プレゼンテーション「新型Eペイス 発表会」

ジャガー・ランドローバー・ジャパン株式会社 / 技術

新型Eペイス 発表会

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ジャガー、SUV第2弾モデルの“コンパクト・パフォーマンスSUV”「E-PACE」日本導入 「スポーツカーとしての運転性能と実用性を兼ね備え、日本市場にピッタリ」とハンソン社長

2018年2月22日 開催

451万円~738万円(ディーゼルモデル)

475万円~759万円(ガソリンモデル)

 ジャガー・ランドローバー・ジャパン(ジャガー)は2月22日、5名乗りの新型コンパクトSUV「E-PACE(Eペイス)」の受注を開始した。価格はディーゼルモデルが451万円~738万円、ガソリンモデルが475万円~759万円。

 同日、都内でE-PACEの発表会を開催し、ジャガー・ランドローバー・ジャパン 代表取締役社長のマグナス・ハンソン氏が挨拶を行なうとともに、マーケティング・広報部 ディレクターの若林敬市氏からE-PACEの概要について説明が行なわれた。

 E-PACEはブランド初のSUVとして2015年に発表された「F-PACE(Fペイス)」に続くSUV第2弾モデル。ディーゼル車9モデル、ガソリン車15モデルの計24モデルという幅広いラインアップを展開し、その中にはデビューから1年間のみ販売される限定グレードとして「FIRST EDITION」も設定する。

 F-PACEのボディサイズが4740×1935×1665mm(全長×全幅×全高、PUREモデル)、ホイールベースが2875mmなのに対し、今回のE-PACEでは4410×1900×1650mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2680mmとコンパクトに仕上げつつ、広い室内空間や実用性も兼ね備えたという。

 エクステリアではダイナミックなフロントグリルやヘッドライト、ロングホイールベース&ショートオーバーハングなど、同社のスポーツカー「F-TYPE」からインスピレーションを得たデザインを採用。リアウィンドウ上のスポイラーと一体化した流線形のルーフラインでE-PACEならではのクーペスタイルを表現し、サイドにプレスラインを入れることでグラマラスながら引き締まったボディに仕上げたという。

 また、動物のジャガーの親子をモチーフにしたグラフィックをフロントウィンドウの隅やドアミラーから路面を照らすアプローチライトに採用したほか、ジャガー柄のシートラベルやセンターコンソールフロアなど、独自の遊び心あるデザインを採用しているのもE-PACEのトピックの1つになっている。

 インテリアでは10.2インチタッチスクリーンのインフォテインメントシステム「InControl Touch Pro」に4G通信機能を新たに導入し、コネクティビティ機能を強化。スマートフォンのアプリを介して、車両から離れた場所でドアのロックや解除、エアコンの操作、走行履歴や車両状態を確認したり、緊急時にはスマートロードサイドアシスタンスやSOS緊急コールに繋いだりすることが可能という。

 また、周囲の状況をモニターして状況に応じて点灯/消灯、減光、ビームの距離を自動的に最適な配光を行なうマトリックスLEDヘッドライトや、速度/ギヤポジション/ナビゲーションの指示といったデータをフロントガラス上にカラーで投影する第2世代のヘッド・アップ・ディスプレイ(HUD)といった先進システムがオプションで用意される。

 最大幅1300mmのラゲッジについては通常時で577Lという容量を確保し、リアシートを折りたたむことで最大1234Lまで拡大可能。また、センターコンソールには取り外し式のカップホルダーを備え、小型のタブレットや750mlのペットボトル4本をフラットに収納できるとともに、左右のフロントドアにも深さのあるドアポケットを備えるなど、使い勝手も考慮されたデザインを採用している。

 パワートレーンについては、最高出力132kW(180PS)/4000rpm、最大トルク430Nm/1500-4500rpmの直列4気筒DOHC 2.0リッターディーゼル「204DT」エンジンとともに、ガソリンの直列4気筒DOHC 2.0リッターターボ「PT204」エンジンの2種類を用意。ガソリンエンジンには最高出力183kW(249PS)/5500rpm、最大トルク365Nm/1300-4500rpmの「P250」と、最高出力221kW(300PS)/5500rpm、最大トルク400Nm/1500-2000rpmの「P300」という2種類を設定する。トランスミッションはいずれもジャガー初採用の9速ATを組み合わせる。

 駆動方式は全グレードとも4WDとなり、足まわりにはマクファーソンストラット式フロントサスペンションとF-PACE譲りのインテグラルリンク式リアサスペンションを採用。さらに、「P300」仕様にはよりコーナリング性能の向上に主眼を置いたアクティブ・ドライブラインを標準装備。これは、通常走行時にはトルクを前輪50%/後輪50%に、安定した路面での巡航時には前輪に100%を割り当て燃料消費を抑制。前輪がスリップするなど4WDが必要な条件では0.3秒以内に後輪へトルクを伝達し、グリップレベルに応じて後輪に最大100%まで配分することで、スムーズで安定した走行を可能にするもの。コーナリング時にはリア外輪により多くのトルクを配分するトルクベクタリングでヨーレート(回転運動)を発生させ、後輪駆動のスポーツカーのような走りを実現するという。

 なお、「FIRST EDITION」ではサテングレーダイヤモンドターンドフィニッシュの20インチスタイル6014アロイホイールやフレームレッドツインニードルコントラストステッチを施したエボニーウィンザーレザーシート、「FIRST EDITION」ロゴ入りのメタルトレッドプレートなどの専用装備が与えられた。また、パノラミックルーフやHUD(ヘッドアップディスプレイ)などを標準装備するとともに、ボディカラーは「FIRST EDITION」専用カラーのカルデラレッドをはじめ、サントリーニブラック、ユーロンホワイトの3色から選択可能になっている。

日本市場にピッタリなE-PACE
 発表会の冒頭に挨拶を行なったマグナス・ハンソン社長は、「ここ数年、ジャガー・ランドローバーは前代未聞の積極的な製品攻勢に出ています。2017年はレンジローバーファミリー4番目のモデルとなる、美しいレンジローバー ヴェラールをローンチし、第5世代のディスカバリーをローンチしたのも2017年でした。また、ジャガー・ランドローバーINGENIUMディーゼルエンジンをディスカバリー・スポーツに搭載することで、日本におけるランドローバー全モデルにディーゼルエンジンモデルをご用意することになりました」。

「ジャガーの製品ラインアップはFタイプ、XE、XF、直近ではXF スポーツブレイクの登場で刷新されてきました。新生ジャガーをもたらした主要モデルの1つはジャガー初のSUVであるF-PACEで、2017年にはワールド・カー・オブ・ザ・イヤー、ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤーを同時に受賞しました。ジャーナリストの皆さまに好評を博したのみならず、ジャガー史上最速ペースで販売台数を増やしたのです。ジャガーは引き続きラインアップにSUVを投入していきますが、スポーツカーらしさ、抜群のデザインとスタイリングというジャガーらしさを守り抜きます。もう間もなく、ジャガー初のエレクトリック・パフォーマンスSUVの『I-PACE』がジュネーブモーターショー直前に披露されます」と、これまでの振り返りとともに今後SUV攻勢を強めていくことをアピール。

 そして日本導入された今回のE-PACEについては、「私たちはE-PACEを“ベイビージャガー”と呼んでいます。“ベイビージャガー”にはサイズがコンパクトであること、新たに誕生したジャガーという2つの意味があります。F-PACEの登場で、ジャガーブランドはSUV市場に参入し、成功を収めました。E-PACEはコンパクト・パフォーマンスSUVとしてスポーツカーとしての運転性能と実用性を兼ね備え、日本市場にピッタリです。E-PACEもF-PACEと同様に成功し、多くの新しいお客さまをジャガーにお迎えできると確信しています」とアピールを行なった。

 また、会場ではジャガー・ランドローバーでチーフデザイナーを務めるイアン・カラム氏のビデオレターも放映され、カラム氏は「私たちがE-PACEの開発でやりたかったことは、最先端かつ全く新しい何かを創造することでした。控えめな存在ながら、確固たる個性を兼ね備えたクルマを造りたかったのです。私たちは他社ブランドのSUVよりスポーティなものを求めました。他のSUVと足並みをそろえるのではなく、むしろ対極を目指すためにF-TYPEからヒントをもらうことにしました。シートに座った瞬間、実用だけを求めたSUVではないことを感じるでしょう。今まで感じたことがない、運転がしたくなる、楽しめるような感覚に陥りワクワクしてくるでしょう」と、デザインをするうえでのコンセプトについて解説。

 加えて「E-PACEはジャガーファミリーの子供です。そのためにフロントウィンドウにはジャガー親子のモチーフを施し、皆さんはそれを見るとほほえましく感じることでしょう。スポーティなデザインで一番重要なのは、クルマ全体のプロポーションです。スピード感と躍動感を醸し出すボディライン、コクピットはスポーツカーのような適度なタイト感を醸し出したいと思いました。センターコンソールのデザインもスポーツカーのコクピットにいるような感覚を与えてくれます。ヘッドライトはF-TYPEのヘッドライトのデザイン要素を取り入れ、テールランプはサイドからリアにかけて流れるきれいなラインがスピード感をさらに際立たせます。私たちは新しいクルマにすでに確立しているシンボリックなものを利用してイメージを誘導する手法をよく取り入れます。シケインラインという言葉をよく使います。なぜならモータースポーツのイメージそのものだからです。このクルマの中のデザインにもいくつかのシケインラインを表現し、ダッシュボードの上を見るとそのようなラインが見えます。レーシングカーがシケインを綺麗に走り抜けるイメージが沸き起こります」とデザインの特徴について語るとともに、「ジャガーはどんなモデルでも初めて感じる楽しさがあります。私は大好きです。E-PACEは楽しさがありますが、非常にまじめなクルマでジャガーの伝統も継承しています。私たちも新しいジャガーの楽しい感覚をお客さまと一緒に味わいたいと思っています。ジャガーというクルマに接し、より多くの人々が笑顔でいてほしいと願っています」と、E-PACEについてアピールした。