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トヨタ、コネクティッドカー本格展開へ 新型乗用車への車載通信機標準搭載を目指す
トヨタ自動車6月26日、新型『クラウン』および『カローラスポーツ』の発売を皮切りに、国内の新型乗用車すべてへの車載通信機(DCM)標準搭載を目指し、コネクティッドカーの本格展開を開始すると発表した。
トヨタは、6月26日から、車両の制御ネットワーク(CAN)に接続するDCMを全グレードに標準搭載したコネクティッドカー、新型『クラウン』および『カローラ スポーツ』の販売を開始。両モデルには、トヨタが構築したコネクティッドカー向け情報インフラ「モビリティサービス・プラットフォーム(MSPF)」から、様々なコネクティッドサービスが提供される。
トヨタは、これを皮切りに、今後国内で発売されるほぼ全ての乗用車にDCMを搭載し、MSPFに収集される車両データを活用した安心サービスとして「eケア走行アドバイス」「eケアヘルスチェックレポート」「ヘルプネット」を提供。また、それに必要なメーカー、販売店の業務基盤構築に力を入れていく。
eケア走行アドバイスでは、従来のオペレーターサービスを車両データと連携させることで、車両のトラブルの際にも頼りになる安心サービスを提供する。万一クルマに異常が発生した際、車両データから車両の状態を診断し、オペレーターが車載マイクとスピーカーを通じてアドバイス。販売店への入庫が必要な場合は、担当販売店、または最寄りの販売店に誘導する。
eケアヘルスチェックレポートでは、車両データから車両の状態をセンターが常時診断し、トラブルが発生する前に、担当の販売店から整備入庫をすすめる。たとえば、バッテリーの始動時電圧が低下し、始動不良が想定される場合は、担当販売店の業務端末に予防整備のアラームを通知。販売店スタッフがそれに基づき連絡し、バッテリーの交換をすすめる。担当販売店からのメッセージは、ナビに配信され読み上げられる。
ヘルプネットは、新たに全国規模に拡大した、エアバッグの展開と連動する緊急通報サービスだ。衝突時の車両データから乗員のダメージを瞬時に解析し、消防本部に送信。消防本部で重症確率が高いと診断される場合はドクターヘリ等が出動し、医師が現場に直行する。
トヨタは、eケア走行アドバイス、eケアヘルスチェックレポートは、年々高度化かつ複雑化するクルマを、いつも安心快適に利用してもらう上で必要不可欠なサービスであると考えており、今後、国内のほぼ全ての新型乗用車への展開を計画。従来の緊急通報サービスや盗難抑止サービスに、これらのサービスが加わることで、24時間365日、ユーザーとそのクルマを見守る、万全な体制の確立を図る。また、これらの運用を確実に行うために、愛知県日進市の研修施設に「コネクティッドオペレーション改善道場」を設置し、全国の販売店スタッフに向けた実践的なトレーニングを行っている。
さらに、DCMの標準搭載に伴い、ユーザーはMSPFに蓄積された走行ビッグデータから算出した「安全運転スコア」をスマートフォンでチェックできる。また、このスコアに連動する走行データ連動型自動車保険プラン「トヨタつながるクルマの保険プラン」が、あいおいニッセイ同和損害保険より発売。保険料金は、安全運転スコアと走行距離により毎月決定されスマートフォンに通知。運転分保険料の最大80%、トータル保険料の9%の割引を受けることができる。
また、DCM標準化によりオンラインサービスの充実も図る。AI音声エージェントでは、人工知能のバーチャルエージェントが自然発話を聞き取り、ナビの目的地設定やオーディオの操作、機器の取り扱い説明などを実施。「このへんにある蕎麦屋を探して。駐車場のあるところがいい」など、複雑な発話でも理解できる。
LINEマイカーアカウントでは、使い慣れたLINEアプリに、自分の愛車を「友だち」として追加することで、クルマと会話できるようになる。たとえば、LINEアプリのトーク機能で事前に行きたいところを伝えると、車載ナビの目的地にメモリーできる。また、目的地までの所要時間や距離を踏まえて、出発すべき時間や給油の必要性なども教えてくれる。
そのほか、ナビシステムのプログラムや地図データもつねに最新版に維持。さらに目的地へのルート案内は、センター側にある最新の地図データとビッグデータ交通情報から探索し、最適なルートを案内する。