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GM、海外仕様の新型SUVを日本投入 左ハンドルのまま… 国内メーカーは苦言
米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は13日、新型スポーツ用多目的車(SUV)「キャデラックXT5クロスオーバー」を10月28日に日本市場で発売すると発表した。全長4.8メートルと大型で、左ハンドルの設定しかない海外仕様のままとした。GMの2016年の日本販売は1000台超と苦戦しており、右ハンドルを設けなかった新型車が、どこまで反転攻勢の起爆剤になるかは未知数だ。
XT5には排気量3.6リットルのV6エンジンを搭載。自動ブレーキや衝突軽減装置など最新の安全機能を装備した。価格は668万5200円から。13日、東京都内で会見したGMの日本法人、GMジャパンの若松格社長は「XT5は日本で成功すると確信している」と意気込んだが、日本で実際にどれだけ受け入れられるかは不透明だ。
理由の一つが車のサイズ。SUVは日本でも人気車種だが、主流はトヨタ自動車の「C-HR」やホンダの「ヴェゼル」など全長4.2メートル程度の小型モデル。狭い道が多い日本の道路事情を踏まえると、全長が長く重量が重いのは取り回しや燃費で劣勢となる。しかも右ハンドルの設定がないのも日本の自動車ユーザーには売り込みにくい。
GMが日本市場で投入している「キャデラック」と「シボレー」ブランドの販売は低迷している。大部分の車種が燃費に劣る中・大型の上、左ハンドル設定のためで、日本市場でのシェアは0.1%にも満たない。
トランプ米大統領は今年1月、日本での米車の販売シェアが低いことに「不公平だ」と批判したが、日本の自動車関税は既にゼロで、競争条件は同じ。日本の自動車メーカーは、米車の低迷に対し「日本の道路事情に合う右ハンドルの設定など、売るための努力が足りないのでは」と口をそろえる。