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アウディがクーペフォルムの電動SUV「eトロン スポーツバック」を発売。航続可能距離は405km
2020年9月17日、アウディジャパンは電気自動車(EV)の新型SUV「eトロン スポーツバック 1stエディション(Audi e-tron Sportback 1st edition)」を発表・発売した。車両価格は1327万円〜1346万円。
全長4.9mのラージサイズボディを持つSUVの電気自動車
モーターで駆動するピュアEV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド)など、電動化モデルのラインアップ強化、そしてその販売比率を2025年までに40%まで拡大させることを目標とするアウディ。日本市場でもA6やA7スポーツバックに48V電源とモーターを組み合わせたMHEV(マイルドハイブリッド)のグレードを設定するなど、すでに電動化攻勢は始まっている。
現在日本でのラインアップにPHEVは含まれていないが、欧州ではすでにA8やQ7などのラージボディモデルに導入、そしてコンパクトなA3にも「TSFI e」グレードを設定することが公表されている。
さて、電動化を進めるアウディは2020年9月16日、日本市場で初のEV「eトロン スポーツバック」を発売した。およそ1カ月前の8月に導入が予告されており、予定どおりの発表となった。
アウディSUVのQシリーズで「スポーツバック」と呼ばれるモデルはクーペフォルムをまとったクロスオーバーSUVとなり、今回のモデルも同様に低い弧を描くルーフラインと強く傾斜したリアガラスを特徴とする。また、リアフェンダーの直線的なふくらみは同社の4WDシステム「クワトロ」による力強い走りを想起させるものだ。
インテリアは従来モデルよりも多様なデジタル技術が投入され、ダッシュボード中央にはタッチパネルディスプレイがふたつ上下に並べられ、さらにメーターパネルに計器類だけでなくカーナビ画面や車両設定画面などを映し出す「バーチャルコックピット」も組み合わされて先進性を強調する。
もうひとつ先進技術としてアウディ初採用となるシステムが「バーチャルエクステリアミラー」である。その名のとおりドアミラーをデジタル化したもので、Aピラーの付け根部分に配置された小型カメラで車両後方を捉え、ダッシュパネルとドアの間に配置されたOLED(有機EL)ディスプレイに映像を映し出すというもの。空気抵抗を小さくできるだけでなく、雨や雪などの環境に左右されにくいクリアな視界を確保してくれる。
欧州ではパワーやバッテリー容量などの異なる55クワトロと50クワトロのふたつのグレード展開となるが、日本では前者55クワトロをベースとした「1stエディション(右ハンドル仕様)」をまずは発売される。95kWh容量のバッテリーを車両中央の床下に搭載し、モーターを前後にふたつ配置した電気式4WDだ。
モーターパワーは前125kW(約170ps)/247Nm、後140kW(約190ps)/314Nmを発生し、通常走行時はおもに後輪だけで駆動。急加速やコーナリングなどの操作、滑りやすい路面状況などを検知すると前輪のモーターも駆動させるシステムだ。モータートルクが立ち上がるまでの時間は0.03秒と、まさに電光石火なレスポンスだからこそ走行性能・安定性能をより確実に向上させることができる。
またドライブモードにブースト機能があり、8秒間だけモーターパワーを合計で300kW(約408ps)/664Nmに増大させることができる。これにより、0→100km/h加速は6秒未満を実現するという。
バッテリーを満充電にした状態での航続可能距離は405km(WLTCモード)となる。充電設備は家庭用普通AC(交流200V・標準3kWオプションで8kW)、全国に7800カ所に設置されているCHAdeMO規格の急速充電器(50kWまで)に対応し、残量ゼロの状態からおよそ80%まで急速充電(50kW出力)するのに約1時間半かかるという。
1stエディションはアコースティックサイドガラスやBang&Olufsen 3Dサウンドシステムなどを含むサイレンスパッケージ、21インチアルミホイール、オレンジに塗装されたブレーキキャリパーなどを特別装備した導入記念モデルである。