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軽自動車だから…とは、言わせない!──DNGA第1弾! 新型ダイハツ タント登場
ダイハツのハイト系軽乗用車「タント」がフルモデルチェンジした。新しいクルマづくりのシステムによってプラットッフォームを一新したその内容とは?
DNGA第1弾モデル
2019年7月9日、ダイハツ工業(以下、ダイハツ)は、新型「タント」を発表した。
新型タントは、ダイハツの新世代クルマづくりシステム「DNGA(Daihatsu New Global Architecture )」をもとに開発された。サスペンションや骨格の部品配置をゼロから再構築したプラットフォームで、ギア付きCVTや大幅改良したエンジンなどを搭載しているのが特徴だ。
東京プリンスホテル(東京都港区)でおこなわれた発表会で、ダイハツの奥平総一郎取締役社長は、「タントは、すべてのライフステージに最適な1台であると思うからこそ、DNGAによって開発するクルマの第1弾はタントにした。多くの人に乗って欲しい」と、述べた。
続けて、製品企画部チーフエンジニアを務める田代正俊氏は、「DNGAによって開発されたプラットフォームによって、高い基本性能を実現しました」と、話す。
新開発のプラットフォームは、軽量かつ高剛性が特徴という。曲げ剛性は従来に比べ約30%向上し、かつ約40kg軽くなったそうだ。
足まわりは、サスペンションジオメトリー(足まわり部品の配置、角度など)をゼロから開発。また、部品点数の削減や構造合理化などによって、足まわり全体で約10kgの軽量化(先代比)を実現したという。
搭載するエンジンは大幅改良した658cc直列3気筒だ。NA(最高出力52ps/最大トルク60Nm)およびターボ(64ps/100Nm)を選べる。
このエンジンは、日本初の複数回点火システムを搭載し、かつ燃料噴射方法を改良するなど、燃焼効率を向上させたという。また、NA車は軽乗用車初の平成30年排ガス基準75%低減レベルである「5☆」を獲得している。
先進安全装備も充実
新型タントは全車、予防安全機能群である「次世代スマートアシスト」を標準化した。
従来モデルにも搭載されていた「衝突警報機能」、「衝突回避支援ブレーキ機能」、「車線逸脱警報機能」、「先行車発進お知らせ機能」、「オートハイビーム」にくわえ、あらたに、クルマが車線をはみ出しそうになると、車線内に戻るようステアリング操作をアシストする「車線逸脱抑制制御機能」や、進入禁止の標識をステレオカメラが検知し、メーターパネル内で知らせる「標識認識機能」、「ブレーキ制御付誤発進抑制機能(前方・後方)」などを搭載した。
またオプションで、全車速追従機能付きACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)やLKC(レーン・キーピング・コントロール)、最新の駐車支援システムなども装着可能だ。
540mmのロングスライド・シート!
実用性は大幅に向上した。注目すべきは世界初の運転席ロングスライドシート機構だ。なんと、運転席のスライド幅は540mmに達する。1番後ろにセットすると、リアシートに座る子どもの世話などが容易になるという。
なお最後端まで下げるには、シフトポジションがPレンジの場合のみとし(さらに専用スウィッチを押す必要がある)、安全性に配慮している。
ほかにも軽乗用車初の助手席イージークローザー機構(半ドア状態でも自動でドアを全閉する)や、カードキーを携行していれば、自動で後席のパワースライドドアが開く「ウェルカムオープン機能」(軽自動車初)などを搭載する。
なお先代同様、助手席側はピラーレスとし、高い乗降性を実現した。
新型タントの価格は122万〜187万3800円だ。標準仕様のほか、専用のエアロ・パーツなどを装着した「カスタム」の仕様も選べる。