プレゼンテーション「パナソニック株式会社とトヨタ自動車株式会社、街づくり事業に関する合弁会社の設立に合意」

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パナソニック株式会社とトヨタ自動車株式会社、街づくり事業に関する合弁会社の設立に合意

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トヨタとパナソニック、街づくり事業を推進する新会社「プライム ライフ テクノロジーズ」設立に関する説明会

 パナソニックとトヨタ自動車は5月9日、両社合弁で街づくり事業を推進する新会社「プライム ライフ テクノロジーズ」設立に関する説明会を開催。同説明会に、新会社の代表取締役社長に就任する予定のパナソニック 専務執行役員 北野亮氏と、トヨタ自動車 執行役員 白柳正義氏が出席して新会社設立の狙いについて説明した。

 2020年1月7日に設立予定の合弁会社プライム ライフ テクノロジーズは、パナソニックホームズ、パナソニック建設エンジニアリング、松村組、トヨタホーム、ミサワホームを統括することになる。

 パナソニックホームズ、トヨタホーム、ミサワホームの統合によって、住宅事業においては戸建住宅供給戸数約1万7千戸を誇る国内住宅業界でトップクラスの地位を獲得するという。

 今後、パナソニックは、パナソニック建設エンジニアリングの一部事業をパナソニックの子会社に吸収分割させたうえで、パナソニックホームズ、パナソニック建設エンジニアリング、松村組の株式の全てを、プライム ライフ テクノロジーズに移管予定。

 トヨタは、トヨタホームを完全子会社化して、トヨタホームの株式の全てをプライム ライフ テクノロジーズに移管予定。また、トヨタホーム傘下にあるミサワホームについては、トヨタがトヨタホームを通じてトヨタホーム以外の株主が保有しているミサワホームの株式約49%を取得予定。その後、プライム ライフ テクノロジーズがトヨタホームからミサワホーム株式を取得する予定。

 プライム ライフ テクノロジーズへの出資比率は、パナソニックグループ・トヨタ自動車間で同一としている。なお、三井物産とも協議を進めて、三井物産による出資の可能性を含めて検討していく予定。

新会社設立により街全体でくらしの新たな価値の創出を目指す

 説明会では、新会社設立の背景や目的についてトヨタの白柳氏から説明があり、今後自動運転などのモビリティの高度化や通信などのテクノロジーの発達、顧客の価値観変化などによって、家のあり方や街のあり方が大きく変化する可能性があると説くとともに、街づくり事業における街の競争力の源泉が「立地」から「生活を支えるサービスインフラの充実度」に変化していく可能性があるとの背景を示した。

 新会社では「家づくり・街づくりを通し、『くらし』をよりよく、快適にする」とのビジョンを掲げており、白柳氏は「トヨタ自動車は自由で安心快適なモビリティ社会を目指して新たなモビリティサービスの創出に取り組んでいます。パナソニックさんはくらしアップデートを掲げ、住宅や街などくらし空間に関するテクノロジーやノウハウを幅広く保有しております。そして、両社にはトヨタホーム、ミサワホーム、パナソニックホームズといったハウスメーカーや建設会社を保有しております。トヨタ自動車、パナソニックからモビリティやくらし空間に関するテクノロジーを提供して、ハウスメーカーや建設会社が主体となって街づくりを推進することで、街全体でくらしの新たな価値を創出できるはずだと考えております。これこそが今回の合弁会社設立の目的になります」と、新会社設立の目的を話した。

新会社で目指すのは永続的な満足を提供していける街づくり

 新会社の戦略については、新会社の社長に就任予定の北野氏から説明があり、新会社では「住宅」「建設」「街づくり」といった3つの事業を推進。トヨタとパナソニックのノウハウも活用しながら“街全体でのくらしの新たな価値”の創出を目指すという。

 各事業の基本戦略としては、住宅事業では、パナソニックホームズ、トヨタホーム、ミサワホーム、3ブランドの個性を強化するとともに、調達、製造、物流などバックヤードの共通化により業界トップクラスの競争力実現を目指す。

 建設事業では、「オフィス」「商業施設」「ホテル」「学校」「病院」の領域において、デジタライズやロボティクスなど、パナソニック建設エンジニアリング、松村組のノウハウを活用して、効率化・省人化・自動化による競争力向上を目指す。

 また、街づくり事業では、パナソニック建設エンジニアリング、松村組が企画設計に加わりながら、パナソニックホームズ、トヨタホーム、ミサワホームによる宅地開発を実施。居住者に向けたマネジメント・サービスを高度化させることにより、競争力の低い土地に対する高付加価値化を目指すという。

 新会社で目指す街づくりについては「スマート・ライフ・タウン」と題して、ライフライン、通信、保管、モビリティ、セキュリティ、保険、買物、物流、家事といった生活に関わるインフラについて、最先端の技術で高度に最適化され、進化し続けるプラットフォームとして居住者にサービスを提供。いつまでも安心・快適・便利なくらしの提供を目指すという。

 新会社設立の狙いについて北野氏は「新たなモビリティサービスカンパニーを目指すトヨタと、くらしアップデート業を目指すパナソニックのテクノロジーを最大限に活用することで、街全体でのくらしの新たな価値を創出してまいります。また、街づくりを中心とした新会社でのチャレンジを、両社の新たなビジネスの実証の場、あるいはショーケースとすることで双方向の役立ちを目指してまいります」との考えを話した。

 また、新会社で目指す街づくりについて北野氏は「これまで住宅地に不向きと思われた地域も自動運転を中心とした新たなモビリティ社会へと変化することが確実な中で、利便性と快適性を両立させた先進的な街へと生まれ変わることが可能であります。さらに、リアルな建物や都市環境のみならず、そこでのくらしを支えるさまざまなサービスまで展開することで、日々進化し続ける永続的な満足を提供していける街づくりができるものと考えております。これらの成功事例は、ゆくゆくは海外へも展開できるものと考えております」と話した。