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【トヨタ カムリ 新型】勝又CE「理屈抜きに格好良いと言って頂けるクルマを目指した」
トヨタ自動車は7月10日、『カムリ』を全面改良し、発売した。チーフエンジニアを務める勝又正人氏は同日都内で開いた発表会で「これはカムリじゃないよね、あるいは理屈抜きに格好良いね、そういうふうに言って頂けるようなクルマを目指して開発をしてきた」と振り返った。
というのも「これまでのカムリは北米を中心にホワイトブレッド、つまり食パンといわれてきた。無くてはならないもの、安心なクルマという意味では大変ありがたいニックネーム。その結果もあって全米乗用車15年連続ナンバーワンにつながったのだと思っている。だが一方で良いクルマなんだけどワクワクドキドキしないという意味でもある」からだ。
勝又チーフエンジニアは「これではまずい、このままでは絶対にまずい。我々自身が、そしてカムリ自身が大きく変らなければ大変なことになる、その強い危機感が前例のない変革という合言葉を生んだ。カムリを変えるためには何でもする。こんな不退転の決意がカムリには込められている」と明かす。
その上で「私たちチームカムリが目指したのは、デザイナーが思い描く、理屈抜きで格好良いクルマを、そのまま造るということ」と述べた。
実際に新型カムリはワイド&ローのプロポーションに一新されたが、勝又チーフエンジニアによると「開発初期段階でデザイナーがノートの切れ端に描いた、まさに初期のスケッチとほとんど同じ」とのことだ。
「例えばフードを低くするということはエンジンルームの中にあるすべての部品をコンパクトに造り直し、また低く配置をし直す必要がある。たったひとつの部品がフードを突き抜けただけで、すべてが台無しになるが、オールニューTNGA(トヨタニューグローバルアーキテクチャー)だからこそ実現できた」と勝又チーフエンジニアは語る。
さらに「今回のカムリの前例の無い変革はスタイルだけではない。当然、クルマは走るもの。だからこそ走りにも徹底的にこだわった」とも。
具体的には「低重心のパッケージは格好良いスタイルの重要な理屈と同時に、走りの良さの基本的なファクター。重たいものを少しでも低く、そして中央寄りに搭載する、これにより基本的な物理特性を飛躍的に向上させた。その上でリアサスペンションのダブルウイッシュボーン、またボディの剛性やステアリング系の剛性を上げるなど運動性能の大幅な向上を図った」としている。
一方、新型カムリの日本仕様は先代と同様にハイブリッドのみの設定だが、「ゼロから新規に開発した2.5リットルダイナミックフォースエンジンに、新世代のハイブリッドシステムTHSIIを組み合わせモーターならではの瞬間加速の良さ、そしてアクセルペダルの動きにダイレクトに反応する気持ちの良い走りにこだわった。しかもエンジンの熱効率は世界トップクラスの41%。その結果、小気味の良い走りに加えて燃費は、このクラストップレベルの33.4km/リットルを実現した」と勝又チーフエンジニアは解説していた。
新型カムリの価格は329万4000~419万5800円。これまでカムリはカローラ店の専売モデルだったが、今回の全面改良を機にトヨペット店およびネッツ店でも併売することになった。なお東京地区では東京トヨタでも販売する。月販目標は2400台。