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シトロエン、クロスオーバースタイルに生まれ変わった新型「C3」発表会
シトロエン(プジョー・シトロエン・ジャポン)は7月7日、5ドアハッチバック「C3」をフルモデルチェンジして発売し、都内でプレス発表会を開催した。
新しいC3は「フィール」(216万円)、「シャイン」(239万円)の2グレード展開となり、パワートレーンには直列3気筒DOHC 1.2リッターターボエンジンと6速ATを用意。このほかの詳細は関連記事「シトロエン、ドライビング風景を撮影する世界初『コネクテッドカム』搭載の新型『C3』」を参照していただきたい。
発表会では、最初にプジョー・シトロエン・ジャポン 代表取締役社長のクリストフ・プレヴォ氏が登壇。プレヴォ氏は1922年に日本市場での販売がスタートして100年近い歴史を重ねてきたシトロエンだが、現代において新たな章の幕開けを迎えていると語り、一方でこの新しい歴史にも、創始者であるアンドレ・シトロエンの魂がしっかりと宿っているとプレゼンテーションの口火を切った。
プレヴォ氏はアンドレ・シトロエンの魂とは、自動車に対して「ユニーク」「創造的、かつオプティミスティック」といったもので、楽観的な見方を持ったブランドのあり方を追求していると解説。これを受け、自分たちはシトロエンブランドを「真のアイコン的ブランド」と位置付け、上昇志向の高いブランドにしたいとの野望を持っていると語った。
この実現に向け、「製品」「販売ネットワーク」「シトロエンブランドとのつながりを意識したサービスの提供」という3点を基盤に積み重ねていくと市場戦略を紹介し、このなかで新たに「シトロエンアドバイザー」と呼ぶサービスの導入を間近に控えており、このシトロエンアドバイザーでは、ユーザーが自分たちのシトロエン車についてのほか、シトロエンディーラーでの体験などをインターネット上で評価できるという。
また、シトロエンのプロダクト戦略は、世界の市場で適用できるデザインをクルマに与えることに加え、各地での要求やユーザーの期待に応えるプロダクトを用意することに重きを置いていると語り、とくに日本市場のユーザーは、デザインの創造性や技術面などに渡って要求レベルが高いと認識。そこで、新しいC3の導入などで今年のプロダクト戦略を構築していると述べた。
新型C3が持つ特徴としては、どのクルマを見てもひと目でシトロエンのモデルと分かるユニークで強い特徴を持つ「一貫性」、PSAグループで開発されたプラットフォームやトランスミッションなどの最新技術を導入する「テクノロジー」を持っているとアピール。また、「テクノロジー」ではシトロエンモデルならではのポイントである「シトロエン・アドバンストコンフォート」を導入。近代的な心地よさをバランスよく追求するシートとサスペンションを採用しており、さらにシトロエンのDNA技術「プログレッシブ・ハイドロリッククッション」も搭載していると説明した。
プレヴォ氏はこの新型C3を市場導入することで、日本市場でメジャーなセグメントに特徴のある製品を提供できること、日本市場での成長を目指していることなどが明らかになると語った。
新型C3のスペックなどについては、プジョー・シトロエン・ジャポン マーケティング部 商品企画グループ マネジャー 関博幸氏が解説を実施。
関氏は、シトロエンのベストセラーカーであるC3が、2002年のデビューからこれまでに世界で累計350万台以上を販売していると紹介し、シトロエン全体での販売台数で5分の1を占めているほか、日本市場では販売比率が3分の1となっている非常に重要なモデルであると解説。3代目となる新しいC3も同様の位置を占めることを期待しているという。
フルモデルチェンジに際して行なった市場調査では、「実用性」「快適な乗り心地」「価格」といった基本性能の部分がカスタマーから重視されるとしつつ、さらに「守られているという安心感」「個性を主張できるユニークさ」「いつでも仲間たちとつながっていたい」という要望も寄せられたという。このため、新型C3では「従来のセグメントの殻を破るなにか」が必要であるとされ、「デザイン」「カスタマイゼーション」「コンフォート」「テクノロジー」の4点をキーワードに開発を実施したと関氏は紹介。
「デザイン」では、シトロエンの「C4 ピカソ」「C4 カクタス」から受け継がれたスタイリングコードにより、強烈な存在感を放つフロントマスクを与えてC3にユニークさを付与。2層に配置したデイタイムランプとヘッドライトが大きな特徴であり、サイドビューではウィンドウまわりやフェンダーアーチ、ホイールの一部などをブラックアウトしてたくましさを表現しているという。さらにC4 カクタスで初採用した、樹脂に空気を封入した「エアバンプ」を全車に装着。実際に外部からの軽微なショックを和らげる効果を持ち、乗員に「守られている」という安心感を与えてくれると解説した。
また、「カスタマイゼーション」ではボディカラー7色に3種類のルーフカラーをそれぞれ組み合わせ可能としており、さらにグレーをベースにした内装でも「グリーン&ブラック」「アーバンレッド」という2種類のインパネ加飾を設定。ユーザーの多様なニーズに応えられるとしている。
「コンフォート」はシトロエンブランドがスタートした当時から一貫して追及しているDNAと言える部分だと関氏は語り、近年になって再定義した「シトロエン・アドバンストコンフォート」に沿って開発を実施。シトロエン独自のサスペンション設計により「セグメントで類を見ない極上の足まわり表現している」と位置付けるほか、パワーステアリングも低速時の滑らかな操作性にこだわって市街地での良好な取りまわしを実現しているとアピールした。
「テクノロジー」では先進安全装備である「アクティブセーフティブレーキ」をはじめ、「レーンデパーチャーウォーニング」「ドライバーアテンションアラート」などの各種運転支援機能を搭載。また、搭載する直列3気筒DOHC 1.2リッターターボエンジンは最高出力81Kw(110PS)/5500rpm、最大トルク205Nm/1500rpmを発生し、アイシンAWとPSAグループで共同開発した6速AT「EAT6」と組み合わせることでJC08モード燃費18.7km/Lを達成する。
これに加え、新型C3では世界初の装備となる「コネクテッドカム」を採用。運転中にドライバーがソーシャルネットワークとつながることができる装備となっており、ドライブレコーダーとして安全にも寄与するほか、シャッター操作をするだけで、画像やムービーをシェアできるようになっている。
最後に関氏は「ニューC3の登場によってコンパクトセグメントに新しい選択肢が増えました。より多くのみなさまに“シトロエンの考えるフレンチコンパクト”を選択していただけるよう、私どもも顧客満足度の向上を含めたすべての活動で努力してまいりますことをここにお約束します」とコメントしてプレゼンテーションを締めくくった。