三樹書房
BMWミニ新型発表会に出席しました。その様子をお伝えします。
2018年5月16日、ビー・エム・ダブリュー(株)は新型ミニを発表した。発表会の席上、MINI本部長フランソワ・ロカ氏によるオープニングスピーチが印象的だったので、これを中心に紹介しよう。
2002年に登場したBMWミニは世界的な人気を博し、我が国でも8年連続で販売台数を伸ばしてきたと前置きし、同氏は人気の秘密を支える最大の貢献者はその高い商品性にあると説明する。具体的には多彩なバリエーションと限定車。数多くのボディスタイルと、ガソリン、ディーゼル、PHEVといった複数のエンジンを提供し、多様化する顧客の好みに柔軟に対応したこと。そして希少性の高い限定車で潜在顧客の購買意欲をかき立てたことを挙げる。
世界中で売られているミニだが、とりわけ日本市場では好調だ。ロカ氏はその理由として商品性、ブランド力、人材という3つの要素を挙げ、そのどれもが重要だが、日本市場では人材の力が大きいと力説する。ミニには筋金入りのファンが多い。そうしたファンの期待に応える力量を持ったディーラーが、マンツーマンの形で顧客をフォローしている、これがミニ人気を下から支えているという氏の分析は興味深い。
「しかしこれまでの路線を踏襲していたのでは、今後の安定的な販売の伸びは期待できません」と氏はさらなるミニ市場の拡大に意欲を燃やす。その決め手になるのが「より輝かしい先進的なライフスタイルの実現」であり「クリエイティブなソリューションの提供」であるという。やや抽象的な表現だが、従来のブランド力に加えて、ミニが主導的な立場に立って、あらたな付加価値を創造することが重要なテーマだと説明する。
この日の発表会では、”リビング”、”ファション”、”ADO”、”アーバンX”と4つの示唆的なキーワードが示されたに留まったが、本年中に新型ミニを中心に据えた新しいアクティビティが徐々に展開されていくそうだ。
当日発表になったのは3ドア、5ドア、コンバーチブルの3モデル。ひと言で言えば、従来モデルからの正常進化版である。機構面ではトルクコンバーターの代わりに7速DCTが採用になったことが注目。3ドアの場合、全長3835×全幅1725×全高1430mmと、従来形と変わらず、依然として混んだ都市部での取り回しに便利なサイズに収まっている。