プレゼンテーション「トヨタとNTT共同記者会見」

トヨタ自動車株式会社 / 技術

トヨタとNTT共同記者会見

記者発表会の詳細を見る

THE PAGE(独自媒体なしにてYahoo!ニュースより)

トヨタとNTTが会見 スマートシティー構想で提携(全文2) 業務提携はかなり長期になる

 トヨタ自動車と日本電信電話(NTT)は24日午後、都内で共同記者会見を開き、スマートシティー構想での提携を発表した。

※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「トヨタとNTTが共同会見 「スマートシティー構想」で提携(2020年3月24日)」に対応しております。

車も昔は高根の花

豊田:NTTとトヨタが日本を背負うという気概を持ち、多くの仲間を巻き込みながら、人々の豊かな暮らしを支えるプラットフォームをつくることができれば、社会のお役に立つことはもちろん、世界における日本のプレゼンスを高めることにもつながっていく、そう信じております。そして、佐吉翁の遺志とともに、前社長、喜一郎の理想、国産大衆車の製造とあります。車も昔は高根の花でした。トヨタはそれを誰もが手に入れられる、誰もが運転できるものにしてまいりました。電話も同じです。一家に1台の電話も当然ではなかった時代を経て、今は先進国、新興国を問わず、1人1台スマホなどの通信手段を持つことが当たり前の時代になってまいりました。

 大衆車という言葉に込められているのは量産ということであり、全ての人に幸せをお届けするということだと思います。トヨタもNTTも日本に根差したグローバル企業です。全ての人というとき、それはグローバルに展開することを意味するものだと思います。そして両社が描く未来の真ん中には人がいます。笑顔の人がいます。ヒューマンコネクティッド、それが私たちの目指す未来社会です。

 澤田社長と初めてお会いした際も、実直なお人柄、人間を大切にされる姿勢を実感いたしました。私は素直にこの方に頼りたいと思いました。トヨタの原点は全ての人に幸せをお届けするということです。私はそのためにNTTと提携をさせていただくのだと思っております。そしてそれは日本が世界のためにお役に立てることでもあると思っております。私たちが取り組む未来に、ご支援賜りますよう、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

司会:続きまして、質疑応答に移りたいと思います。会場の準備をさせていただきますので、しばらくお待ちください。

この提携の意義は?

司会:それでは質疑応答を始めさせていただきたいと思います。両社長、ご登壇をお願いいたします。まず会場から、そののちオンラインでご参加いただいている皆さまからご質問を頂戴したいと存じます。恐れ入りますが、ご質問の際には冒頭に会社名、お名前に加えて、どちらの会社への質問かをいただければ幸いです。

 なお、可能な限り多くの皆さまからご質問を頂戴したいと存じますので、お1人さま2問までとさせていただきたく、よろしくお願いいたします。ご質問の方にはマイクをお持ちいたしますので、恐れ入りますがお手をあげてお知らせいただきますようお願い申し上げます。それではよろしくお願いいたします。それでは一番左の列、一番前の真ん中の方、お願いいたします。

日本経済新聞:日本経済新聞の【オオモト 00:28:30】といいます。両社長にお伺いします、2問ともです。1問目なんですけれども、先ほどご説明の中で、日本を背負う、あと、世界にというお話もあったかと思います。スマートシティ事業、ビジネスとして見た場合は、特に米中中心にすでにさまざまな主体で動いています。この提携の意義、日本を背負うとおっしゃっているので、世界へという部分、非常に意義深いのかなとも思うんですけれども、あらためて世界に向けてこの日本連合といいますか、こういった枠組みがどう生きていくのか、その提携の意義について両社の社長にお伺いしたいと思います。併せてスマート都市事業における両社の強み、どのように生きていくか、お考えをお聞かせください。

 2問目は資本提携にまで踏み込まれた理由をお聞かせください。一般的に持ち合いというのは解消の方向に進んでいますが、先ほど長期でというお話もありましたけれども、2,000億円をお互いに持つ、そこまで踏み込まれた意味合いについて、これも可能であれば両社長に解説をお願いします。以上です。

地域力、国力の向上が図られる

澤田:じゃあ、私のほうから。澤田です。質問ありがとうございます。まず提携の意義ということなんですが、これはNTT側からすると、スマートシティ、あるいはSmart Worldというのを対象に掲げていまして、B2B2Xというビジネスモデルの中でパートナーの方の成長をお手伝いしたいというのが1つございますので、いろんな取り組みをしてきています。その中でも、実は2つ目の資本提携含めての話にも絡むんですが、今回トヨタと組めるというのがやっぱり私たちのコアであるというふうに感じている。非常にSmart World、その中のスマートシティをつくっていくという部分が促進される。それにより地域の、地域力の向上であったり国力の向上というのが図られるだろうと、このように考えています。

 強みっていいますと、NTTの場合はすでにそういうコーディネーションをやっているソフトウエア力がございますし、オーケストレーション力もございます。全世界でもそういうICT方面の営業力も持っている。そういうところが1つのグローバルでは強みであり、国内ではやはり地元の、それぞれの地域におけるインフラを持っているというところかと思います。トヨタさんの場合は強みはいっぱいありますし、すでにもうモビリティで自動運転に向けての動き、あるいはコネクテッドカーの動きというのがございますので、世界の中でも最先端のモビリティ企業。だからそこと組むという意味は、非常にわれわれにとって大きいと、こういうふうには考えております。1つ目については。

まさに時が来た

豊田:2年前、私がトヨタを自動車をつくる会社からモビリティカンパニーに変革をしていくということをCESの場で申し上げたんですが、それを今、やっと解説できるときが来たなと思うんですが、私ども自動車会社の場合は人と物を運ぶのが役割でしたし、それだからこそ自動車というものを、誰の手にも届くようにやってきたんですけど、これが多様化の世の中になり、どんな人にも移動の自由だとか、Moveという、移動を英語でやりますと、もう1つ感動するという言葉が、意味があるんですね。それで感動するためには走る、曲がる、止まるにつながる、いわば情報を運ぶということが大変重要になってきたんだというふうに思っております。

 そんなことから、社会システムに組み込まれた、車を上手に活用できるのがNTT。NTTはインフラ、セキュリティ、医療を支える情報基盤。社会を支える根幹を持っておられますので、私どものWoven Cityとともに、まさにいろいろやってきた結果、今まさにこのときに時が来たというふうにわれわれは考えております。

この業務提携はかなり長期のものになる

澤田:それで2つ目の質問に関係していくんですが、これは、この業務提携というのは、かなり長期のものになると思っています。それは両社でつくり出していく基盤。スマートシティプラットフォームというものを世界の中に提供していく。それは実はソフトウエアなんですが、ハードウエアとも連結していくわけなんですね。そうするとハードウエアをつくる、例えばトヨタがつくられるものがまた世界に入っていくという、そういう相乗効果を狙っておりますので、長期になっていくというふうに、それをトライしながらやるというのが私どもが考えているベースでありまして、その結果、資本提携をやるという意味で、やはり長期にそれをお互いが組み合っていくんだということを、まず証明したいということと、さらには、私ども自身当然、例えば出資をするということになりますから、企業価値というものを考えます。

 そういうパートナーのトヨタさんと共に進む先が、両社の企業価値を上げるものだと、そういうふうに考えておりますので相互出資という構造に至ったというのが私どもの考え方です。

双方の企業価値向上にもプラス

豊田:今回の出資はNTTと共に未来を創造するための投資というふうにわれわれも考えております。価値観を共有し、社会の発展を目指すパートナーとして長期的かつ継続的な協業関係を構築していく上には一方的な出資ではなく、パートナーと対等出資することでお互いに学び合い、競争力を高め合う関係になるというところに意味があるというふうに思っております。今、澤田社長もおっしゃいましたように、双方の企業価値向上にとっても確実にプラスになるというふうに思っております。

司会:それでは次の質問を頂戴したいと思います。それでは一番右の列の前から2番目、一番左の方、お願いいたします。

他社とも提携するのか

中日新聞:すいません、中日新聞の【オサダ 00:35:31】です。マスクを着けたまま失礼いたします。両社長にお伺いします。先ほど澤田社長もNTTのビジョンの中で人が主役というふうにおっしゃられていました。豊田社長も未来の真ん中には人がいるとか、自動運転でも人が中心ということを重ねて、常日頃言われていると思うんですが、両社にとって人が中心と、あえて強く打ち出している理由というか真意というか、ある意味人中心の社会なので、人が中心というのは当たり前なことだとは思うんですが、それをあえてビジョンとして打ち出している理由をあらためて聞かせてください。それが1問目です。

 2番目でトヨタさんのWoven Cityへの具体的な協業先としてNTTさんが初めて公表されたかと思うんですが、今後、豊田社長がおっしゃられるようにオープンマインドで進めていきたいということになりますと、このスマートシティプラットフォームに他社さんもどんどん参加してくるのかと思われるんですが、そこら辺の見通しみたいなものが、もしご紹介していただけたら教えてください。

澤田:それでは私、1つ目のほうですね。ご質問、ありがとうございます。人が中心というのは、もともと私どもの会社もそういうふうにビジョンをセットアップしておるのですが、特にスマートシティの議論というのは世界中でハードなイメージとか、メタルカラーのイメージが強いんですね。どうしても人じゃなくて新しい技術とか、いろんな何かこういうものが切れがいいみたいになるので、そうじゃなくて、やっぱり社会システムとか社会科学とか、本当に人にとっていいものにするために、そこをビジョニングからスマートシティも離してはいけないというふうに思っていましたところ、章男社長も同じような考え方を取っていらっしゃってという、私どもはそういう意識です。

原単位の考え方を導入

豊田:Woven Cityの、ほかのスマートシティのことはよく勉強しておりませんが、トヨタが言い出しておりますWoven Cityの1つの特徴は、原単位と申しますか、原単位の考え方を導入したということだと思います。原単位と申しますのは、まずe-Paletteという自動運転車をつくりました。通信が、アナログの時代からデジタルに変わり、どんどん車に情報を入れていくんですけど、本当に車が全部インフラをしょい込んで、本当に安全な事故なしの生活ができるんだろうか。そしてそれが多くの方に移動の自由を与えるアフォーダブルなものになるかどうかと申し、いくと、やはりある程度インフラでやってもらうのもの必要だなというふうに思いました。

 それで、150メートル、150メートルの1つの区画の中に、人と物の流れを変える道をつくりました。1つは歩行者専用。もう1つは自動運転専用の道。もう1本の道が人と、いわばそういうモビリティが混在する道。そして物の移動は別ルートということで原単位を入れたというのが1つユニークな点です。

 その原単位というものが、いわばトヨタ生産方式のベースになることですが、先ほどプレゼンでも言いましたけれども、われわれは多くの方に幸せをお届けできる企業になりたい。そこのところでNTTさんとまったく実証実験でのデータの活用の仕方とか、それから誰のためのデータですよねとかいうような意見が、まったく同じでございましたので、それはやはりリアルのまちでの、リアルな生活に基づくデータを収集することによって人間の暮らしをもっと楽しく、もっと豊かにすることを目指すという意味で人を中心にしていきたいということでございます。

澤田:あれですよね。データはまちの人とか、例えば裾野市とか、そういう共通的なところをやっぱり持つべきだと。

豊田:そうですね。

私のバックに連合軍が見えているのでは?

澤田:われわれ自身が囲い込まずにというオープンマインドの1つでもある。

豊田:それは、例えばトヨタ自動車とNTTがやるわけですけど、たぶんトヨタ1社では、NTTさんはこうして動いていただけなかったんじゃないかなと思っています。

澤田:いえ、それは動くかもしれませんけど。

豊田:たぶん、私のバックに、私どもがもっといい車づくりをしようという連合軍がやはり見えているんじゃないのかなと。そういうことからモビリティの、車側も、ものすごくオープンに見えたと思うんですね。できればこの場で、いわば通信の世界というのは第二電電ができましたね。今で言うKDDI。私どもKDDIも株主であるわけですが、やはりNTTとKDDIの、この2つが、以前FOMAというのとCDMAという2つの方式で競争をしてきたわけですね。競争をしてきた中で、いわば、利用料というのはどんどんアフォーダブルなものになってきたと思います。

 ところがデジタル化が推進し、5Gの時代を迎え、車も自動運転の技術革新とか、いわば実装のときを迎えるとなると、やっぱりデータ処理のところがより通信の中でも協調部分と。いわば、競争部分というのが出てくるんじゃないのかなというふうに思います。ですからそういう意味では未来を創造するプロジェクトをNTTさんとこうして一緒にやらせていただくことにより、今後オープンにいろんな方々が入ってくる、それは通信の世界も車の世界も。両方ともオープンに入ってくることによって、それぞれが未来の価値をつくるときに、この部分はやっぱり協調したほうがいいよね、ここはやっぱり競争だよねというのがですね。

澤田:本当の基盤です。

豊田:基盤が一緒にできるのは、お互いがやると無色透明な連合軍ができるからじゃないかなというふうに思っておりますし、逆に無色透明な、オープンな企業連合がやっぱり、この指止まれということをやることによって、それなりの同じ志を持った、同じ価値観を持った方々が集まってこられた先に、人中心のみんなが幸せになる未来ができるんじゃないのかなというふうに考えております。

司会:それではここで、本日オンラインでご参加いただいている皆さまからもご質問を頂戴したいと思います。

【書き起こし】トヨタとNTTが会見 スマートシティー構想で提携 全文3に続く