プレゼンテーション「新型メガーヌ 発表会」

ルノー・ジャポン株式会社 / 技術

新型メガーヌ 発表会

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ルノー、“これまでにない走りの楽しさと先進の安全性”を兼ね備えた新型「メガーヌ」発表会

 ルノー・ジャポンは10月4日、前後輪すべてを操舵させる「4コントロール」システムを搭載した、4代目となる新型「メガーヌ」の発表会を六本木ヒルズ 大屋根プラザ(東京都港区六本木)で開催した。

 今回、日本に導入されることになった新しいメガーヌは、F1のチームを率いるルノー・スポールが開発を手掛け、モータースポーツのDNAが注入された「GT」の3モデル。メガーヌ GTは334万円、メガーヌ スポーツ・ツアラーGTは354万円、メガーヌ GT-Lineは263万円となっている。

 前後輪すべてを操舵させる4コントロール(GT、スポーツ・ツアラーGTに搭載)を採用し、ワインディングなどでのコーナーリング性能を向上。また、低速時には最小回転半径が小さくできるため、取りまわし性能も向上している。

 エンジンは、GT、スポーツ・ツアラーGTが最高出力205PSの1.6リッター直噴ターボエンジン、GT-Lineには最高出力132PSの1.2リッター直噴ターボエンジンが搭載され、いずれも電子制御7速AT(7EDC)との組み合わせとなる。

 また、12個のセンサーと2つのカメラ、ミリ波レーダーで車両の周囲360度の情報を解析して各種運転支援機能を作動させる「ルノー運転支援システム」も採用され、先進の安全性を兼ね備えたスポーツモデルとなっている。

 エクステリアは、フロントマスクではつやのあるハニカムメッシュのグリルに大きなロゴを配し、ボンネットは彫刻的な造形が施された印象的なデザインを採用。長いフロントフェンダーと短いリアフェンダーの組み合わせで非常にバランスの取れたプロポーションとなった。

 ヘッドライトにはルノーデザインを象徴した“C”シェイプ フルLEDランプ(GT-Lineはハロゲンランプ)を採用し、オートハイ/ロービームを装備。リアでは左右に連なる光のラインを形成した常時点灯の立体感のある3Dリアランプが装備される。

 7インチフルカラーTFTメーターは表示パターンと5色のカラーから任意で変更することが可能。耐久性の高いアルカンタラで縫製されたヘッドレスト一体型スポーツシートはホールド性が高く、かつ乗り心地も追求した作り。4輪操舵システムの4コントロールは、ルノー・スポールによってチューニングされた4輪を操舵するシステム。電子制御のアクチュエーターでタイロッド(リアタイヤの向きを決める連結棒)を動かし、リアタイヤを操舵する。リアタイヤの最大切れ角は最大2.7度。緊急時(ステアリングの回転速度からシステムが判断)には、リアタイヤの舵角を増やして車体の動きを安定させる。快適性を損なわず、シャープで正確、そして安心感のあるハンドリングが可能となり、コーナーリング性能を向上。スポーティでダイナミック、正確なコーナーリングフィールを実現する。

 センターコンソールの7インチマルチファンクションタッチスクリーンの操作で、走行モードや車内の環境をカスタマイズできる「ルノー マルチセンス」機能を採用。走行モードによってエンジン音(R-サウンド)や空調などが変化。GTとスポーツ・ツアラーGTでは、車両が停止した状態から最大の加速力で発進させることができる「ローンチコントロール」がスポーツモードで選択可能となる。また、1度に複数段のシフトダウンが行なえるマルチシフトダウン機能も付いた。

 発表会でルノー・ジャポン 代表取締役社長 大極司氏は「私どもルノー・ジャポンは、『このルノーのブランドをどのようにこの日本に定着させ、そして確立していくか』ということをずっと考えてきて、私どもが『FTS』と呼んでいる戦略、フレンチタッチ、トレンディ、スポーツという3つをブランドの強みに、これに特化した活動をずっとぶれずに続けて参りました。フレンチタッチな素晴らしいデザイン、そしてモータースポーツのDNAを受けたスポーツ走行性能、このエレメントがきちんと注ぎ込まれた素晴らしい商品に仕上がったのが、このメガーヌ GTです」。

「私としては、このメガーヌ GTが私どものブランドの代表と言える商品になったのではないかなという風に考えております。モータースポーツのDNA、それがこのメガーヌ GTにきちんと注入されているわけですが、一番大きな特徴と言いますと、私どもが『4コントロール』と呼んでおります4輪操舵システムです。ルノー・スポールチームがこのクルマをいかに速く、とくにコーナーリングを速く駆け抜けるか。FFでも安定してアンダーが出ない、気持ちよくコーナーを駆け抜ける。そういうことに一生懸命集中して、いろんな技術を試し、トライして行き着いたのが4コントロールであります。かなり熟成させてこの4輪操舵システムを導入し、高速でのコーナーリングに集中して開発した、それがメガーヌ GTです」と新型メガーヌについて紹介。

 また、「この9月の半ばで、私どもの販売数が昨年1年間の販売台数を超えました。これで8年連続の対前年比増という成長を続けることができました。この成長の中心となるのが、Aセグメントの『トゥインゴ』であったり、Bセグメントの『ルーテシア』、そして『カングー』であったわけですが、やはり輸入車の最も厳しい戦場でありますCセグメント。ここでも私どもルノーブランドのプレゼンス向上を図りたい、強めたい、そういう思いでこのメガーヌ GTを投入するわけです。私どもはルノー・スポールが開発したGT、こちらに特化して日本に投入いたします。私どものルノーブランドとはどういったブランドなのかを、日本のみなさまに分かりやすくシンプルに訴えたいと、そういう考えで導入しております」と述べ、メガーヌの導入戦略を説明した。

 ルノー・ジャポンのフレデリック・ブレン氏は、商品解説のなかで「4コントロールというのは4輪ステアリングなんですが、低速時と高速時でリア(タイヤ)の方向が変わります。低速時のほうは俊敏性を追求したもので、ステアリング操作とは逆の方向を向くことができます。最高で2.7度くらいで、ほんのわずかなんですけれども、最小回転半径を通常よりも40cmも減らすことができるメリットがあります。そして、なんといっても高速時にリアホイールがフロントホイールと同じ方向に向きます。そのとき、スタビリティ、レスポンスを追求するんですけれども、ヨースピードが減るんです、ヨースピードが減るということでロールも減ります。ものすごくバランスよく、安定性を持って高速コーナーを駆け抜けることができる。なので安全ということで、安心感も得られるということもありますね」。

「もう1つのメリットは、後ろのホイールも同じ方向を向くということで、ステアリングを切る量が通常よりも40%減ります。ロックtoロックが2.9から2.3へと減るわけですし、急なダブルレーンチェンジは素早く反応してくれるわけですから、このスタビリティとレスポンスと言う点で高速時にメリットがあるのが4コントロールです」と解説。4代目のメガーヌ GTに採用された4コントロールシステムのメリットを語った。

 また、新型メガーヌではルノー・日産アライアンスのCMF(Common Module Family)のC/Dプラットフォームを採用。GTとスポーツ・ツアラーGTのシャシーにはルノー・スポールの専用チューニングが施され、専用のスプリング、ダンパー、アンチロールバー、ステアリングが装備される。ブレーキディスクの直径はGT-Lineよりも30mm大きく、フロント320mm、リア290mmで制動力も向上している。

 タイヤサイズは、GTとスポーツ・ツアラーGTには「MAGNY-COURS」7.5J×18インチアロイホイールに225/40 R18サイズ、GT-Lineには「DECARO」7.0J×17インチアロイホイールに225/45 R17サイズが装着される。リアバンパーとマッチするようデザインされたデュアルエキゾーストパイプが安定感のある引き締まった印象になっている。