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メルセデス・ベンツ CLAがフルモデルチェンジでMBUX搭載。AMG 35シリーズも登場
メルセデス・ベンツ日本は2019年8月27日、「CLA」および「CLAシューティングブレーク」のフルモデルチェンジを発表。新型CLAは、スタイリッシュな4ドアクーペというキャラクターを受け継ぎつつ、走行性能や安全性、インフォテインメント機能を大幅に改良した。価格は472万円から544万円。
同時に、メルセデスAMG「35シリーズ」の第1弾となる「メルセデスAMG A 35 4MATIC」も発表された。「35シリーズ」は、公道での気持ちのいい走りをターゲットに開発されたもので、従来の「45シリーズ」に比べて価格設定が抑えめなのもポイント。AMGモデルの裾野を広げる役割も与えられている。価格は628万円。”
“メルセデスのコンパクトモデルは、使いやすいサイズ、身近な価格設定、斬新なデザインによって、従来のメルセデスとはまた違った新しい魅力を身につけているのが特徴。2018年10月に登場した新型Aクラスからはメカニズムの基本となるプラットフォームを新世代の「MFA2」へ刷新し、クルマとしての仕上がりも一段とレベルアップしている。「Hi,メルセデス」と話しかけることで各種機能を操作できる対話型インターフェイス「MBUX」を採用したのもここから。
メルセデスは、この新生コンパクトクラスをAクラス以降、Bクラス(2019年6月)、Aクラスセダン(2019年7月)と立て続けに登場させており、そこへさらに従来から人気のあったCLAクラスが追加されたことになる。
プレゼンテーションを行ったメルセデス・ベンツ日本株式会社代表取締役社長の上野金太郎氏によれば、「新しいコンセプトとなったコンパクトカーは、MBUXを標準搭載し、Sクラスと同等の安全システムを搭載し、高い走行性能と豊富なバリエーションという戦略を展開することで、お客様の多様なニーズにフィットするモデルを提供することが可能となっています。新型Aクラスはすでに8000台を販売し、多くのユーザーに選んでいただいています」と挨拶。CLAはそんなコンパクトカー群のなかでももっとも個性の強い「尖ったモデル」であると紹介した。”
“CLAクラス最大の魅力はスタイリング。Aクラスセダンがオーセンティックなセダンスタイルを採用しているのに対して、よりデザイン性と走りを重視した個性派という立ち位置になる。
メルセデスにおける最新のデザイン言語「センシュアルピュアリティ(官能的純粋)」を採用した造形は、プレスラインを最小限に抑え、プロポーションそのものの美しさで訴えかける。CLAならではの特徴としては、ワイド感を強調するヘッドライト・テールライト、ノーズを低く構えたフロントマスク、なだらかに落ちるルーフライン、そしてボディサイドからなめらかにまわり込むテールまわりに見ることができる。サッシレスのドアもメルセデスのクーペモデルに共通するアイコンだ。こうしたなめらかなスタイルだけに、空気抵抗を表すCd値も0.23(欧州参考値)とクラストップレベルだ。タイヤのトレッドもコンパクトクラスではもっとも大きく設定されており、低く、ワイドに構えたスタンスを特徴とする。
ボディサイズは全長4695×全幅1830×全高1439mm(CLA 200 d AMGライン装着車:欧州参考値)と先代モデルに対して全長25×全幅50×全高9mmそれぞれ拡大。その恩恵を受けたのがインテリア空間で、前席の室内幅は35mm、後席で44mm、ヘッドルームを前席で17mm拡大している。”
また、ルーフラインをリヤエンドまで伸ばすことで使い勝手を高めた「CLAシューティングブレーク」も同時に登場。こちらのCd値も0.26(欧州参考値)と優秀だ。リヤバンパー下側に足を近づけることでテールゲートが開閉する機能も全車標準装備。クーペ、シューティングブレークともに、パッケージオプションとしてスポーティな仕立てのAMGラインが選択可能となっている。
“インテリアの造形は新世代コンパクトに共通するテイストで、メーターとセンターモニターを一体化させたインフォテインメント系も共通。音声認識による入力に対応した「MBUX」世代を採用している。このMBUXは、音声認識、ステアリングのスイッチ、センターコンソールのタッチパッド、そして液晶へのタッチ操作という4通りの操作方法を採用しており、ユーザー自身が使いやすい方法を選べるように配慮されているのも特徴的。走行中など、手をハンドルから離したくないときは音声で操作といったように、シチュエーションによって使いやすく安全な方法で操作できる仕組みだ。また、Qi規格対応のワイヤレスチャージング機能も標準装備となる。ナビゲーションはオプションの「ナビゲーションパッケージ」として用意。オンライン地図更新なども行える。
また、先進安全装備についてもパッケージオプションとなる「レーダーセーフティパッケージ」、「アドバンスドパッケージ」という形で提供。これらを搭載することで、Sクラス同等の機能にまで引き上げることが可能だ。”
“パワートレインは2種類で、クーペとシューティングブレーク共通。「200 d」は、最高出力150馬力の2L直4ディーゼルターボと8G-DCT(8速デュアルクラッチトランスミッション)で前輪駆動。もう一方の「250 4MATIC」は、最高出力224馬力の2L直4ターボと7G-DCT(7速デュアルクラッチトランスミッション)で四輪駆動という組み合わせになる。
メルセデス・ベンツ CLA 250 4MATIC AMGライン(8速DCT)※諸元は欧州参考値”
続いてメルセデスAMGのニューモデル「A 35 4MATIC」を紹介しよう。メルセデスAMGには、搭載するパワートレーンによってさまざまなシリーズを構成しているが、今回登場した「35シリーズ」は最新にしてもっとも身近なAMGモデルという位置付け。コンパクトクラスのために開発されたシリーズで、高出力エンジンとスポーティな四輪駆動システム、そしてシャシーとサスペンションの強化が主なメニュー。ストリートをターゲットに爽快な走りを提供するコンセプトだ。
“従来よりも価格設定を引き下げたといいつつも、AMGモデルを名乗るだけあって中身にはしっかり手が入っている。
エンジンは2L直4ターボの「M260」型を搭載。最高出力は306馬力で、最大トルクは40.8kgm。ツインスクロールタイプのターボや可変バルブリフトシステム「CAMTRONIC」によって低回転での良好なレスポンスと中域での伸びやかな加速を両立させたという。トランスミッションもAMGによるチューニングの入った「AMGスピードシフト7G-DCT」。エキゾーストシステムには、ドライブモードによって排気音をコントロールするバルブシステムが組み込まれている。”
“シャシーにはフロントセクションの剛性を高める補強材を追加。リヤサスペンションの一部パーツも「A 45 4MATIC」と共通化。ブレーキシステムも「A 45 4MATIC」と同じで、フロントはモノブロック対向4ピストンキャリパーに350mmディスクの組み合わせ。リヤはフローティング構造の1ピストンキャリパーと330mmディスクと豪華だ。
注目は四輪駆動システム。前後100対0から50対50までの範囲でトルク配分を連続可変制御するタイプで、5つのドライブモードと連携。多板クラッチに電気制御タイプを採用することで、作動のレスポンスに優れ、シャープなドライビングダイナミクスを得られることができたという。
メルセデスAMG A 35 4MATIC(7速DCT)※諸元は欧州参考値”