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アウディ、フィリップ・ノアック代表取締役社長がプレゼンを行なった新型「A6」発表記者会見
アウディ ジャパンは3月12日、新型「A6」の発表記者会見を開催した。
今回導入される新型A6は8代目のモデルで、ボディタイプはセダンとアバントでグレードはセダン、アバントとも「55 TFSI クワトロ Sライン」「55TFSI クワトロ デビューパッケージ」で、価格はセダンの55 TFSI クワトロ Sラインが1006万円、55TFSI クワトロ デビューパッケージが920万円。アバントは55 TFSI クワトロ Sラインが1041万円で、55TFSI クワトロ デビューパッケージが955万円となっている。
セダン、アバントともにエンジンのバリエーションは1つ。V型6気筒DOHC 3.0リッター 直噴ターボを搭載し、最高出力は250kW(340PS)、最大トルクは500Nm。0-100km/h加速は5.1秒(欧州発表値)、最高速は250km/h(電子リミッター作動)と発表されている。なお、直列4気筒 2.0リッターTFSIや直列4気筒 2.0リッターTDIを搭載するモデルは今後ラインアップに加わる予定となっている。
トランスミッションはDCTの7速Sトロニックで、駆動方式は4WDのクワトロを組み合わせている。なお、新型A6のクワトロは前輪駆動状態がベースで、状況に応じて後輪への駆動配分をアクティブに予測制御する。
A6で最大の特徴は、すべてのモデルで「A8」にも採用されている「MHEV(マイルドハイブリッドパワートレーン)」の技術を搭載しているところ。
このMHEVはベルト駆動式オルタネータースターター(BAS)とリチウムイオン電池で構成されていて、55km/h~160km/hの間でコースティング(惰性走行)が可能になっている。なお、減速時にはBASが最大12kWのエネルギー回生を行なう。これによって100km走行あたり最大0.7Lの燃料消費が削減される。
新型A6は最高出力250kW(340PS)、最大トルク500Nmを発生するV型6気筒DOHC 3.0リッター直噴ターボエンジンを搭載。48VハイブリッドシステムのMHEV(マイルドハイブリッドパワートレーン)も組み込んでいる
足まわりでは先代モデルよりスポーティなハンドリングを実現している。また、市街地での容易な取りまわしやワインディングロードでの俊敏な走り、高速道路での優れた快適性をもたらす4輪操舵技術の「ダイナミック オールステアリングホイール」も搭載する。これはおよそ60km/h以下の速度では逆位相に最大5度、60km/h以上では最大1.5度、後輪をステアするもの。
ドライバーの補助となる先進装備では、「MMIナビゲーションプラス」を標準装備としていて、上位データの転送モジュールは、新しいLTEアドバンストに対応している。
ドライバーアシスタンスシステムの面では、走行車線内を維持するためにステアリング操作に緩やかに介入する「アクティブレーンアシスト」や「トラフィックジャムアシスト」を含む「アダプティブドライブアシスト」に加え、見通しのわるい交差点などで動作する「フロントクロストラフィックアシスト」、全方位の事故を予防し、被害軽減を図る「プレセンス360」が装備される。
そして、導入時期は未定としながらも、将来的にはパーキングスペースへの駐車と出庫の操作を自動的に行なう「パーキングパイロット」と「ガレージパイロット」をセットにした「パークアシストパッケージ」が追加される予定となっている。
新型A6の記者会見にはアウディ ジャパン 代表取締役社長のフィリップ・ノアック氏が登壇した。
新型A6についてノアック氏は「今回ご紹介するA6は8世代目にあたります。つまり、このクルマには伝統があるということです。先代となる『アウディ 100』は累計320万台を販売し、世界中でさまざまな賞を取ったクルマでもあります。そして、このアウディ100とA6を合わせると820万台という販売台数となります」とこのクルマが成功してきたものであることをアピールした。
ノアック氏は続いて「初代がデビューしたのは1968年でした。当時、最も大きなアウディとして話題となり、販売では大きな成功を収めました。技術的なハイライトしては当時の軽量構造でした。そして1976年に2世代目がデビューしました。これを『C2』と社内では呼んでいます。この2世代目では5気筒エンジンを導入しました。そしてアバントが追加されたのも2世代目からです。3世代目のデビューは1982年でした。こちらは空力性能の高いモデルです。さらにC3ではクワトロの高性能な部分が世の中に知られることとなりました。また、TDIエンジンを導入しています。4世代目のハイライトはV6エンジンです、そしてこの4世代目の途中からモデル名をA6へと変更しました」とアウディ100シリーズからA6へ切り替わるまでのトピックを語った。
5世代目からは前輪駆動とCVTを組み合わせるという新しいチャレンジが行なわれた。それに加え、「RS 6」というハイパフォーマンスモデルも登場した。6代目からは現在も使われているシングルフレームグリルが導入された。MMIもこのモデルから搭載されている。
ノアック氏は次に「新型A6は新しいデザイン要素を採用しています。ピンと張った面、キリッと尖ったエッジ、目を引くラインなどアウディらしい特徴を備えています。また、ワイドであり低く広がったシングルフレームグリルとフラットなヘッドライトはフロント部に力強い印象を与えています。サイドビューでは力強く張り出したフェンダーが『アウディ クワトロ』のDNAを受け継ぐ証拠となっています」と新型A6のデザインの特徴を紹介した。
デザインについての解説。張り出したフェンダーはクワトロのDNAを受け継ぐ証拠と紹介
また、最新アウディに採用されているMMIについて触れ、これについては「他のモデルでもおなじみのMMIタッチレスポンスです。この機能はスマートフォンのような操作が可能で、ダッシュボード上からほぼすべてのボタン類を排除することができました。これはまさに新世代のインターフェイスです」と解説。
さらにもう1つ「私が大事にしていることを紹介します。アウディのアイコンでもあるアバントです。本日はA6 アバントも同時にデビューします。アバントは洗練されたデザインと高い機能性を持ち、世界各国で高い評価を受けているクルマです」とアバントの存在も付け加えた。
新型A6のインテリア。すべてのモニターはドライバー側へ傾斜しているコクピットスタイルで、MMIタッチレスポンスの採用によりダッシュボードからほぼすべてのスイッチがなくなったという
最後にノアック氏からは「新型A6を日本の市場に導入できることを非常にうれしく、誇りに思います。最後に私から戦略について少し紹介させていただきます。われわれには3つの戦略の柱があります。それは商品構成、ネットワークの強化、お客さまを中心に添えた取り組みです。アウディの2019年はほぼ毎月、新しいモデルを投入してまいります。これを私どもは商品構成と呼んでいます。そしてもう1つお話ししたいのが、カスタマーセントリシティというお客さまを中心に添えた取り組みです。これは単にお客さま満足度の向上を目指すだけではありません。アウディブランドは新しい技術を駆使して新たな価値あるものを作り出してまいります。このような新しいテクノロジーへの挑戦は大事なことですが、それ以上に大切なのがお客さまの視点です。アウディ ジャパンとしましてもお客さまのフィールドを日々研究してまいります」と語った。