プレゼンテーション「メルセデス・ベンツEQC プレス発表会」

メルセデス・ベンツ日本株式会社 / 技術

メルセデス・ベンツEQC プレス発表会

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航続距離400kmを誇るメルセデス初のフルEV「EQC」、オンラインストアで先行販売を開始

日本に初めて導入されるメルセデス製電気自動車

メルセデス・ベンツ日本が、電気自動車「EQC」を発表した。特別仕様車「EQC Edition 1886」を先行導入し、Mercedes-Benz Online Store(メルセデス・ベンツ オンラインストア)で 7月18日午前11時から先着順でのウェブ商談予約をスタートする。 カスタマーへの納車は「EQC Edition 1886」が今年の10月以降、カタログモデルの「EQC 400 4MATIC」は2020年春を予定している。

「EQC」は日本におけるメルセデス・ベンツ初の電気自動車。電気自動車専用の先進的なデザインを採用した初のモデルとなり、そのエッセンスは今後登場する電気自動車にも採用される予定となっている。また、電気自動車でありながら、これまでのメルセデスの特徴である安全性、操縦安定性、快適性、利便性、品質などを高いレベルで実現した。

「EQC」に搭載されているリチウムイオンバッテリーは、ドイツ国内のザクセン州カメンツにあるダイムラー社の100%子会社ドイチェ・アキュモーティブ社によって生産。リヤアクスルとフロントの駆動モジュールの生産は、パワートレイン生産を行うハンブルク工場が担当している。組み立てはブレーメン工場でGLCなどと同じラインで生産されており、フレキシブルな生産体制が確立しているという。

最大出力408psを発揮する2基のモーターを搭載

「EQC」は前後アクスルにそれぞれ1基ずつモーターを搭載。2基のモーターの総合最大出力は408ps(300kW)、最大トルクは765Nmを発揮する。低中負荷領域では効率を高めるためフロントモーターのみで走行。走行状況に応じてリヤモーターを稼働し、その前後トルクを可変的に調整して4輪駆動の優れたドライビング特性が得られる。また、前後両方のモーターをオルタネーターとして使用することで、回生ブレーキによる減速効果も最大限に高めている。

高電圧バッテリーはリチウムイオンを採用し、前後アクスル間のフロア部に搭載。バッテリー容量は80kWh、航続距離は400kmを実現した。多様なドライブモードが適宜ドライバーをサポート。搭載されているドライブモードは以下のとおり。

コンフォート:デフォルトのモード、アクセルペダル特性は快適な運転スタイルをサポートし、運転の仕方によってはダイナミックな特性へと自動的に変更。エコ:効率重視で電力消費率を抑えるモード。スポーツ:最高のレスポンスによりスポーティな走行性能を実現することを重視したドライブモード。インディビジュアル:走行特性、サスペンション特性、ステアリング特性を個別に設定できるカスタマイズ可能なドライブモード。

バッテリーへのエネルギー回収量は、ステアリングホイール裏のパドルにより4段階の調整が可能。パドルは左側が回生レベルの上昇、右側が低減のスイッチとなっている。回生レベルを最高にすればアクセルのオン/オフで加減速を自在に操れる、ワンペダルドライブに近いフィーリングを得られる。

すべてがひとつの塊に溶け合ったようなフォルム

「EQC」のデザインは、メルセデス・ベンツの基本思想であるSensual Purity(官能的純粋)が徹底的に突き詰められた。シンプルかつシームレスで、全てがひとつの塊に溶け合ったようなフォルムを採用した一方、これまでにないデザインディテールや独特なカラーアクセントによって、先進的で独特なエクステリアを形作っている。

フロントで目を惹くのは大型のブラックパネル。その上端に光ファイバーのチューブを採用した、左右のマルチビームLEDヘッドライトを繋ぐデイタイムドライビングライトを搭載。「EQ」モデル独特の先進的なデザインを作り出している。サイドビューは、長く伸びたルーフラインとウインドウグラフィックがリヤに向かって緩やかに下降するデザイン。視覚的にSUVとSUVクーペの中間に位置する、クロスオーバーSUVであることを示している。

リヤビューは、低い位置に設けられたルーフスポイラーが優れたエアロダイナミクスを表現。ワイドさを強調する役割も果たしている。リヤバンパーとテールゲートはほぼ段差のないすっきりとしたデザイン。リヤコンビネーションランプは左右フェンダーからテールゲートまで繋がって上下にスリムなデザインとなり、内部にチューブ状のテールランプを配して近未来感とワイドさを表現した。

2基の10.25インチディスプレイを空中に浮くように配置

インテリアも上質でありながら先進的なEQモデル独特のデザインとなっている。ダッシュボードは中央部から運転席側までが、大きく切り取られたようなデザイン。その中に1枚のガラスカバーで融合された、ふたつの10.25インチディスプレイを空中に 浮かぶように配置している。

切り取られた部分の表面には高級オーディオアンプのヒートシンクを想起させるリブ付きエッジと、それを取り囲むようにアンビエントライトが配置された。エアコンディショナーのエアアウトレットはキーをかたどったローズゴールドのEQ専用デザインを採用。シートやインストゥルメントパネルのステッチにもローズゴールドを用いており、クールな印象のインテリアにアクセントを与えている。

バッテリーなどには厳格な安全基準を適用

「EQC」の安全基準は内燃機関車両と同じく、法的要件よりさらに厳格なメルセデス・ベンツの社内基準に沿っている。バッテリーなどの通電部品すべてについても、非常に厳格な安全基準を適用。例えば、フロントセクションの駆動コンポーネントは「EQC」専用の新たなサブフレームによって取り囲まれており、通常の内燃機関車両と同等レベルの衝突安全性能を実現している。

また、バッテリーは衝突安全構造を一体化した堅牢なフレームで囲まれており、このフレームとバッテリーの間に変形部材を配置。この結果、外部からの激しい衝撃があった場合にも一定の衝撃を吸収することで安全性を保っている。また、高電圧システムは事故の程度に応じて、適切に高電圧を遮断し感電の恐れがないように設計されている。

納車時に車載される専用の充電カードを使用することで、全国に約2万1000基ある提携充電ネットワークで「EQC」を充電可能。納車後にサービス登録を行ってから1年間は、月会費及び充電にかかる費用が無料となる。

新時代を記念した特別仕様車「EQC Edition 1886」

今回、「EQC」の発表を記念した特別仕様車「EQC Edition 1886」を日本限定55台で販売する。この名称はダイムラー社の創始者であるカール・ベンツとゴットリープ・ ダイムラーがそれぞれ別々にガソリン自動車を完成させた1886年に由来。ダイムラー社にとって電気自動車による新しい時代の幕開けを記念して名付けらた。

「EQC Edition 1886」は「EQC 400 4MATIC」をベースに特別なインテリアとエクステリアをまとった。エクステリアには、専用ブラックルーバーラジエーターグリル、専用サイドエンブレム、ホワイトのアクセントが印象的な専用20インチ10スポークアルミホイールが採用され、クリーンでシンプルなイメージを強調ししている。

インテリアにはシートの外周部にインディゴブルーのレザーARTICO(人工皮革)、内側のバックレスト部分に黒い起毛素材のDINAMICAのシートを採用。バックレストや専用のフロアマットには“1886”の刺繍が施された。またセンターコンソール中央部に位置するカップホルダーのフラップにも“1886”を示すバッジが装着され、シルバー基調の専用マトリックスインテリアトリムが近未来的な印象を強調している。

EVを初めて所有する人に向けたサポートを用意

先行導入される「EQC Edition 1886」は、7月18日午前11時からMercedes-Benz Online Storeにて先着順でウェブ商談予約をスタート。初めて電気自動車の所有を検討するカスタマーの不安を取り除くべく、以下のようなサポートプログラムが用意された。

“・リース契約満了時に残価の差額清算が不要なクローズエンドリースも用意。
・5年間・10万kmまでの一般保証と無償のメンテナンスプログラム「EQケア」を全車標準設定。
・高電圧バッテリーは8年または16万km以内でサービス工場の診断機により高電圧バッテリー残容量が70%に満たないと診断された場合の保証を付帯。
・全国約2万1000基での充電利用料・月額基本料を1年間無料。
・6.0kW(30A)対応の交流普通充電器本体を無償提供するほか、設置にかかる費用負担を軽減するため10万円のサポートを実施”

「EQC」のプレス発表会にはメルセデス・ベンツのブランドアンバサダーとしてジョッキーの武豊氏が登場。クルマと馬の共通点や自らのドライブ体験などを語り、新時代のメルセデスを象徴する「EQC」の発表会場に華を添えた。