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【東京モーターショー2017】トヨタのテーマは「Start Your Impossible(不可能と思えることにチャレンジしよう)」 楽しいクルマを体現する「GR Hybrid Sports」などを展示
10月25日、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で「第45回東京モーターショー2017」が開幕した。27日はプレビューデー、28日~11月5日は一般公開日となる。
西展示棟1階WP02にあるトヨタ自動車ブースでは、開幕直後の8時30分からトヨタ自動車 取締役副社長 ディディエ・ルロワ氏によるプレスカンファレンスが実施された。
カンファレンスの冒頭、ルロワ氏は「Start Your Impossible(不可能と思えることにチャレンジしよう)」をキーワードとして掲げるとともに、「Mobility for All(すべての人に移動の自由を)」を実現するべく困難なチャレンジに挑み続けるとコメント。
自動車業界が内燃機関から電気への転換期を迎えている今、同社代表取締役 豊田章男氏の「将来のモビリティ社会を切り拓くのは、“もっといい社会をつくりたい”という情熱で他者に勝る者」という言葉、また周囲からは「不可能だ」と言われつつも同社を創業した豊田喜一郎氏を例に挙げ、この変化は自らを変革するチャンスであると捉えているとした。
ただ、こうした変化により生まれる新しい領域においてもモビリティには「自由」が必要であるとし、これこそが「クルマが楽しく、人々が単なる機械としてではなく、愛する対象としてクルマを見る理由だと思っている」と説明。それを体現したモデルが「GR Hybrid Sports」「Tj Cruiser」であり、50年間で2度目のフルモデルチェンジ迎える「新型センチュリー」であると紹介した。
続けて、人々の移動をより便利にする「パートナー」として「Concept-愛i」を紹介。クルマが通行できないところにも移動の自由をもたらす「愛i-Walk」、車いすを利用する方々にも使いやすい機構を備えた「愛i-Ride」とともに、人工知能とコネクティッド技術を搭載。「Yui」と名付けた共通のAIエージェントにより「ドライバーが何を好むか、どのような情報が欲しいかを理解し、ドライバーとの間に新しい関係を築きます」と述べた。
こうしたコネクテッドカー技術を実現するとともに、新たな基準となるクルマとして紹介されたのが、会場に置かれたコンセプトモデルをベースに2018年に登場するとされる新型「クラウン」。これを皮切りに2020年までには日米でほぼすべての乗用車に「データ・コミュニケーション・モジュール」(DCM)を搭載するとともに、クラウド上にあるトヨタの「モビリティ・サービス・プラットフォーム」にコネクト。人工知能による新たな価値を提供していくとした。
自動運転については「Mobility for All」実現におけるキーテクノロジーであるとして、「ショーファー」(自動運転)と「ガーディアン」(高度安全運転支援)の両方を開発中と説明。「2020年に高速道路で、2020年代前半には一般道を対象としたシステムとして実用化する予定です」と明言した。
最後に触れたのが電動化。トヨタでは初の量産電動車である「プリウス」を29年前の東京モーターショーに出展、現在では37の電動車を90か国以上で投入し、年間150万台近く販売していると紹介。次のステップであるEVの開発においてもこの点がアドバンテージであり、EV量産化を視野に入れてマツダ、デンソーとともに新会社を立ち上げるとともに、2020年代前半の実用化を目指して「全固体電池」の開発を加速していると述べた。
【東京モーターショー2017】トヨタのテーマは「Start Your Impossible(不可能と思えることにチャレンジしよう)」 マツダ、デンソーとともにEVのアーキテクチャーを開発する新会社を設立
マツダ、デンソーとともにEVのアーキテクチャーを開発する新会社を設立
【東京モーターショー2017】トヨタのテーマは「Start Your Impossible(不可能と思えることにチャレンジしよう)」 EVの航続距離を飛躍的に改善するポテンシャルを秘める「全固体電池」の開発を加速
EVの航続距離を飛躍的に改善するポテンシャルを秘める「全固体電池」の開発を加速
一方で燃料電池車(FCV)の開発も続けており、約1000kmもの航続距離を備えるプレミアムFCV「Fine-Comfort Ride」、FCバスコンセプト「SORA」を展示。SORAについては2018年から東京の都心エリアで順次運航を開始し、最終的には100台を超える車両が運航されるとした。
最後に2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに触れ、今回紹介したチャレンジにおける重要なマイルストーンになると説明。大会ではConcept-愛iシリーズの一部や自動運転車、「水素社会」のさらなる進展をご覧いただけると締めくくった。