トヨタ、17年ぶりに復活する新型スープラをデトロイトモーターショーで初披露

トヨタは、１月14日（米国東部時間）に、米デトロイト市で開催されたデトロイトモーターショー（北米国際自動車ショー）で新型スープラの市販モデルを世界で初めて公開した。

今回、披露された新型スープラは、先代モデルが2002年に生産終了してから17年ぶりに復活を果たした５代目。初代スープラ（1978年発売）から続く直列６気筒エンジンを搭載するFR車という伝統を受け継いだモデルで、TOYOTA GAZOO Racingが手がけるスポーツカーシリーズ「GR」初のグローバルモデルとなる。日本での発売は2019年春頃の予定。

ピュアスポーツカーの理想を求め、ホイールベース・トレッド・重心高の３要素に着目

新型スープラの開発は、ニュルブルクリンクにおけるレーシングコースの走り込みにくわえて、実際のユーザーが走行する環境を考慮して、日欧米などの様々な道での走りとチューニングを経て行われた。スポーツカーとしての高いハンドリング性能や安定したコーナーリングを実現するために、ホイールベース・トレッド・重心高という３つの基本要素にこだわったパッケージを持っている。

ホイールベースは、２シーターモデルとすることでトヨタ「86」よりも100mm短い2470mmとなり、ホイールベースとトレッドとの比は1.55となっている。この数値は、他の量産スポーツカーと比較してもトップレベルの小さい数値で、優れた回頭性に寄与している。さらに直列エンジンを搭載にもかかわらず、水平対向エンジンを積む86よりも重心高を低くし、前後重量バランスはコーナリング性能において理想とされる50:50となっている。

ボディは、骨格構造にアルミニウムと鉄を採用し、その素材の接合強度を高めることに成功。86と比較して約2.5倍の高剛性を実現している。

パワートレーンは直６と直４をラインナップ

パワートレーンは、スープラ伝統の直列６気筒に加えて、直列４気筒も設定された。3.0Lツインスクロールターボの直列６気筒エンジン(RZ)は、最高出力250kW（340PS)/5000-6500rpm、最大トルク500N・m（51.0kg・ｍ）1600-4500rpmを発生する。一方、2.0Lツインスクロールターボの直列４気筒エンジンは、チューニングが異なる２つのバージョンを設定。それぞれ、最高出力190kW（258PS）/5000-6500rpm(SZ-R)と145kW（197PS）/4500-6500rpm(SZ)、最大トルク400N・ｍ（40.8kg・m)/1550-4400rpm(SZ-R)、320N・m(32.6kg・m)/1450-4200rpm(SZ)を発生。

バネ下重量を減らしつつ、組み付け剛性を高めた新設計サスペンションは、フロントにダブルジョイントスプリングストラット式、リヤにマルチリンク式を搭載し、挙動に合わせた精密な車両コントロールを可能にしている。RZとSZ-Rに搭載されるアダプティブバリアブルサスペンションは、選択したドライブモードや路面状況に対応して４輪のショックアブソーバー減衰力を最適に制御できる。

コーナーリング性能と安定性に寄与するアクティブディファレンシャルは、VSC（車両安定性制御システム）と連携し、電動制御多板クラッチが後輪左右間のロック率を無断階（0~100）に制御する。

TOYOTAスポーツカーの伝統的なデザインを継承

「Condensed Extreme L6 FR “TOYOTA”Sports」(Condensedは凝縮された、Extremeは過激な意味する)をコンセプトに、GRシリーズ初のグローバルモデルに相応しいスポーツカーとしてのデザインを追求。TOYOTA2000GTで用いられた空気抵抗低減に寄与するダブルバブルルーフの採用や、４代目スープラ・TOYOTA2000GTで取り入れられたランプを車両内側に寄せてフェンダーのボリュームを豊かにし、凝縮したボディフォルムを演出するデザイン手法など、トヨタスポーツカーの伝統的デザインを継承している。

エクステリアは、ショートホイールベースに大径タイヤを組み合わせることで、タイヤの存在感を高めたサイドビューとなり、ワイドトレッドがもたらすスーパーワイドスタンスを実現している。２シーターらしいショートかつタイトなキャビンとロングノーズを組み合わせたシルエットに仕上がっている。

インテリアは、運転席を中心とするタイトな新世代コクピットレイアウトにシフトバイワイヤ式のシフトレバー、8.8インチTFTメーター、大型フルカラーヘッドアップディスプレイなどを装備。上下に薄いインパネと幅の広いコンソールを組み合わせた、ピュアFRスポーツカーにふさわしい室内空間になっている。