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トヨタ 友山茂樹副社長、新型「クラウン」「カローラ スポーツ」のコネクティッド化を解説。今後のフルモデルチェンジ車はすべてコネクティッドカーに ダイハツや日野のクルマも将来はコネクティッドに
トヨタ自動車は6月26日、新型「クラウン」、新型車「カローラ スポーツ」を発表した。この新型クラウン、新型車カローラ スポーツの特徴として、全車に車両の制御ネットワーク(CAN)に接続する車載通信機(DCM)を搭載し、コネクティッドカーになっていることが挙げられる。トヨタはこの両車種を“初代コネクティッドカー”と位置付け、6月26日にメガウェブで「THE CONNECTED DAY」と題した一般ユーザー向け発表会を開催した。
このTHE CONNECTED DAYに関しては、別記事で詳報する予定。本記事ではTHE CONNECTED DAY開催後行なわれたトヨタ自動車 副社長 友山茂樹氏の質疑応答を紹介する。友山氏は、副社長のほかコネクティッドカンパニー President、GAZOO Racing Company Presidentなどを兼任し、トヨタのコネクティッド戦略をつかさどる立場におり、「THE CONNECTED DAY」においても、新型クラウンなどに搭載したコネクティッド機能の背景紹介を行なった。
友山副社長は、コネクティッド戦略について、「トヨタ自動車がカーカンパニーからモビリティカンパニーになるのだと宣言したのが1月のラスベガス」と紹介。これは1月8日(現地時間)に豊田章男社長がプレゼンテーションを「CES 2018」で行なったことを指しており、この1月が大きなポイントだと示唆。コネクティッドについては、もともとは豊田章男社長が課長時代に業務改善支援室を作り、友山氏も一社員として業務改善支援室でともに働いたときの“もっとお客さまとつながりたい”という思いに、ルーツがあるという。
実際の製品としてつながるクルマがトヨタから登場したのは、2003年のDCM開発後登場した「WiLL サイファ」が最初で、このとき音楽などエンタメ志向だったとのこと。その後、安全安心をサポートする方向へと変更。今回、トヨタとして徹底したというeケアサービスなどを用意している。
その背景にあるのが、強烈な危機感。「ビジョンとか戦略はなかった」
としつつも、その場その場で最善を尽くし、改善を繰り返してきたという。
とくに、このつながるサービスは、クルマが将来所有からサービスに移り変わった際にもお客さまとの接点となり、お客さまとの接点維持を重視する豊田章男社長の意思が強くでているものになる。
このトヨタのコネクティッド機能を支えるのが、情報インフラとなる「MSPF(モビリティサービス・プラットフォーム)。クラウンやカローラ スポーツから集められた車両データは、このMSPFにため込まれることで、ビッグデータとなり、新たな価値を生み出していく。
コネクティッドカーの収益化については、コネクティッドがクルマの商品価値に反映される、4年目にお客さまが価値を感じて更新料を払ってくれる(3年目まで無料提供)、MSPFのオープンプラットフォームによって参加する異業種からのロイヤリティなどの収益を見込むほか、コネクティッドによって情報が集まることで、ディーラーやクルマの設計品質がよくなることもメリットだという。
また、今回の新型クラウン、新型車カローラ スポーツでは、トヨタのフラグシップブランドであるレクサス車のeケアサービスを超えるコネクティッドサービスが提供されているが、レクサスについては年度内を目処に同等のeケアサービスに引き上げていくという。
コネクティッドサービスの特徴として、「通れた道マップ」などはデータを提供するクルマが多ければ多いほでお正確なサービスを提供できる。豊田章男社長は「THE CONNECTED DAY」において、トヨタの新型車はすべてコネクティッドになると紹介。この詳細について友山副社長に質問したところ、フルモデルチェンジ車についてはコネクティッドカーになり、電子プラットフォームとの連携が必要なため、マイナーチェンジ車については「一部あるかも」とのことだった。
トヨタはグループに、ダイハツ工業、日野自動車があり、こちらについてもコネクティッドカーになるときは、DCMおよびMSPFといったコネクティッドカー基盤はトヨタと共通のものになるだろうという。