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AMGの新型GT 4ドアクーペ発表会レポート! 実車写真も紹介!
AMGファミリーに新たなるモデルが加わった。AMGにとって独自開発モデルの第3弾となるAMG GT 4ドアクーペは、ニュルブルクリンク北コースで量産4ドアモデル最速となる7分25秒41という記録を打ち立てる走行性能を備えながらも、デイリーユースでの快適性を兼ね備えた贅沢なスポーツカー。価格1176万円から2353万円。同時に日本導入を記念して、内外装に磨きをかけた期間限定モデルの「メルセデス AMG GT 63 S 4MATIC+ Edition 1」2477万円も発表された。”
発表会が行われたのは、世界初のAMG専売拠点であるAMG世田谷。冒頭挨拶に登壇したメルセデス・ベンツ日本株式会社代表取締役社長の上野金太郎氏は、日本におけるメルセデスAMGの販売実績が2018年は対前年比6.3%増の7606台となり、日本が世界第4位のマーケットに位置することを紹介。さらに、F1における5年連続でのコンストラクターズ チャンピオン、日本のスーパーGT GT300クラスでの年間チーム王者、30周年となったDTMでのダブルタイトル獲得といった実績を紹介。モータースポーツにおいて技術の優秀性を証明するという、AMGの信念が実現していることをアピールした。
“メルセデスは、2019年にブランド全体で10車種以上のニューモデルを投入すると公表しているが、その第1弾となるのが、今回発表されたAMGファミリーとして初めての4ドアモデルとなるメルセデス AMG GT 4ドアクーペ。名称こそGTのバリエーションモデルのように聞こえるかもしれないが、実際にはまったくのオリジナルデザインで、ベースになるメルセデスモデルはもちろん存在しない。
GTとのつながりを強く感じさせる力強いフロントマスク、高出力エンジンの搭載を予感させるパワードームといったAMGらしいディテールをちりばめながらも、伸びやかなルーフラインによって後席と積載性を確保するパッケージングを実現している。最高速度315km/hという超高速性能を実現させながらも、スタイリングにエレガントさをもたらせるべく、最新の空気力学設計による可変デバイスも採用。リヤのスポイラーは車速に合わせて自動的に角度を調整。コーナリング時にはウイング角を立てることで、安定したハンドリングを実現したという。”
“インテリアのハイライトは、最大で5人の乗車定員。つまり、3人がけのリヤシートの存在だ。メルセデスによれば、後席には大人が十分くつろぐことのできる空間を確保しつつ、ラゲッジルーム容量として461L(GT 43およびGT 53は456L)から最大で1324Lまで展開可能とのこと。
V型エンジンから着想されたというセンターコンソールの造形が目を引くインテリアは、ラグジュアリーさをベースにハイパフォーマンスを予感させる仕上がり。新デザインのステアリングホイールには、手を離すことなく各種モードを切り替えるための「AMGドライブコントロールスイッチ」を装備。2枚の12.3インチワイドディスプレイをつぎめのないガラスカバーで一体化させたコックピットディスプレなど、基本的な構成は最新のメルセデス車に共通するもので、安全装備についてもSクラスと同等レベルの内容を採用している。”
“プレゼンテーションを行ったのは、メルセデスAMG本社でGT 4ドアクーペの商品企画を担当したサイモン・トマス氏。高性能と実用性の両立を実現するための数多くのデバイスについて解説を行いながら、その魅力について次のように語った。
「GT 4ドアクーペは、私たちにとって初めての領域への挑戦挑戦でした。比類なきパフォーマンスを備えた真のスポーツカーであり、同時に日常での利用や家族の休暇にも適応します。このクルマはすべてを備えたモデルであり、スポーツカーマーケットを席巻するレベルにあると確信しています」。”
“搭載されるパワートレインは2種類。「GT 63 S」には、「M177」型4L V8ツインターボエンジンを搭載。最高出力は639馬力で最大トルクは91.8kgmというハイスペック。2つのツインスクロール式のタービンをVバンクの谷間に配置するレイアウトにより、エンジンユニットのコンパクト化と良好な加給レスポンスの双方をねらった設計。そのほか、クローズドデッキタイプのクランクケースや鍛造ピストン、摩擦低減加工を施したシリンダー内壁など、モータースポーツの血筋を感じさせる強心臓に仕上げられている。
一方、「GT 43」および「GT 53」には最新テクノロジーで生まれ変わった直6ユニット「M256」型を採用している。3L直6エンジンにターボと電動スーパーチャージャー、そしてモーター機能を持つ「ISG」を組み合わせたハイテクユニットで、「GT 43」は367馬力、「GT 53」は435馬力の最高出力を発揮する。
組み合わせられるトランスミッションはいずれも9速DCTの「AMGスピードシフトMCT」。通常のトルクコンバータではなく、エンジンの力を無駄なく伝達するマルチ・クラッチ方式となる。こうして取り出された駆動トルクは、スポーツ車向けに作られた四輪駆動システム「AMG 4MATIC+」によって、シチュエーションに応じて前輪と後輪に50対50から0対100の範囲で分配される。さらにリヤアクスルの「電子制御式AMGリミテッド・スリップ・デフ」が、最適なトラクション性能と安定性に寄与するという。”
ハイテクづくしのGT 4ドアクーペだが、シリーズ最上級である「GT 63 S」にはさらに後輪操舵技術である「AMGリヤ・アクスルステアリング」を採用。このシステムは、時速100km以下では小まわり性能を高め、100km/h以上となると車体を安定させる効果がある。
このように、通常ならば両立することはなし得ない、レーストラックでのリアルなパフォーマンスと日常でのラグジュアリー性能をAMGの技術力で両立させたというGT 4クーペ。市販車、モータースポーツともに絶好調のAMGブランドを象徴する魅惑のニューモデルだ。