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ランボ、ジャガー、ボルボ…高級車ブランドのSUV続々 国産車からシェア奪取狙う
スポーツ用多目的車(SUV)市場の活況が続く中、輸入車各社は相次いで新型の高級SUVを投入している。イタリアのランボルギーニが今月上旬にスーパーカー並みの走行性能が売りのSUVを発表したのに続き、22日には英ジャガーが小型SUVを公開。3月にはスウェーデンのボルボも新型車を投入する計画だ。家族連れや女性からも人気を集めるSUV市場を開拓することで、顧客の裾野を広げる狙いだ。
「ジャガーは男性のイメージが強いが、女性も取り込みたい」。ジャガー・ランドローバー・ジャパンは22日に東京都内で小型SUV「Eペイス」の発表会を開き、マーケティング・広報部ディレクターの若林敬一氏がそう力を込めた。
富裕層以外の30~40代の顧客を獲得する足がかりにもする構えで、購入者の約6割を年収1000万円以下が占めるようにする。
同日受注を始めた排気量2リットルのEペイスはジャガー初のSUV「Fペイス」に比べ全長が33センチメートル小さく、街中の狭い道路でも走りやすくした。希望小売価格は451万~764万円。
2017年のジャガーの販売台数は16年比9.3%減の2614台。Eペイスの投入で、今年は前年比30~50%の伸びの実現を目指す。
一方、ランボルギーニは今月6日、4.0リットルのSUV「ウルス」を日本で初公開。停止状態から時速100キロまでわずか3.6秒で達し、最高時速は305キロに及ぶ。価格は税別2574万円。同社のステファノ・ドメニカリ最高経営責任者(CEO)も「家族や友人と乗ってほしい」と、顧客層の拡大に意欲を示した。
ボルボ・カー・ジャパンも3月後半に都会になじむデザインと走行・安全性能が際立つ小型SUV「XC40」を投入し、小型から大型にいたるすべての需要を取り込める態勢が整う。
日本自動車輸入組合は「SUVの選択肢が広がれば輸入車販売の増加につながる」と期待する。05年を頂点に過熱したミニバンブームで輸入車は傍観者だったが、SUVは主戦場と位置付け国産車からシェアを奪う好機にしたい考えだ。