ボルボ、セダンユーザーが求める価値に応えた新型「S60」発表会 | 「記者発表×メディア掲載記事」比較サイト

「スタイリング」「使い勝手」「SUVにない楽しさ」に応えるミッドサイズスポーツセダン

2019年11月5日発売
S60：489万円～779万円
S60 T8 Polestar Engineered：919万円

　11月5日、ボルボ・カー・ジャパンからミッドサイズセダンの「S60」が発表された。事前に試乗会が行なわれたので、実際の印象や詳細はそちらをご覧いただくこととして、こちらは当日の発表会の内容を中心にお届けする。

セダンの3つの価値

　都内ホテルで開催された発表会会場には全エンジンラインナップと13色中7色のボディカラーが揃えられた。

　冒頭ボルボ・カー・ジャパン代表取締役社長の木村隆之氏はS60導入に際し、ボルボのセダンユーザーのみならず、国産セダンを含めた多くのセダンユーザーに対してインタビューを実施し、セダンに求める価値をはじめ、さまざまな調査を行なったことからプレゼンテーションを始めた。

　まず、セダンに求める価値については3つに集約された。1つはスタイリングだ。「低くてかっこいい、クーペのような、フォーマルな、飽きのこないといったキーワードが出てきました」と木村氏。次に2つ目として使い勝手のよさがある。「リアドアは乗り降りだけではなく、荷物の出し入れも含めて非常に重要な実用性を要しています」とし、3つ目はSUVでは満たされない楽しさとして、「ドライビングプレジャーや高いボディ剛性、静粛性が挙げられ、この3つにほぼ集約されていました」と説明した。

　そこで、新型S60は「このセダンのお客さまが求める3つの価値が、従来のボルボのセダン以上に高い次元で応えられていると確信しました」と自信を見せた。

安全性は国産輸入車問わず

　また、セダンオーナーに限らず最近のユーザーが一般的に求める価値として、「国産車と輸入車の違いなく、ますます重要なのが安全です。従来、国産車を求めるお客さまと輸入車志向のお客さまの購入重視点は、大きく異なっていましたが、その垣根を取り壊す形でまず安全を第一に考えようというお客さまが増えています。最近ボルボを購入検討するお客さまの中でも、いま国産に乗っているお客さまが非常に多くなっていることもわれわれは実際に体感し、確認しています」と述べ、ボルボの高い安全性が現国産、輸入車ユーザーを問わず強みになってきていることを明かした。

ターゲットは国産ラージセダン

　さて、次に国産と輸入各ブランドのイメージを分析すると、「ボルボのポジションは非常に特徴的で、プレミアムでありながら、品質や信頼イメージで国産勢にも近いというユニークなポジションでした」という。

　また、年度別に国内登録上位30車名のうち、セダンが何モデルあったかを調べると、「マーケットが縮小しているという事情があるにせよ、セダンユーザーにとって魅力的なモデルの選択肢が減っているのは間違いありません」と状況を分析。そうした結果を踏まえ、新型S60は、「国産ラージセダンからの積極的な代替えを狙います」と宣言。

　主なアピールポイントは4つ。まずは、「全高1435mmに抑えた低く美しいセダンシルエット」。次は全幅1850mmと先代比全幅-15mmコンパクト化したことで、「この数値以上に軽快で取りまわしのよいセダンになっています」と話す。3つ目は、4種類のパワートレーンだ。「それぞれ違ったドライビングプレジャーを提供します。そして最後はもちろんボルボなので世界最高水準の高い安全性です。この4つを大々的にアピールして国産からの代替えを狙います」とS60の強みを説明した。

それぞれの特徴を生かした4つのパワートレーン

　新型S60には前述の通り4つのパワートレーンが用意されている。事前に木村氏は袖ヶ浦フォレストレースウェイなどで試乗。その印象を交えながらコメントした。まずエントリーモデルのS60 T4 モメンタムは、「軽快で十分なパワーとトルクがあり、私にとってベスト。一番ファントゥドライブなクルマでした」という。

　S60 T5 インスクリプションは、「S60ガソリン車の上級装備かつ高性能モデルです。これもサーキットで実際に乗りましたが、T4とは明快に異なるパワーとトルク感を楽しんでもらえる高級モデルです。タイヤもさらに上級で高性能なものが装着され、私の技量では袖ヶ浦ではリアをスライドさせられないくらいの高性能モデルでした」とのこと。

　そして、プラグインハイブリッドのS60 T6 ツインエンジン AWD インスクリプションは、「実は先月までV60の全く同じパワートレーンにカンパニーカーとして乗っていました。川崎から芝公園まで毎日往復するとともに出張にも乗りましたが、平均燃費は14.7km/Lと私自身がびっくりするほどよい燃費だったのです。因みにプラグインは会社の駐車場だけで充電している状態です。スポーツカー顔負けのパワーと素晴らしく驚くような燃費という特徴のモデルです」と説明された。

　最後はS60 T8 ポールスターエンジニアードだ。「ハイパフォーマンスのプラグインハイブリッドモデルで、スウェーデンのテストコースで乗ったのですが、乗った瞬間から異次元のパワーと性能でびっくりしました。さらに、T6と変わらない燃費が狙えることを思うと本当にハイパワーと環境燃費性能を両立させた新しいイメージリーディングモデル像を示すことができるのではないかと大変楽しみにしています」と述べた。

　S60シリーズのイメージリーダーモデルとなるS60 T8 ポールスターエンジニアードは、高性能電動ハイパフォーマンスに特化した新たなボルボの兄弟ブランドとして、電動化とハイパフォーマンス、パワフルな走りと高い環境燃費性能を両立したポールスターエンジニアードの新しいコンプリートカーなのである。

スマボの新しいラインナップにより、S60をさらに訴求

　この新型S60の登場に合わせ、ボルボのサブスクリプション、新しいSMAVO（以下スマボ）が紹介された。スマボとは「“スマ”ートに“ボ”ルボに乗れる」をコンセプトにしたリースプランの総称だ。ボルボ・カー・ジャパンでは 2017年以降、さまざまなスマボプランを導入し、すでに約4000件を契約。2019年1月～9月の実績では、販売の約12％がスマボでの契約形態となっているという。

　今回発表された新しいスマボは2種類。1つは3年契約2年縛りで、2年後に新車に乗り換えることができるスマボ2/3（にーさん）。もう1つは5年契約3年縛り、3年後に車検を取らずに新車に乗り換えられる、もしくは車検を取れば3年後から5年後までお客さまのどのタイミングでも乗り換えることができるユニークな設定のスマボ3/5（さんごー）だ。

　木村氏は、「ボルボ新型S60はセダンマーケットの中でチャレンジャーです。従って最初に購入するお客さまの不安は3年後、5年後の残価だと考えています。スマボはその残価に対する不安を解消します」と述べ、3年後で50％、5年後で30％の残価保証が基本のプログラムとなっている。

　また3年弱スマボを販売してきた実績と経験から、「われわれはどのようなお客さまがどういった理由でスマボを選んでいるのかも大体分かってきました」という。それは、「2年から3年経つと、色々な最新の安全装備が出て、クルマはより安全になっているはずです。そういった最新の安全装備が装備された最新のボルボに乗り換えたいというわれわれのファンやコアカスタマーがたくさんいるということです」

　そういった実績や結果を踏まえ、スマボを支持してもらっているコアカスタマーのニーズにより寄り添いたいと、「新スマボではより安心して乗ってもらうためのボルボオリジナルプロテクションパッケージを用意しました」と木村氏。その内容は、タイヤのパンク、ホイールの傷、ボディの傷、シートのガタツキなどが起きた場合には、保証で修理。さらに万が一クルマに乗っている時に事故にあった場合には、交通傷害保険がカバーする。そこに加え、新車ではアクセサリーで設定されているドライブレコーダーを、スマボ契約者には標準設定で提供するとし、「まさに最初から安全安心が全て入っているというパッケージでお届けします」とした。また、「任意自動車保険を除く税金及び諸費用を全て含むのは、従来のスマボも同じですが、新スマボではよりわかりやすく全国どの店で購入しても統一価格としました」と説明した。

　スマボ契約の具体的例としては、スマボ3/5でS60 T4 モメンタム、489万円のクルマを契約した際、頭金なしで月々7万3810円の支払いのみと、「われわれの3年残価設定ローン（8万6200円）と比較しても毎月の支払額は低く抑えられており、3年後の乗り換えにリスクがないということが新しいスマボの特徴です」と説明。

　最後に木村氏は、「1人でも多くのボルボファンの皆さまへスマボという形でボルボを届けたいという思いを持っています」と今後もスマボをさらに訴求していくことを語った。