40:20:40分割可倒式バックレストは電動角度調整式、左右ヘッドレストの高さは電動調整式。全モデル標準装備の3列目シート(2人掛け)は可倒式で、フレキシブルなシートアレンジが可能だ。
3列目シート使用時のラゲッジルームスペースは160リットル。2、3列目シートを倒すことで最大2055リットルまで拡大する。また、トランクスルーで積み込める横幅が72mm拡大されたことで、長尺物もより簡単に積載できるようになった。AIRMATICサスペンション装備の場合は、スイッチ操作によりリヤの車高が約40mm下がり、よりスムーズな荷物の積み下ろしが可能となっている。
自然対話式音声認識機能を備えた「MBUX」
インフォテインメントシステムは、12.3インチの大型ワイドスクリーン2画面を標準装備。表示モードは、クラシック/スポーツ/プログレッシブ/ジェントルの4種類から好みに応じて選ぶことが可能だ。
マルチメディアシステムは、メルセデス・ベンツAクラスに続き新型の自然対話式音声認識機能を備えた、対話型インフォテインメントシステムMBUXを搭載した。その最大の特徴のひとつは人工知能による学習機能で、特定のユーザーに適応する個別対応能力を備えている。
ボイスコントロールは「Hi(ハイ)、Mercedes(メルセデス)」をキーワードとして起動。音声認識機能は多くのインフォテインメント機能(目的地入力/電話通話/音楽選択/メッセージ入力・読み上げ/気象情報)に加えて、クライメートコントロール、各種ヒーター、照明など多様な便利機能にも対応している。
今回、テレマティクスサービス“Mercedes me connect”を標準設定。自動車が通信することで利便性を向上する先進的なテレマティクスサービス、Mercedes me connectは、24時間緊急通報サービスなどを最長10年間無償で提供する“安心安全サービス”、Send2Carなどを3年間無償で提供する“快適サービス”、 メルセデス・ベンツ24時間コンシェルジュサービスを1年間無償で提供する“おもてなしサービス”の3つのサービスカテゴリーから構成されている。
Sクラスと同等の、最新世代の運転支援システムを全モデルで標準装備。国内初導入となる機能強化としては、アクティブブレーキアシスト(歩行者/飛び出し/右折時対向車検知機能付)」が、対向車線を横切って右折しようとするときに、対向車線を直進してくるクルマと衝突する危険がある場合、車速10km/h以内であれば自動ブレーキが作動するように設定。対向車の検知はフロントの長距離レーダーセンサーとステレオマルチパーパスカメラを使って行われる。
2.0リッターと3リッター、2種類のディーゼル
「GLE 300 d 4MATIC 」には、出力を一層高めた2.0リッター直列4気筒クリーンディーゼルエンジンOM654を搭載。最高出力245ps(180kW)、最大トルク500Nmを発生する。 振動、騒音も低減されており、快適なドライブを実現した。また、シリンダーブロックとピストンに熱膨張率の異なる素材の採用や、メルセデス・ベンツが開発した表面コーティング“NANOSLIDE”を導入することで、摩擦を低減し効率性が向上している。
さらに、排出ガス浄化経路の短縮やsDPF(DPF with SCR Coating:選択触媒還元法コーティング付粒子状物質除去フィルター)を採用。排気の浄化にも注力して開発され、欧州において導入されているRDE(実路走行試験)規制に適合したエンジンとなった。
一方、「GLE 400 d 4MATIC スポーツ」には、最高出力330ps(243kW)&最大トルク700Nmと、メルセデス・ベンツの乗用車中で最高水準の出力を誇る3リッター直列6気筒クリーンディーゼルエンジンOM656を搭載する。2ステージターボチャージャーを使用し、小さいタービンにはさらに可変タービンジオメトリーを採用。低回転域から高回転域まで全域でトルクフルな加速を可能にしている。効率性や環境性能の追求はもちろんのこと、低振動で高い静粛性を実現した。
3リッター直6ガソリンにISGの組み合わせ
「GLE 450 4MATIC スポーツ」のパワートレインは、コンパクトな3リッター直列6気筒ガソリンエンジンM256とともに、ISGや48V(ボルト)電気システムなどの新技術を搭載することで、効率性、快適性、高性能化を同時に実現した。
エンジン単体で最高出力367ps(270kW)&最大トルク500Nmを発生し、さらにエンジンとトランスミッションの間に配置された最高出力16kW&最大トルク250Nmを発生する電気モーター(ISG)と、48V電気システムによって回生ブレーキでの発電を行い、容量約1kWhのリチウムイオンバッテリーに充電する。
エンジンが低回転時には、その電力を利用して動力補助を行うことで、高い効率性と力強い加速を実現した。スターターが従来より高出力な電気モーターとなることで、エンジン始動時の振動を抑え、エンジンスタートおよびアイドリングストップの際の再スタートの快適性も向上している。
全モデルで9G-TRONICオートマチックトランスミッションを採用。 1速から9速までの変速比幅が広いことから、エンジン回転数が大幅に低減され、優れたエネルギー効率と快適性を実現した。
「GLE 300 d 4MATIC」には、前後50:50の固定トルク配分となる4MATICを、「GLE 400 d 4MATIC スポーツ」と「GLE 450 4MATIC スポーツ」には前後100-0%~0-100%の連続可変のトルク配分を行うことで、オンロードとオフロードの性能をさらに高いレベルで両立させた新開発の4MATICを採用している。