日本経済新聞
デンソー、ソフト開発者3割増 モーターショー一般公開
2年に1回の東京モーターショーは25日、一般公開が始まった。新たな自動運転技術を盛り込んだ電気自動車(EV)のコンセプト車などを展示している。幅広い層の関心を集めるためチケットなしで観覧できるエリアも設けた。主催者側は11月4日までの期間中に、2017年の前回より20万人以上多い100万人の来場を目指している。
デンソーは24日、一般公開に先立って有馬浩二社長が会場内で記者会見し、ソフトウエアの開発者を2025年までに現状より3割増やして1万2000人とする計画を明らかにした。自動運転や電動化など「CASE」に対応する狙いだ。日本に加え、欧米やアジアなどで人員を拡充する。
「世界中の拠点を拡充し、ソフトウエア開発を24時間体制で強力に進める」(有馬社長)。
デンソーは自動運転や電動車向け製品の開発、生産を強化しており、基幹部品となる半導体やセンサー、ECU(電子制御装置)、モーターの分野で17年度からの3年間に約5700億円を投資してきた。ソフト分野でも陣容を拡充し、独ボッシュなどメガサプライヤーに対抗していく。
有馬社長はデンソーのCASEの取り組みも紹介。電動化ではアイシン精機と駆動モジュールを開発する新会社を設立するなど「仲間づくりを進めてきた」と強調した。
世界シェア1位のカーエアコンで培った「熱マネジメント」技術が電動化で強みになることにも言及。効率的な技術の開発で「(EVで)航続距離を25%延長、バッテリー充電時間を3分の1に短縮、バッテリーの寿命も20%延長することを実現する」と語った。
自動運転ではアイシンやジェイテクトなどトヨタグループ4社で、統合制御技術を開発する新会社「ジェイクワッド・ダイナミクス」を4月に立ち上げた。同社には4社から合計200人が送り込まれている。同日、日本経済新聞の取材に応じた同社の隈部肇社長は「20年以降、新会社としての独自製品を開発して世に出す」とした。