プレゼンテーション「新型BMW 3シリーズ セダン製品発表記者会見」

ビー・エム・ダブリュー株式会社 / 技術

新型BMW 3シリーズ セダン製品発表記者会見

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BMW 新型3シリーズ 発表会レポート | 3眼カメラと“OK,BMW”で未来へ発進!【動画あり】

BMWの主要モデル、5年ぶりのフルモデルチェンジ

BMWは2019年1月30日、フルモデルチェンジした新型3シリーズを発表した。価格は452万円から。予約は既に開始されており、発売日は同年3月9日を予定している。

1月30日には記者会見が行われ、ビー・エム・ダブリュー株式会社のペーター・クロンシュナーブル社長とBMW ブランド・マネジメント・ディビジョン プロダクト・マネジャーの御舘康成氏が登壇。同社の主要モデルであり、かつプレミアムスポーツセダンとして支持され続けてきた本モデルがフルモデルチェンジでどう進化したのか、その魅力を語った。

新型3シリーズ、3つの注目ポイントをチェック

欧州では昨年10月に発表されていた新型3シリーズ。型式名としては「G20型」となっている。フルモデルチェンジで進化したポイントについて、順を追って説明していこう。

3眼カメラが初採用された運転支援システム

新型3シリーズでは、運転支援システムが大幅に強化された。代表的なものが、新たに導入された3眼カメラ。衝突軽減ブレーキや車線維持補助機能などのためにボディ前方を向いたカメラが装着される事例は他社でも多いが、3つも組み合わせられる例は珍しい。

3つ取り付けられた目的は、レーンキープ性能の向上。

■車両周辺監視用単眼カメラ
・視野角度:150度
・検知距離:20m程度
■中距離検知用単眼カメラ
・視野角度:52度
・検知距離:120m程度
■長距離検知用単眼カメラ
・視野角度:28度
・検知距離:300m程度

目的の異なる3つのカメラを組み合わせられ、さらにレーダーも用いられることで、より正確に検知することが可能となった。この国内販売モデル初採用のカメラシステムは、新型3シリーズに標準装備されている。

御舘氏は、このシステムの採用に関して「単に予防安全機能が付いているか・付いていないかという問題ではなく、どこまで高い安全性をお客様にお届け出来るかという視点から、3シリーズではクラスを超えた性能をお届けする」とコメントし、BMWの安全に対する意識の高さをアピールした。

AIとオペレーターが二人三脚でドライバーをサポート

新型3シリーズでは、車の音声コントロール機能も充実。自然な会話で操作や情報検索ができる「BMW インテリジェント・パーソナル・アシスタント」が採用された。

「OK,BMW」AIにと話しかけることで、エアコン、シートヒーターなどの操作や、近隣の道路状態や店舗情報を調べたりすることが出来る。話しかけるワードは、「OK,BMW」だけでなく、好みの単語を設定することができるので、独特の単語を口にすることに抵抗感を感じていた人も安心だ。

ちなみに、発表会のプレゼンテーションでは「K.I.T.T(キット)」と、80年代の米国テレビドラマ「ナイトライダー」をイメージしたニックネームで呼んでいて、思わずニヤリとさせられたマスコミ関係者も多かったはず。

注目したいポイントは、音声コントロール機能からオペレーターを呼び出すことも可能ということ。クルマが調べた情報で満足できなかった場合でも、これなら目的を最後まで達成することが可能となる。

BMWらしい高い走行性能は健在

最後に紹介するのは、3シリーズの特長として忘れてはならない走行性能について。御舘氏は「我々は3シリーズで常に『究極のスポーツセダンドライビング体験をお届けしてきた』という大きなプライドを持っている。本モデルでも、スポーツセダンとして新たなレベルの走行性能の基準を実現できた、と自負している」と語る。

具体的なポイントとしては、新開発のシャーシが採用され重心が10mm下げられたことや、設計重量値で55kgの軽量化が行われたことが改良された点となっている。もちろん、BMWがこだわる前後50:50の重量配分も健在だ。

主要市場である日本の声も反映

このように大きく進化した新型3シリーズ。導入にあたり、日本市場のユーザーが求める仕様や装備に変更するよう、多くの要望を本国のスタッフに伝えたという。

余談ではあるが、累計1500万台以上販売されてきた3シリーズのうち、日本市場で販売されたのは50万台と、わずか3%程度。しかし、御舘氏は「この3%は非常に大きな意味がある。日本市場はBMWが主要市場と位置づけている6大市場のうちの1つ(他の5市場はドイツ、イギリス、イタリア、アメリカ、中国)。それは、日本が多くの自動車メーカーを抱える成熟した市場だからというだけでなく、日本のお客様がBMWを心から愛し、大きくの思いを持っているから。そのため、企画の初期段階から日本のユーザーのニーズを積極的に伝え、反映させてきた」と説明し、今回の導入がいかに気合の入ったものであるかアピールした。

日本のユーザーの声が反映された主要ポイントは、以下のとおり。

狭い道でも安心の「リバース・アシスト」を標準装備
今回発表された新型3シリーズのボディサイズは、全長4715mm × 全幅1825mm × 全高1440mm(320i Standard)。先代モデルから全幅が25mm増し、ついに1800mmを超えたことが大きな変化といえる。日本の道路事情を考えると、ワイドな車幅に抵抗を感じるユーザーも少なくないだろう。

それを受けて、同社のフラッグシップクーペ「8シリーズ」にも採用されている「リバース・アシスト」機能が標準装備された。この機能は、直近50m以内の走行した道のりをクルマが記憶し、必要に応じて後進時のハンドル操作が自動になる、というもの。細い路地に入り込んでしまったときに役立つ。

日本専用仕様の設定

日本の道路事情などを反映した「320i」を開発。専用にチューニングされたエンジンが搭載されているこのモデルは、欧州を始めとする初期生産分には設定のない仕様だ。

追加モデルも続々!「Year of 3シリーズ」となる2019年

以前から定評のあった走行性能に加え、予防安全機能や音声コントロール機能なども強化された新型3シリーズ。追加モデルとして「320d xDrive」(ディーゼル × 4WDモデル)、「340i xDrive」(高性能4WDモデル)、「330e」(プラグインハイブリッドモデル)などの様々なラインナップが1年以内に登場することが、既に予告されている。

「駆け抜ける歓び」を掲げるBMWだけあって、走行性能の進化も気になるところ。走りの質感やAIとの対話など、実際に乗って試したいと思わせる1台だ。