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【東京モーターショー 2019】電動化、セーフティ、コネクテッドで未来のモビリティを見せるデンソー
10月23日、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で「第46回 東京モーターショー 2019」が開幕した。10月25日はプレビューデー、10月25日~11月4日が一般公開日となる。
東京ビッグサイト 西4ホール(W4202)では、デンソーが未来のモビリティ社会のための技術を紹介するブースを出展している。浜名湖電装、アンデン、京三電機との共同出展となる。
プレスカンファレンスでは、デンソー 取締役社長 有馬浩二氏が登壇し、2019年でデンソーが70周年を迎え、デンソーが生み出したQRコードが25周年を迎えたこと、4月に電動化に向けた駆動モジュールの開発、販売を担う新会社「BluE Nexus(ブルーイー ネクサス)」をアイシン精機と設立したこと、同じく4月にトヨタグループ4社で自動運転領域の新会社「J-QuAD DYNAMICS(ジェイクワッドダイナミクス)」を立ち上げたことの報告があった。
ほかにも、デンソーグループ全体で2018年度からの3年間で約1800億円を投資し、電動化領域をさらに強化。2020年5月には、トヨタ自動車 広瀬工場と一体となって電動化製品の開発から量産までを行なう「電動開発センター」をデンソー安城製作所内に立ち上げるほか、キーデバイス領域の半導体、センサー、ECU、モーターに、2017年度からの3年間で約5700億円を投資。2020年4月にはトヨタ自動車と共に、車載半導体の研究、先行開発をする新会社を設立する。
環境にやさしいパワートレーンの進化、普及に向け、EV(電気自動車)だけでなく、内燃機関からHV(ハイブリッドカー)、PHV(プラグインハイブリッドカー)、FCV(燃料電池車)に至るまで全方位で対応。中でも水素エネルギー利用は重要と考え、商用車のCO2排出量削減への貢献度が大きいため、より注力する。
自動運転ではECUによる演算量の増加から、ECUの熱マネジメントが重要となってくる。カーエアコンをはじめとする熱マネジメントの技術を使い、車両全体の効率的なエネルギーマネジメントを行ない、従来のEVと比べ、「航続距離を25%延長、バッテリー充電時間を3分の1に短縮、バッテリー寿命を20%延長することを実現していく」と語った。
また、ソフトウエア開発力の強化のため、2025年までに、世界全体でソフトウェア人材を9000人から1万2000人まで拡大。24時間体制でスピードアップして開発を進めていく。
クルマがクラウドとつながるコネクテッド・ソリューション
クラウドと繋がった未来のモビリティを体感できるコネクテッドデモカーの「DENSO URBAN MOVES」では、ビジネス、旅行、日常生活から選択して、どのように便利になるのかを車内で体験できる。デスクが大型のタッチパネルディスプレイとなっていて、画面で操作ができ、車窓にはシーンに応じたデモ映像が流れ、半透過ディスプレイには情報が表示される。
カーセキュリティのデモでは、「モビリティ IoT コア」で実際に動作させている状態で、クラウドを使ったセキュリティシステムのデモを体験できる。模型のクルマを揺さぶると、振動を検知して発報。スマートフォンなどに通知が送られ、カメラによる映像を確認できる。必要に応じて警告を発することもできる。
また、キーを発行することで、遠隔操作にてトランクを解錠したり、エンジン始動を許可したりする「キーフォブ」ボックスのデモもある。トランク解錠は外出時に宅配荷物を受け取ることをイメージしている。ドア解錠やエンジンキーはカーシェアリングなどで利用する。こちらもモビリティ IoT コアに追加する形で利用する。
暗くても周囲を監視できるセーフティ・ソリューション
低照度の環境を実際に作り、画像センサーとミリ波レーダーの性能を、ミニカーとプロジェクション・マッピングで確認できるコーナー。ほぼ月明かりの照度の1ルクスでの画像認識を体験できる。
このコーナーで使用している単眼の画像センサーは、デンソー「Global Safety Package」を使用している。明暗の露出を変えた3枚の写真を使用することで、明暗差の大きなシーンでも対応できる。いわゆるHDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)の画像を活用している。
クルマの電動化を支えるエネルギー・ソリューション
電動化のために重要な、モーター、インバーター、電池監視ユニットなどが展示される。展示だけではなく、AR(拡張現実)を駆使した解説を見ることができるモックアップカーや映像などを使い、技術が分かりやすく解説展示されている。